【R#34】Phase II(22)〜セッション7:頭・顔

セッション4、5、6は、骨盤の上(大腰筋、仙骨や背骨)、下 (骨盤底や内転筋)を通じて(4は内転筋〜骨盤底付近、5は大腰筋や横隔膜、6は、背骨と仙骨)、中央軸を調えていく。
jintaizu_中心軸ver2
セッション4〜6の場所については下記の図を参照いただきたいが、一つ抜けている箇所があることに気づくと思う。
jintaizu_中心軸_セッション4-6
それは頭・顔。セッション7では頭・顔と身体との関係を扱う。
jintaizu_中心軸_セッション7
中央軸というのは、頭の頂上まであるので、ある意味セッション7は中央軸の意識を取り戻す最終セッションである。ロルフィングが他のボディワークと異なる点としては、口や鼻の中にも施術を行い、筋膜の緊張を緩めるという点である。姿勢には3つの要素があることを本ブログで触れた(「【RolfingコラムVol.31】姿勢の3要素〜視覚、内耳感覚、筋感覚」を参照)。顔・頭に働きかけるのは、重力のバランスを調整する内耳感覚に働きかけることが大きな目的の一つとなる。
sky hook
自分自身の過去の身体観察の結果としてのテーマは、大腰筋と胸付近の緊張、そして頭をいかに力を抜いて動かすか?である。難しいのは、身体でそれがわかっていてもなかなか頭ではそれを消化することができない点である。そのためセッション4〜7の積み重ねで深層にある筋膜を一つ一つ解放していくことで、課題を解決していった。
walking body
セッション6では、仙骨の動きを意識することで、大腰筋の緊張が緩むのがわかってきたので、セッション7では、座りながらまず、坐骨の広がりを意識した。その結果として大腰筋の緊張が取れ、ぶら下がっているという意識が少しできた。
仰向けになり、仙骨の力や首の力を抜いた施術を行った後、胸付近(鎖骨、胸骨付近)や腕の筋肉(腕の橈骨、尺骨付近の筋膜を緩めた)の緊張を抜いていった。驚くべきことに、腕の筋肉の緊張を解いていくと、胸付近の緊張が解けていったところ。おそらく胸と肘は近い位置にあり、それが身体になんらかの影響を及ぼしているのだろうと推察された。その後、顔の表面にある筋肉を緩めた後、口腔内の筋膜(顎関節、上顎の歯の奥にあるドーム、側頭筋等)や鼻腔内、頭頂付近を緩めていった。全般的に、左のほうが右よりも力が抜けるのに時間がかかった。
helping hand
最後に、腹付近が締め付けられた感があったため、坐骨がしっかりと椅子についた状態を意識、大腰筋の力を仙骨を通じて緩め、胸先を意識したまま椅子から立ち上がった。胸付近に手を置いて、胸の力を抜いて、頭が身体の上に乗っていることに意識を向けた途端、全身が、力が抜けていった。また坐骨も胸付近からつながりを意識すると、バランスが調った感覚もあった。
Jumping on the beach
興味深いのは、上顎の歯の奥にあるドーム構造の部分が胸の引っ張りを軽減するのに役立ったこと。おそらく口腔内の筋膜が内耳感覚やバランスが整えることへ影響を及ぼしたのではないかと思う。
セッション7で4〜7と続いた中央軸のセッションも終わる。今までの上下、左右、前後と中央軸の意識を向けていた1〜7を統合する、セッション8〜10になる。これから先は、セッション8以降について触れていきたい。

この記事を書いた人

Hidefumi Otsuka