なぜ呼吸法は『身体の状態』を変えるのか──プラーナーヤーマと現代呼吸生理学

ヨガ × ロルフィング・全5回シリーズ・第5回

はじめに

このシリーズの第1回〜第4回では、ボディスキーマ・Tonic Function・スペース感覚・個別化原理という4つの視点から、ヨガとロルフィングの接点を探ってきた。

第5回では再び呼吸に戻る。テーマは「プラーナーヤーマ(呼吸法)」だ。第2回ではウジャイ呼吸とTonic Function、そして二酸化炭素濃度をめぐるボーア効果を扱った。本稿はその延長線上にあり、ウジャイの背後に広がる呼吸法の地図──8つの準備のエクササイズと4つの代表的なテクニック──を扱いたい。

私がアシュタンガ・ヴィンヤーサ・ヨガを始めたのは2006年。約9年間実践してきたウジャイは、2015年の時点で身体に染み込んだ呼吸だった。しかしその年の9月、ある身体実践者との出会いをきっかけに、ウジャイは「伝統的なプラーナーヤーマの一部にすぎない」と気づくことになる。スリランカでアーユルヴェーダの4日間を過ごした(第4回)3ヶ月後の出来事だった。

ウジャイの先にあった「呼吸法の地図」

きっかけは2015年8月15日、大阪のロルファー・佐藤博紀さん(TEN〜the space for your Life & Body主宰)からの紹介だった。福井在住のヨガ・インストラクター、斎藤素子さん(Yoga and Wellness Chandra主宰)と初めてお会いし、9月4日に辻堂、9月5日に藤沢でクラスを提供されると伺った。

斎藤素子さんは医師免許を持つヨガ指導者で、インド・ロナヴァラのカイヴァリヤダーマ・ヨーガ研究所系統でプラーナーヤーマを学ばれている(同研究所所長のティワリ先生から学ばれた知見が、講座の中で繰り返しシェアされた)。それまで様々なヨガ指導者のワークショップを受けてきたが、医師から学ぶのは初めて。医学的な見地からヨガをどう見るのか、知る絶好の機会だった。

9月4日のクラス(田島恭子さんのトラディショナルアーユルヴェーダジャパンで開催)は、8種類の準備のエクササイズから始まった。ウディアナ・バンダ、アグニ・サーラ、カパーラバーティ、ナウリ──知らない名前が並ぶ。それまでアシュタンガで唯一意識的に行っていた呼吸法はウジャイだったが、初めて経験する技法群を終えたあと、身体には軽い疲労感が残った。「アシュタンガとは違う」という感覚は鮮明だった。

このとき斎藤素子さんが繰り返した言葉がある──「ヨガの目的は、心(マインド)の働き(乱れた働き)の影響を超えていくこと」。そしてマインドに最も近い呼吸にアプローチすることが、プラーナーヤーマの本質だ、と。

9月の飛び入り参加をきっかけに、2015年10月22日にセッション・ルームZEROで実践クラスを開催(16名参加)。続いて2015年11月3日・4日・17日・28日に渋谷で開かれた連続講座(4日間・参加者12〜13名)にも参加した。スケジュールは午前10時から午後5時までで、実践①→レクチャー→実践②という構成。理論と実践が往復する。

第2回で扱ったウジャイは、その地図の中の「すでに知っていた一点」だった。だが本当にそうなのか──ウジャイは何のためにあるのか──を、より広い文脈で見直すことになる。

8つの準備のエクササイズ──プラーナーヤーマの土台

連続講座の最初に教わったのは、技法そのものではなく、準備のエクササイズ8種類だった。

斎藤素子さんは、その理由をこう説明していた──プラーナーヤーマは息を止めることによって体腔内の二酸化炭素濃度を高め、神経系に働きかける技だ。だが身体に不必要な緊張があると、必要以上に圧がかかったり、本来かかるべき圧がかからなかったりする。準備のエクササイズはその不必要な緊張を取り除き、「弛緩させる部分と緊張させる部分を自分の意思で自由にコントロールできる」状態を作るためにある。

8つのエクササイズは次の順序で組まれている:

  1. 腹式呼吸(仰向け):腹壁の緊張をとり、呼吸を観察するエクササイズ
  2. ウディアナ・バンダ/ナウリ(5ラウンド):腹腔内に陰圧をかけ、内臓・脈管系を内側からマッサージ
  3. アグニ・サーラ(5ラウンド):腹腔内に陽圧をかけ、内臓・神経・脈管系を刺激
  4. シンハ・アーサナ(5ラウンド・ライオンのポーズ):首から下を緊張させて首から上を解放
  5. ジーヴァ・バンダ(15ラウンド・舌のロック):頸動脈洞・頸部神経への働きかけ
  6. ブランマー・ムードラ(3ラウンド・首の回旋):首の緊張をほぐす
  7. カパーラバーティ(20pumps×5・速い吐息):呼気の素早い反復・神経系刺激
  8. ナーディ・ショーダナ(5ラウンド・片鼻交互呼吸/吸4秒:呼8秒の1:2)

これら準備のエクササイズに加えて、ウジャーイ・シッカーリ・シータリー・ブラーマリーという4種類のプラーナーヤーマ本編を実践すると、合計で約40分かかる。連続講座を受講していた11月の朝、私はアシュタンガと瞑想の練習の前にこれらを実施するために、いつもより20分早く午前4時40分に起床していた。

数日続けるうちに、興味深い体感の変化があった──①坐骨が安定し背筋が自然に伸びる、②呼吸が安定して瞑想に入りやすい、③アシュタンガの太陽礼拝で柔軟性が増す、という3点だ。

ここで重要な視点がある。プラーナーヤーマは「呼吸を吹き込む技」ではない。むしろ呼吸が起きる場を整える技だ。「準備のエクササイズ」というネーミング自体に、この姿勢が現れている。

ウジャイ呼吸──Tonic Functionとの再会

8つの準備のエクササイズを終えると、4つのプラーナーヤーマ本編に入る。最初に行うのがウジャイ・プラーナーヤーマだ。

ウジャイ呼吸については、第2回(<a href=”https://rolfing-zero.hidefumiotsuka.com/2025/05/20/84969/” target=”_blank” rel=”noopener noreferrer”>なぜウジャイ呼吸は『身体の奥』に届くのか</a>)で扱った。喉の奥を細めて気道を狭くし、波の音のような呼吸を行うことで、Tonic Function(深層抗重力筋)が活性化する──というのがその時の論点だった。

連続講座で改めて学んだのは、ウジャイには2つの意義があるということだ。

  1. 喉を引き締めて気道を狭くすることで、過剰な力を使わずに長時間の呼気が可能になる
  2. 頸部の喉を引き締めて首を固定することで、鎖骨・肋骨が動員され、余計な力を使わずに本来働くべき呼吸筋(横隔膜・肋間筋・頸部筋群・骨盤底筋群)が働く

特に2点目はロルフィングの視点から見ると重要だ。ウジャイは「呼吸を変える技」というより、呼吸に関わる構造を再配置する技として働く。第2回で扱ったTonic Functionの活性化は、この再配置の結果として起こる。

それまで私はウジャイをアシュタンガ特有の技だと思っていた。だが斎藤素子さんは、ウジャイは伝統的なプラーナーヤーマの中の1つだと語った。アシュタンガという現代ヨガが20世紀に体系化される過程で、伝統的な呼吸法の中からウジャイが選ばれて組み込まれた──そう捉え直すと、第2回で扱ったTonic Functionは「ウジャイの専売特許」ではなく、呼吸法群の共通基盤として位置づけ直せる。

ナーディ・ショーダナ──片鼻交互呼吸と自律神経

ウジャイの次に学んだのは、ナーディ・ショーダナ(片鼻交互呼吸)だ。

技法は単純に見える。右手の親指で右の鼻孔を、薬指で左の鼻孔を交互に塞ぎながら、左から吸って右から吐く、右から吸って左から吐く、を繰り返す。呼吸の比率は吸気4秒:呼気8秒(1:2)が基本だ。

実際にやってみると、見た目以上に難しい。私自身、ZEROで開催した実践クラス(10月22日)でも、連続講座でも、斎藤素子さんから首の位置のアジャストが入った。指で鼻を交互に塞ぐ動作の中で、無意識に首が動き、体軸がずれてしまう。「鼻を塞ぐ手の動き」と「頭・首の位置」は別々に保たれていなければならない。

これは私にとって、ロルフィングと呼吸法を架橋する発見だった。呼吸法は呼吸単独の技ではなく、頸部の構造に直結している。第3回(スペース・坐法)で扱った頭部の位置感覚と、ロルフ・ムーブメントが扱うPre-movementの観察──これらはナーディ・ショーダナを正確に行おうとした瞬間に、すべて立ち現れる。

ナーディ・ショーダナの効果は、伝統的には自律神経バランスの調整と説明される。左鼻優位=副交感神経/右鼻優位=交感神経の傾向があり、約90分ごとに自然な切り替え(鼻周期)がある。意識的に左右のバランスを取ることで、自律神経の自己調整能力を呼び覚ます手がかりになる、と。

ここで強調したいのは、呼吸法は「神経系への外側からの介入」ではないということだ。自律神経そのものを意識でコントロールはできない。プラーナーヤーマができるのは、呼吸という間接的な手がかりを通じて、自律神経が本来持っている自己調整能力を呼び覚ますことだ。実践のポイントも、力まず・等しく・無理せず、に集約される。

カパーラバーティ──腹圧と神経系への刺激

8つの準備のエクササイズの中で、もっとも刺激の強い技がカパーラバーティ(速い吐息)だ。

技法は鼻からの速い吐息(毎秒1〜2回)を、20回×5セットで行う。吐息のたびに腹筋を急激に収縮させ、吸息は受動的に起こさせる。横隔膜・腹筋群・骨盤底筋群が連動して動き、内臓に振動が伝わる。

連続講座での体感として、カパーラバーティの最中は腹圧の急激な変化が顕著で、終了後にしばらく覚醒度が上昇する感覚があった。呼吸筋の強化、内臓刺激、神経系への刺激という3つの効果がある、と説明された。

ただし禁忌が明確に伝えられた:

  • 月経中・妊娠中
  • 高血圧・心疾患(特に1分間120回の高速版)
  • 悪性腫瘍など特別な配慮が必要な状態
  • 急性期の強いストレス状態

特に最後の項目は、ヨガセラピーとして重要なポイントになる。詳しくは後の章で扱う。

カパーラバーティを実践してみて気づいたことがある。ロルフィングを受けた後にカパーラバーティを行うと、横隔膜の動きが感じやすい。これはロルフィングの1回目セッション「呼吸を調える」で、横隔膜と肋骨の関係が再配置されているためだろう。強い技ほど、身体の準備が整っていることが前提になる。8つの準備のエクササイズが必要な理由が、ここにある。

クンバカ──息の保持と二酸化炭素濃度

連続講座の後半で扱われたのが、クンバカ(息の保持)だ。プラーナーヤーマという言葉自体が、サンスクリット語で「プラーナ(呼吸・生命のエネルギー)+アヤーマ(延長する/止める)」を意味する。クンバカ──息を止める技は、プラーナーヤーマの語源そのものに含まれている。

クンバカには2種類ある:

  • アビャンタラ・クンバカ(内側のクンバカ):吸息のあとの保持
  • 外側のクンバカ:吐息のあとの保持

一般に最初に練習するのは、深い吸気のあとに行うアビャンタラ・クンバカだ。そして安全にクンバカを行うために、ジャーランダーラ・バンダ(顎を胸骨上端に近づける顎のロック)を必ず併用する。これは、息を止めている間の血圧・心拍の変動を頸動脈洞の刺激(迷走神経反射)で和らげる役割を持つ──伝統的な技が、現代の生理学的に見てもしっかり機能する例だ。

息を止めると、血液中の二酸化炭素濃度が上がる。すると呼吸中枢が刺激され、呼吸の回数が増える方向に圧がかかる。だがそれを抑えて呼吸を遅く深く保つ訓練──それがクンバカの本質だ。第2回で扱ったボーア効果(CO2上昇 → ヘモグロビンの酸素解離 → 組織への酸素供給促進)も、この延長線上で働く。

連続講座で斎藤素子さんが繰り返し強調していたのは、プラーナーヤーマの本質は酸素ではなく二酸化炭素濃度にあるということだった。一般的に呼吸法というと「酸素を多く取り込む」イメージがあるが、実際は逆で、二酸化炭素濃度の上昇に身体が馴染んでいくことこそが、副交感神経優位のリラックス状態への扉を開く。第2回で言及したPatrick McKeown『The Oxygen Advantage』の知見もここでつながる。

現代呼吸生理学の文脈で参考になるのが、「二酸化炭素耐性」のチェックと訓練だ。McKeownが提唱したBOLT(Body Oxygen Level Test)スコアのように、自分の呼吸器系がどの程度CO2濃度の上昇に耐えられるかを測る試みがある。耐性レベルに応じて、吸気→息止め→呼気→息止めの4拍子を毎日2分ほど(耐性「低」なら3秒・「中」なら5〜6秒・「高」なら8〜10秒)練習することで、徐々にCO2耐性が高まっていく。これはまさに、伝統的なクンバカが目指してきた身体の状態だ。古典が「クンバカ」と呼んできた技は、現代呼吸生理学の言葉で言えば「二酸化炭素耐性を上げる訓練」と訳せる──同じ身体現象を、異なる言語で記述している。

CO2耐性は徐々に上がるため、段階的な訓練が必要で、いきなり長く止めようとすると恐怖反応が出る。実践のポイントは、無理に長く止めない、日々の積み重ね、恐怖反応が出ない範囲で、の3点だ。

「呼吸を止める」という一見シンプルな技が、身体の最も基本的な化学反応に直結している──このことが体感として腑に落ちたのは、連続講座の終盤に近づいてからだった。

「実践において知識を一度手放す」──ヨガ・セラピーの基本姿勢

ここまで6つの技法を取り上げた。しかし連続講座の中で斎藤素子さんが繰り返し伝えていたメッセージは、技法そのものではなかった。

「実践において知識を一度手放す」

矛盾するように聞こえる。座学で詳しく解説された呼吸法の知識を、実践の場では一度手放すように、と。だが斎藤素子さんはこう続けた──知識(特に腑に落ちた知識)は、必要に応じて手助けしてくれる。だが実践中にそれを思考として握っていると、回数は正しいか/正しく行っているかといった左脳的な問いに引き戻され、余計なエネルギーが使われる。

これは、Intellectual understanding(頭による理解)とPractical understanding(実践による理解)の区別とつながっている。プラーナーヤーマも瞑想も、実践してみて初めてわかるもの。本だけで理解できる類のものではない。

連続講座の最終日(11月28日)、参加者からの質問に答える形で、斎藤素子さんは実践中に観察すべき5つの点を挙げた:

  1. 実践中にどれだけ思考が自分の中に入っているか
  2. リズムは一定に保てているか
  3. 終わった後、心地いい感覚になっているか
  4. 自分が練習法を実践する時にどういう態度になっているか
  5. やらされている感はあるか

「知識を手放す」とは、放任ではない。思考から離れた地点から自分を観察することだ。

そしてもう一つ、ヨガセラピーの基本姿勢として伝えられたことがある──「期待して行うものではない」「1回で効果が実感できるものでもない」。身体が判断したタイミングで、内側から解決策=セラピーが出てくる。これは第4回(アーユルヴェーダ)で扱った「マニュアルではなく、その人の状態に応える」という個別化原理と通じる。

最後に重要な実践的注意がある。感覚に深く入る瞑想(特に長時間・無誘導のもの)は、鬱の状態にある人には禁忌となる。静かに座ろうとすると、内側から発する言葉を止めることができず、症状が悪化する場合がある。代わりに、お経やマントラを唱える(呼吸のエクササイズになり、安心感ももたらす)、あるいはヨガのポーズで身体の緊張をコントロールするといったアプローチが推奨される。プラーナーヤーマの中でも、強い刺激系の技(カパーラバーティなど)は急性期の強いストレス状態には不向きで、ナーディ・ショーダナやゆっくりとした深い呼吸など、穏やかな技から入る方が安全だ。

なぜ感覚瞑想が一部の人に逆効果になるのか──そのメカニズムは、瞑想の神経科学(DMN・Polyvagal理論・幻覚剤研究との比較)として、もう一つのサイト『Mind Bodywork LAB』の「認識のOSと瞑想」シリーズで深く扱う。 → 認識のOSと瞑想 Gateway(MBL)

本稿では「実践面の注意」に焦点を絞り、神経科学的なメカニズム解説はMBLに譲る。

ロルフムーブメントとの連動──呼吸の動きを言語化する

呼吸法は意識的な操作だが、別の角度から見ると観察の対象でもある。ロルフ・ムーブメント®の中核概念であるPre-movement(プレムーブメント、動作前の動き)の観察を、呼吸に応用するとどうなるか。

「吸う前の身体は何をしているか」「吐き終わる瞬間に何が動いたか」──こうした問いを呼吸に向けると、それまで意識の外にあった微細な動きが浮かび上がってくる:

  • 胸の左右どちらが先に開いているか
  • 肋骨の動きに左右差はないか
  • 下腹部が一瞬遅れて反応していないか
  • 吸う直前に、どこかが緊張していないか

これらの観察は「呼吸を変える」ためではない。自分の呼吸の癖を可視化するためにある。気づいた癖を言語化することで、初めて変化への手がかりが生まれる。

呼吸法は「呼吸を変える技」だけではない。呼吸を観察するためのフレームでもある──これがロルフ・ムーブメントの視点から見たプラーナーヤーマの姿だ。

シリーズGatewayで紹介したロルフィング・ロルフ・ムーブメント・ヨガの3者循環が、ここでも働いている。ロルフィングで構造を整え、ロルフ・ムーブメントで動きを観察し、ヨガ呼吸法で日々の呼吸として織り込む──この循環の中で、プラーナーヤーマは「日常実践に呼吸を織り込む装置」として機能する。

結び──プラーナーヤーマと身体構造

プラーナーヤーマの本質は「呼吸を整える」ことではない。呼吸が整う身体を育てることだ──連続講座を通じて私が腑に落ちたのはこの一点だった。

連続講座の最初に教わった8つの準備のエクササイズは、その姿勢を端的に示している。プラーナーヤーマ本編に入る前に、身体の不必要な緊張を取り、神経系を整え、構造を再配置する──これらの土台が整って初めて、ウジャイ・ナーディ・ショーダナ・カパーラバーティ・クンバカといった技法が、本来の働きをする。

第2回で扱ったウジャイは、より広い呼吸法群の入口だった。第5回ではその地図全体を辿った。ロルフィングで構造を整え、ロルフ・ムーブメントで動きの中に定着させ、プラーナーヤーマで日々の呼吸として織り込む──このシリーズで描いてきた3者循環が、プラーナーヤーマにおいて最も日常的な形で働く。

そしてもう一つ。プラーナーヤーマは八支則(ヤマ/ニヤマ/アーサナ/プラーナーヤーマ/プラッティヤーハーラ/ダーラナー/ディヤーナン/サマーディ)の第4ステップに位置する。その前にはアーサナ(第3ステップ)があり、後にはプラッティヤーハーラ(制感)からサマーディ(三昧)までの内側ヨガが続く。プラーナーヤーマの先には瞑想がある──連続講座で繰り返し示されたこの方向性こそが、本シリーズを「ヨガと身体構造」から「ヨガと意識」へとつなぐ橋になる。

ヨガの八支則の中でプラーナーヤーマがなぜ第4ステップに置かれているのか、瞑想とどう接続するのか──こうした思想軸はもう一つのサイト『Mind Bodywork LAB』の「認識のOSと瞑想」シリーズで扱っている。 → 認識のOSと瞑想 Gateway(MBL

シリーズ全5回はこれで完結する。ボディスキーマ(第1回)、Tonic Function(第2回)、スペース感覚(第3回)、個別化原理(第4回)、そしてプラーナーヤーマ(第5回)──ヨガとロルフィングの接点を5つの視点から探ってきた。両者は別々の体系だが、身体を通じて自分自身を観察し、変容させていくという姿勢を共有している。

参考:2015年プラーナーヤーマ連続講座(オリジナル記録)

本記事の素材となった当時の記録(Mind Bodywork LAB所収)

ヨガ × ロルフィング・全5回シリーズ


修正ではなく、変容を。

呼吸法は単独で習得するものではない。身体の構造が呼吸を支え、呼吸が構造を再配置する。ロルフィングは10回シリーズで、筋膜・骨格・神経系を含めた全体構造に働きかけ、呼吸が深まる土台を整えていく。

まずは60分の体験セッションで、ご自身の呼吸の現在地を確認することから。

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※10回コースの強制はありません。まずは1回、ご自身の身体で確かめてください。

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大塚英文(Ph.D.)|認定アドバンスト・ロルファー™/ロルフ・ムーブメント・プラクティショナー/全米ヨガアライアンス認定指導者(RYT200)
東京大学大学院医学研究科博士課程修了。製薬業界を経て、2015年より渋谷でロルフィング®セッションを提供。2006年よりアシュタンガ・ヴィンヤーサ・ヨガを実践中。「思考・感情・身体の統合」をテーマに活動。

この記事を書いた人

Hidefumi Otsuka