2人の先生のクライアント・セッション・デモも8回目が終わった。毎回参考になるセッションが続き、先生の個性もセッションに出る。セッション8は興味深いセッションになったのでシェアしたいと思う。
Andrea先生は、セッション終了後(2015年3月12日)のディスカッションの時、途中でどのように施術したらいいのか、わからなくなり、真っさらになった瞬間が訪れたのだそうだ。そのことをディスカッションの最後にシェアしてくれた。テーブル(ベッド)でのワークがひと段落して、クライアントに施術の実感を体験していただくため立ち上がった直後のこと。見失いことを体感。対処として、一度原点に立ち戻り、目的を見つめなおしたら、やがてやるべきことが直感で浮かんだのだそうだ。このようなことを正直にAndrea先生がいうのは驚いたが、恐らくクラスの雰囲気がいいのでそのようなことをシェアするのが可能なんだろうなぁ、と思う。
12年の経験の先生がそのようにいうのは驚いたが、もっと驚いたのがJörg先生の話。彼も24年も経験しているが、今でもたまに自分自身が何をやっているのか?見失う瞬間があるらしい。その時に、It will come(やがて思い浮かぶ)という言葉を忘れずに落ち着いて、その時間を待つ。
実は、現在ミュンヘンではPhase IIIのトレーニングに並行して1ヶ月遅れで、Phase IIのトレーニングが行われている。そのために今回別の場所に移動してでのトレーニングになった訳だが、Phase IIで教えている先生は30年の経験をもっているHarvey Burns先生。
たまたま昨日(2015年3月11日)、Phase IIIのトレーニングを終了後、Harvey先生とAndrea先生、Jörg先生が食事した時のこと。このセッション中にわからなくなる体験について話題になったらしい。
なんと、どの時期だったかについては話していなかったが、Harvey先生がロルフィングのトレーニングでデモを始める前に、何をやっていいのか?わからないといったことがあり、まさにその見失う経験をしている。It will comeという言葉通り、ある程度間をおくとやがて施術を行うようになったとのこと。そして
「優れた先生はスイッチがOFFになってもすぐにスイッチをONにすることができる先生だ」
とJörg先生は解説してくれた。
この何をやったらいいのか?わからない状態というのはセッション8と9で起きやすい。なぜならば、特にセッション8と9についてはセッション1〜7のような手順というのが明確になっているわけではなく自由度があるからだ。
自分自身も何度かPhase IIとPhase IIIでどのように進めていくのか?わからなくなるという体験は何度かしている。たいていの場合には、施術する相手とのつながりが失われた時に経験するが、その時にこそ学ぶことが多い。
セッション8と9の練習(英語ではPracticumsという)の時に、あえて難しい施術の方法を生徒に試すことを課し、クライアントに応じて施術者の身体の使い方を変えるのを推奨するというのは、ある意味でこういったわからなくなってしまうという体験とクライアントに応じて臨機応変に対応することが表裏一体だということを教えられているというのは一つの例だ。
後、6日間でトレーニングが終了し、認定ロルファーとなる。その後は実地に入り、こういった体験をすることもあるだろうと思うが、そうした時に経験の長い先生達この言葉は励みになる。
今この瞬間に学べることを吸収することを心がけていくが、自分が学べるのは試行錯誤、特にチャレンジしている時。どういったロルフィングスタイルになるかわからないが、恐れずに前に進めればと思っている。