はじめに
こんにちは!東京・渋谷でロルフィング・セッションと脳科学から栄養・タロットカウンセリングを提供している大塚英文です。
ロルフィングのセッションで大事にしているのは呼吸だ。なぜならば、(横隔膜、肋間筋を中心とした)呼吸の筋肉を意識している人が少なく、その結果として呼吸に問題を抱えている人が多く見受けられるからだ。
今回の投稿では、ロルフィングで呼吸を整える意味と、口呼吸の問題点についてシェアしたい。
昔の人類は、歯医者いらず
「人体・600万年史」によると、ダニエル・リーバーマンが、歯並びについて調べていく中で、興味深いことがわかった。産業革命前の人類は、虫歯、歯並びが悪い、親知らずを含め、歯並びが良かったことが化石の記録から明らかになっている(逆に、産業革命以降、歯並びが乱れるようになる)。
そして、歯科医師のSandra Kahnと人類学者(人類進化が専門)のPaul Ehrichの2人によって書かれた「Jaws – The Story of a Hidden Epidemic」(邦訳なし)の本で、現代人の歯並びがなぜ乱れているのか、多数の写真と共に紹介している。
彼らが歯並びが乱れている最も大きな原因の一つとして挙げたのが、口呼吸だ。サル(2〜6歳)で、鼻を塞いで口呼吸を行う群と、鼻呼吸を行う群に分けて実験を行うと、しばらく経過観察していくと、やがて、歯並びの乱れが認められたそうだ。
口呼吸の弊害〜歯並びへの影響
興味深いことに、口呼吸を中心とした生活を送ると、上顎が徐々に狭くなっていく。空気を多く取り入れるように、チューブ状に口の形が変形するためだ。その結果、上顎に舌がついていることが、口腔の姿勢に安定をもたらすのだが、スペースが小さくなって、舌が下がる。
舌が下がると、折角呼吸をしようと思っても、人間の構造上、気道が狭まる。さらに下顎も下がってくるので、口呼吸を促し、悪循環になる。
実際、鼻呼吸よりも口呼吸をしている人が圧倒的に多い。ジェイムズ・ネスターの「BREATH・呼吸の科学」では、鼻をシリコンで10日間塞いだ人体実験を著者ご自身で行う。結果的に、いびき、無呼吸症候群、睡眠不足をはじめ、実験開始直後から、さまざまな問題が出てきたらしい。
口呼吸vs鼻呼吸〜それぞれの特徴
パトリック・マキューンの「トップアスリートが実践・人生が変わる最高の呼吸法」では、口呼吸を行う弊害について取り上げている。口呼吸によって、猫背になりやすい、口が乾きやすい、いびきの助長等。一方で、鼻呼吸には、吸い込む空気の量が増えるを含め色々な利点がある。
生活習慣と呼吸〜ロルフィングができること
このように、呼吸は生活習慣と密接に関与。生活習慣を改善できれば、呼吸の質も変化。対処療法に対処するよりも、結果が出ると考えている。ロルフィングでは、筋膜へアプローチ。横隔膜の動きに意識を向けることで呼吸の改善をしていく。口呼吸から鼻呼吸へ変えるきっかけを与えてくれる。
まとめ
今回は、呼吸とは、生活習慣の一つであり、改善することで、生活の質が上がっていくこと。さまざまな現代病に対しても対処することができることなどを取り上げた。少しでもこの投稿が役立つことを願っています。