【R#24】Phase II(13)〜身体感覚〜Embodimentとは何か?

毎回、ロルフィング・トレーニングの授業開始時にEmbodimentというセッションを行っている。身体感覚を養う上で鍵となる言葉なのだが、EmbodimentをOxford Advanced Learner Dictionaryで調べると
a person or thing that represents or is a typical example of an idea or a quality
であり、日本語に訳すと「具現化」。私自身、最初にこの言葉を知った時、何を意味しているんだろうか?全くピンとこなかった。なぜならば、Embodimentのセッションの体験が「具現化」と結びつかないからだ。
iStock_000002722014Small
Embodimentのセッションでは、身体を動かす。各セッションのテーマとなる上半身と下半身の上下、前後、左右やセッション4で扱う中心軸をどう身体内で感じるのか?について動きを通じて学ぶためだ。興味深いのは動きには、動物的の動きに模したものも出てくる。授業では進化論を通じて、軸がどのように発達してきたのかについても学ぶためであり、その経験を身体内で覚えさせるのだ。
sun in hands
そこで、Giovanni先生にEmbodimentの言葉の意味を伺った。彼がいうのは、Embodimentとは感覚(sense)もしくは経験(experience)であると捉えるとわかりやすいのではないかと言っていた。
Holding The Sky
確かに、embodimentの語源(online etymology dictionaryを参照)を調べると、
em:in(内)
bodi:body(身体)
ment:名詞化の語尾
となり 「身体内に取り入れる」といった意味になる。
ロルファーになるためには、身体感覚を研ぎ澄ませることが大切となる。その際、身体感覚を自分の中でも体験できていないとクライアントの身体内部で何が起きているのか捉えるのが難しい。これは、ヨガの先生がヨガを教える際に、どれだけ自分が練習したか?その範囲のことでしか教えることができないのと似ているように思う。 Embodimentとは、いわば身体内に感覚や経験を取り入れるといった作業だと考えればいいと思う。そして経験の数が多ければ大きいほど、body readingにも磨きが入る。
iStock_000016339384Small
Embodimentは手技の練習(授業では練習のことをPracticumという言葉を使う)とともにロルフィングのトレーニングの柱である。身体感覚をこのような形で養うのは、興味深いと思う。

この記事を書いた人

Hidefumi Otsuka