ヨーロッパのトレーニングではPhase IIとPhase IIIとの間(2014年11月27日〜2015年2月2日の間)にメンタリング(Mentoring、Mentorは指導者の意味)と呼ばれるセッションを2回受ける必要がある。メンタリングとは、上級ロルファー(Advanced Rolfer)のオフィスへ行き、技術や心がけなどを学ぶというもの。私は世界一周中で、なかなか時間が取れないので、2014年11月27日〜2014年12月2日の英国滞在中に受けることにした。
英国は、今回トレーニングを受けたGiovanni Felicioniを中心に今年初めて英国でトレーニングが行われ12人のロルフィングの卒業生を出した。Giovanni先生以外の2人から受けたいと思っていたので、今回はKeith GrahamとAlan Richardsonの2人から11月27日と11月28日にメンタリングを受けることにした。
今回はKeith Grahamで受けた体験について触れる。
Keith Grahamは、太極拳の達人でで2001年からロルフィングの施術を行っている。太極拳は、身体を調えるという意味ではロルフィングに似ているが、Keithによると、太極拳は足を地面にしっかりとつけて姿勢を調えることを心がける。身体を調えることで、相手に対して適切なスペースを自分自身に与えることができるのみならず、相手から受ける様々なネガティブなエネルギーを地面に逃すことができる。電気で言うところの、身体を触れる手が電源プラグで地面がアースの役割を果たすと考えるとわかりやすい。
ロルフィングのトレーニング期間中に内耳感覚の偏り(左優位)が原因で肩こりや首こりを起こしていることがわかったので、Keithからは首こりや肩こりに対してどのように対処したらいいのか?首へのアプローチについて学ぶことができた。
エクササイズとして、
顔を紙に鼻をペンにそれぞれ見立てる。鼻を地面に対して並行にする。また頭頂から地面に一直線の線が走るように身体の位置を調整する。そこでペン(鼻)を使って上下、左右と直線を紙(顔の正面)に描いてみる。慣れたら円を描く。次に頭の後ろに顔があることをイメージし鼻が正面の顔と同じ位置に鼻があることをイメージする。後ろの顔からも同じように上下と左右の直線と円を描く。当然後ろの方が難しいが、面白いのはこのエクササイズをするだけで首こりの軽減につながる。
もう一つ紹介があったのは、フェルデンクライスメソッドで学ぶ、目の動きのエクササイズ。左右のどちらでもスタートはOK。右に顔を向けて右を見ながら左に顔を回す(鼻の位置は平行のまま)。右を保つのが難しいが、左に行けるところまで動く。左からも同じことをする。これを2〜3回繰り返すと、肩や首こりが本当に楽になる。
そのほかにも頭蓋骨に手を当てるだけのCranial Sacral Therapyも体験。頭から背骨、下肢にかけて滞っているエネルギーが抜けていく感覚を味わうことができるのが興味深かった。
ロルフィングを通じて知るボディワークは本当に奥深い。ドイツに戻ってきたら是非とも上級ロルファーからの10回シリーズを受けて、自分の体験を増やしていきたいと思う。