2018年2月4日。開催されたRolf MovementのトレーニングもPart 2が修了。Rolf Movement Practitionerとして認定を受ける上では、残り、Part 3の2019年10月10日〜10月13日(4日間)、11月27日〜12月1日(5日間)の合計9日間となった(カルキュラムについては「どのようなカルキュラムで進んでいくのか?」参照)。
今回、Rolf Movementのトレーニングと並行してヨガの練習も行ったが、前屈や後屈系のポーズが取りやすく、上半身と下半身が繋がっている感覚を強く持った。
大きいのは、自分がヨガのポーズをとっている際にPre-movementはどこにあるのか?より意識して練習ができるようになったことだ。
今回Pre-movementについて触れたい。
「直感と身体観察を通じて見えてくるものは・・・」に書いたが、
Aline Newton(以下Aline)によると、
Pre-movementとは、
「動作を行う前に身体を安定化(stabilize)させるために、どこの部分に力が入っているのか?」
「動作が行われる前(Pre)」の「動作(Movement)」
のこと。
そして、
「立つ姿勢」から「座る姿勢」に移った際に観察しやすいことを学んだ。
アシュタンガ・ヴィンヤーサ・ヨガの練習を実践をしている人を見ると、体幹の部分や骨盤底に力を入れている人が多い。
バンダ(「バンダ」=「締め付け」という意味)を使ってポーズを取るということを学ぶのだが、ヨガで言うところのプラーナ(日本語では「気」)の流れを外に漏らさないために、内側で閉じるために行うテクニックの一つとして考えられている。
バンダを意識した練習を行うと、より尾骨と坐骨に力を入れ、背骨が下に引っ張られる状態になりやすい。その結果、背中が丸まり(尾骨が下へ頭が上に引っ張られる)、反対側の胸の幅が狭まり、胸が締め付けられるような姿勢へ変化。肩の可動域が狭まり、後屈や前屈のポーズが取れにくくなる。
Rolf Movementでは、四つん這い、座位の姿勢から、骨盤底には恥骨・坐骨・尾骨があり、その3つは独立して動いていることを意識するエクササイズを学ぶが、そのことを通じて骨盤底に呼吸が入りやすくなり、肩の可動域が広がり、腰の痛みも軽減の方向へ進んでいく。
そして、Pre-movementに注目すると劇的に身体に変化が起きることを、クライアントとのセッションを通じても感じることができた。。
例えば、9日目。クライアント・セッションを行った時に、肩や胸の力が抜けなかったのだが、Rita Geirola先生が尾骨を含めた骨盤底の力を抜くような意識を持って取り組むと変化するということを指摘。
確かに、クライアントが椅子に座っているときに坐骨を意識できずに苦心していたので、何かありそうだと思っていたのだが、指摘を受けて実際に骨盤底の力を抜くようなエクササイズを実践してみると、背骨が伸びる感覚が出てきて、その結果肩に対する働きかけ抜きに、肩の可動域が広がっていった。
身体というのは、肩や胸に目を向けるだけではなく、背骨を含め全身に目を向けることも大事だということを実感した。
Pre-movementというのは、アレクサンダーテクニックにおける頭と脊柱の関係に注目するのに似ている。アレクサンダーテクニックでは、その関係に注目、身体の不必要な自動的な反応に気づき、それをやめていくことを学習。力を抜くことを身体で覚えていく方法として知られており、私もロルフィングの手技を学ぶ前に、学んでいたことを「アレクサンダー・テクニックとの関係(1)」に書いた。
動く前に不必要な身体反応に気づき、緊張を解いて行くということは、ある種習慣を変えて行くということでもある。劇的に変化することでもあるので、今後ともPre-movementは注目していきたい。