【R#149】Jonathan Martine WS(2)〜痛みと神経へのアプローチ

2016年9月28日。Jonathan Martine(以下Jon)のワークショップも1日目を終えた(1日目の内容については、「NM Workshop(1)〜神経系とロルフィング」参照)。
神経系に働きかけるワークも、本日は腕神経叢(Brachial Plexus)、腰神経叢(Lumbar Plexus)を中心としたワークで、そこから枝分かれする神経系へのアプローチをとった。
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腕神経叢からの神経系支配下を受けている鎖骨下筋、小胸筋、肩甲下筋に神経マニピュレーションの手技を行うとどうなるのか?首の回旋の可動域が広がり、それほど皮膚に触れているわけではないのだが、深層につながっているという感覚があり、印象深かった。
又腰神経叢からは、上殿皮神経、中殿皮神経、外側大腿皮神経の神経へのアプローチと、背骨の延髄神経のワークや長胸神経+外側肋間神経のアプローチを組み合わせることにより左右の動きの安定性が増して、突っ掛かり感がなくなった。
ワークショップが終わった夜、クライアントのロルフィング1回目のセッションの予約が入っていたので、早速手技を試してみる機会があった。頚神経叢(Cervical Plexus)と腕神経叢の場所に注意して、神経へのアプローチからスタート。その後に通常の1回目に行う施術を行ったところ、痛みが軽減したのみならず、それほど力を入れることなく、筋膜へのアプローチが可能となった。
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Jonによると、新しい技術を学んだ時は、とりあえずやってみた方がいい。そして、やってみる過程で自分の前から身についている技術と融合して新たな武器となると述べていた。せっかくの12日間のワークショップ。セッションも何回か入る予定なので、色々と試す予定だ。
初日と2日目にJonは強調されていたが、身体というのは、安全だと感じていないと、頭の情報を通じて身体が硬直してしまう。特に、ボディワークを行っている場合には、少しでも痛みを感じることがあると、しっかりと施術を行えば行うほど、効果が出てこなくなってしまうという。
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大切なのは、
クライアント自身の施術に集中しすぎるのではなく、一歩引いて変化を観察。そして手から情報を聞くこと
身体が固まって警戒心が強く、身体のアプローチが難しい人にこそ、皮膚を通じて行う神経へのアプローチは効果的という。
要は、
身体というのは、脳によって絶えず身体地図というのが作られているが、脳以外の身体からのアプローチを「安全だよ!」という形で施術を行うことで、徐々に身体地図を書き換えていくことができるようになるということらしい。
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痛みに関しては、朝の質疑応答の時間で話題になったが、たいていのケースでは痛みというのは組織の損傷の問題というよりも、脳が安全ではないから動くな、といった形で現れて来るという。
そこで、少しずつ、ここまで動けるよね、という形で確認しながらセッションを行うと、不思議と痛みが取れてきて、動けるようになるという。そのことを具体的な臨床経験を例にJon先生は説明していった。
少しずつ神経系へのアプローチも細くなってきた。ロルフィングの各セッションとどう関連づけするのか?ついても興味が出てきたので、どこかでそれも整理できればと思っている。
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この記事を書いた人

Hidefumi Otsuka