2016年12月から2017年2月にかけて、ロルフィングを学んでみたいという日本人からの問い合わせがあり、ミュンヘンのトレーニングの説明を行う機会も少しずつ増えている。
ヨーロッパのトレーニングについては、以下にまとめている。
- なぜミュンヘンで学ぶことにしたのか:資格取得までの手続きと費用
- 英語が母語でない仲間と一緒に学ぶことで気づくこと
- 今後のERA Mentoring SessionとSupervision WS
- ヨーロッパのロルファーとしての認定までの歩みについて〜ヨーロッパ・ロルフィング協会・認定トレーニング

話を伺っていると、ミュンヘンのトレーニングでの日本人は、Phase Iで2人、Phase IIで2人参加しているという(2017年2月現在)。
ヨーロッパの先生はみんな英語が母語ではなく外国語である。そのために、英語を当たり前のように操るアメリカと違い、英語の喋り方は非常にゆっくりだ。
ヨーロッパ(ドイツ)で教育を受けて、多様な文化背景をもつヨーロッパならではの、意見を尊重してくれることや、話を聞いてくれるということを発見した。日本とヨーロッパは意外と近いということも実感した。
その経験から、ドイツで受けた方がいいと思っているので、日本人が着実に増えているというのはいいことだと思っている。
その中の一人で、2017年2月20日からPhase IIIのトレーニングを受ける予定の桑原麻衣子(現・マツダマイコ、以下マイコさん)さんが、2017年2月にセッション・ルームにお越しになり、ロルフィングの交換セッションを2度行うことができた。
マイコさんは、元々システム・エンジニア(SE)としてご活躍されたそうだが、ロルフィングとの出会いを通じて、学びたいと思うようになったという。その経緯とドイツのトレーニングについて、ブログ(「2016年からロルフィングの勉強開始!日々の備忘録」参照)に書いているので、是非ともご参考にしていただきたいと思う。
ボディリーディング(ロルフィングにおける身体の見方)や身体感覚というものを確認するという大きな目的があり、私なりの捉え方を説明した。
Sharon Wheelerから伺った話だが、ロルフィングの創始者Ida Rolfは、ボディリーディングを教えることができなかったという(Sharonから伺った話については「Bone Work – Sharon Wheeler(5)〜最終日:Sharonの話(2)」参照)。
私も様々な先生に伺ったが、やはり明確な答えを得ることができなかった。そのことを考えると、できるだけクライアントさんの身体を分析的に深く見るのではなく、気になったところをパッと気づくような形に留めた方がいいということを伝えた。
さて、交換セッションについて。
1回目の交換セッションは、身体の変化を感じることができないということで、セッションの最後に必ず行う首と仙骨のワークを中心に行った。足を地面につけた上、自分の体勢を整えて、手や首、背骨を緩めていくことに時間をかけることを伝え、しばらく待つ。すると、手から身体が緩んでいくということをマイコさんは感じられるようになったという。
2回目の交換セッションは、セッション6の復習である。仙骨、坐骨を中心にお尻の方へのアプローチを行うことで、下半身と上半身を後ろからつなげていくセッションなのだが、ロルフィングのセッションの中で一番難しいとも言われる。私もPhase IIIで練習することで、ようやく何をしたらいいのかが理解できたというぐらいなので、マイコさんがそこを中心に復習したいというリクエストを頂いた時には、その気持ちがよくわかった。そこで、手を使わずに、肘や手の甲、手のひらなど、身体に負担がかからない形でどのように身体へのアプローチをとったらいいのかを中心に、復習をしていった。
最終的には、2回とも疑問点は解決されていったのではないかと思う。Phase IIIはPhase IIで学んだことの復習が中心である。練習すれば、どのようにセッションを組み立てていったらいいのかはわかるような内容になっている。
マイコさんには、ロルファーとしての認定はそれほど難しくない、今後どのように集客するのかの方がはるかに大事とも伝えた。2016年12月にお会いした時にも伝えたが、自分の連絡先を記載したホームページ(もしくはFacebook)や、自分が発信できる媒体(ブログ)を準備したほうがいいということをアドバイスした(その時の模様については、「ロルファー・大塚英文さん(2)」参照)。
2017年4月には新たなロルファーが埼玉に誕生する。ロルファーという職業は本当に楽しい仕事だと思っているので、マイコさんには是非ともトレーニングを楽しんでいただきたいと思う。
2026年9月の注記
この回でマイコさんに伝えたことが、2つある。
一つは、ボディリーディングの見方だった。分析的に深く見るのではなく、気になったところをパッと気づく形に留める。Ida Rolf 自身がボディリーディングを教えることができなかった、という Sharon Wheeler の話を受けてのことである。
もう一つは、認定はそれほど難しくない、集客のほうがはるかに大事だ、ということだった。
9年経って、後者の見立ては変わっていない。
むしろ厳しくなっている。コロナ禍を挟んで、集客の難しさは増している印象がある。ロルファーの資格を取ることと、ロルファーとして続けていくことは、別の話である。認定までの道のりは制度として整っているが、その先には手順がない。
そして、この回は交換セッションの記録でもある。
当時は、Phase III へ向かう前の人に、こちらが教える形だった。9年経って、対等な交換になっている。
いまは3人で定期的に交換している。マイコさんと、馬本薫美さんと、私である。マイコさんは埼玉、馬本さんは下北沢で活動している。
馬本さんは、ドイツでロルフィングを提供していた時期があり、フランクフルトの鎌田孝美さんとも近い。私自身も鎌田さんとの交換を続けている(「ドイツでのロルフィング・交換セッション」参照)。
ミュンヘンで学んだ者と、ドイツで働いていた者。この記事で「ドイツで受けた方がいい」と書いたことが、9年後に、交換セッションを続ける相手という形で残っている。



