【R#137】答えは自分の中

幸運なことに年末年始、セッション数や新規のお客さんも増えてきており、貴重な経験をさせて頂いている。私のセッションでは、ロルフィングを提供しているのだが、基本的にそれは目的ではなく手段であるということを念頭に、その人の抱えている課題・問題点は何なのか?それに応じて、自分の持っている他のスキル(エネルギー・ワーク(靈氣、ソースポイントセラピー)、コーチング、タロット、キャリア・カウンセリング等)も駆使することがある。
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課題・問題点を解決する上で、最も大事にしている考えは
「答えは自分の中」
にあるということ。これは、大学院時代に味わった挫折の中で先輩から聞いた言葉で、その言葉をきっかけに立ち直った経験から、重視するようになった考え方だ。
どんなに相手に対して、
「社会に出て○○を経験したほうがいいよ」
「苦労は買って出たほうがいいよ」
を言ったとしても、相手がそれに対して納得していなければ、受け入れる準備が整っていなければ、そして心に響かなければ動かないし、これらはあくまでも目的を達成するための手段に過ぎないからだ。
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私自身、注意しなければならないのは年齢(現在45歳)からみて人生経験も多くなっていること。
どうしても、年下の場合には相手よりも経験が多いと
「自分の経験のメガネ」=「自分の物語」
を語ってしまうことになる。
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所詮、自分と他人は違う人間であり、それぞれの感受性・個性も異なるし、相手の使う言語体系や使用する五感も異なる。そう言った人に自分の経験を語ったからって役立つとは限らないから。
だからこそ、与えられるのは気づきで、
答えは相手に最終的に出させること=答えは自分の中にあること
というきっかけ作りしかできない。
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なぜ、「答えは自分の中」という考えを自分に言い聞かせているかというと、すぐれた指導者は「あれをしろ」、「これをするな」等を通じて指示することで、相手の判断力を奪う人と出会うことがあるからだ。指導者に取っては相手をコントロール下に置くことができるから、扱いやすい。そうなると指導者の自己満足のみのために相手が動くということになってしまう。
ロルフィングで重視しているのは、相手を自立させること。
だからこそ、大事になるのは相手一人一人の話を聞き、課題・問題点を聞き出すことになる。
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そこで
「人の話を聞くこと」「心をニュートラルにすること」
の話となる。
【TarotコラムVol.12】で書いたことがあるが、
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「人の話を聴く」ためには必要なこととして、
相手には、最小限の情報を与え、相手が答えを出すために考える時間と心のスペースを用意する
ことを念頭に相手に必要な環境を整えること。
600人近い人のタロット及び半年間のロルフィング・セッションを提供した経験から
「知識が豊富で相手にこれだけ知っているんだよ!」
はセッションを遂行していく上で、知識として不要で逆に邪魔になる。
一人一人対峙するときには新鮮な眼、
「全くこの人については私は分かっていない」
という前提で接した方がはるかに相手のためになる。なぜならば、相手を知っているという前提で自分が接すると、相手が
「人の話を聴いてくれない」
と感じて心を閉ざしてしまうからだ。
身体的な面において心を閉ざしている場合には、ロルフィング・セッションは大いに役立つ。身体の硬さが取れると、心が開かれてくるからだ(ロルフィングの体験談については【Rolfing体験談Vol.3】参照)。
アメリカの心理学者ウィリアム・ジェームズは、
『悲しいから泣くのではなく、泣くから悲しいのだ』
という名言を残しているが、
『生理学的反応のほうが心理的な情動体験よりも先に起こる』
ということでもある。
本質的には、心を開けるような環境を提供する事で、粘り強く待つこと。私自身の一つ一つの経験を手放して、相手に必要な最小限の情報(気づき)のみを与えること
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それをヒントに、相手に必要な様々な質問を投げかけ、考える時間を与えることで、最終的に自分で答えが導きだされていくのだ。
相手が出した答えというのは、まさに答えなので、それが「タロットは当たる」「ロルフィングが役立った」という意味にも繋がってくる。
これからも、こういった考え方を大事に、引き続きセッションを提供できればと思っている。
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この記事を書いた人

Hidefumi Otsuka