【RM#7】Rolf Movement – Part 1(3)〜動きを通じて何が見えるのか?:言葉と方向性

2017年7月9日(日)、Rolf Movementトレーニングの最初の3日間が修了した(具体的なカルキュラムについては「どのようなカルキュラムで進んでいくのか?」参照)。ロルフィングの10回セッションの基礎を知った上で、違った視点(「動き」=「Movement」)から学び直すいい機会になった。

最初の10日間のトレーニングでは、セッション1〜10を1日1日、順番に復習。Rolf Movementの考え方をどのように取り入れたらいいのか?を学んでいく。

例えば、Rolf Movementの考え方については「基本的な考え方についての紹介」で触れたが、4つの構造的アプローチと、4つのArticulation=空間の考え方、そしてどのようにコミュニケーションをとるのか?等が話題になった。

基礎トレーニングは、ロルフィングには筋膜へのアプローチと身体内の意識を活性化するために、AMP(Active Movement Participation(クライアントがある姿勢から、能動的に動くことによって、筋膜や組織に働きかける)という手法の説明があるが、これについてより深めていく印象だ。

例えば、
「骨盤の前傾、後傾を意識するために、クライアントにどのようにして骨盤を傾けていったらいいのか?」
実際に動きの方法を伝え、能動的に動いていただく。結果、必要な筋肉が動き出し、どのような筋肉が骨盤に関わっているのか?がおおよそ意識できるようになる。

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最終的に、脳がどのように身体を意識するのか?脳が持っている身体の情報=地図に新たな選択肢が用意され、それが実際に役立つかどうか、脳に判断が委ねられるようになる。役立つと脳が感じることができれば、身体が持っている地図が書き換えられるようになる。

今回、3日間で、カバーしたロルフィングのセッションは表層セッションの1〜3で、各セッションでアプローチする場所は決まっている。
「どのように動きをロルフィングのセッションに取り入れていったらいいのか?」
今回、気づきとして2つあった。

第一に、言葉にすること。

姿勢というのは、腰、股関節、肩、首、膝という部位があるが、実際に身体の部位はどこにあるのか?言葉と身体が一致していないと脳がその部分を認識されない可能性がある。そして、厄介なことに親、学校からの教育、社会からの影響を受けることによって、理想的な体型(=思い込み、意味づけ)があると考えるようになる。

身体意識という言葉にするのが難しいものをどのように言葉にするのか?それができることによって、身体の意識そのものが変わっていく。

今回、英語が母国語でない人たちと一緒に接することによって、どのように英語の単語を使って意識を高めていくのか?人によって、誘導する際の言葉を多くしてしまうと、脳が処理できなくなり、動きが全くできなくなってしまう人、逆に、誘導する言葉を多くしなければ、全く動かないという人もいて、勉強になった。

文化的な背景のみならず、有用な言葉をどのように使っていったらいいのか?次回のワークショップまで課題として、試してみたいと思う。

二つ目は、自分の身体の使い方の理解を深めること。

自然な動きをするためには、下半身は重力を感じる(下向き)のと同時に、上半身はそれを土台に背筋が伸び、自由に動く(上向き)。この「下向き」と「上向き」の2つの方向性があるということを、ロルフィングでは意識する。

例えば、椅子に座る際も、足が地に着き、椅子で坐骨を支え(足と坐骨が下向き)、坐骨をベースに上半身を上に伸ばす意識(上半身が上向き)を持つと、もっとも適した動きになる。

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注目したいのは、
「下向き」というのは、土台であること。英語では、Fixed Point(固定点)又はReference Point(参照点)。
「上向き」というのは、方向性を表すこと。英語では、Direction(方向)又Orientation(向き)。
とそれぞれ呼ぶ。
座位の場合、足と坐骨がFixed Pointとなることで、自由に上半身が動く=方向性(Direction)が決まっていく。

ヨガのポーズを取る際に、
「どこがFixed Pointなのか?どこが自由に動くのか?」
意識するだけで、楽に取れるようになっていく。

セッション中のロルファーとクライアントについてもこの考えを取り入れることができる。
例えば、自分の足を感じて(=固定点)、自由に上半身が動く。このように2つの方向性があるのだと意識した上で、手を差し伸べて握手するのと、自分の足を全く感じることなく、ただ握手するのとでは、相手から受け取る情報も全く違ってくる。より、2方向性について丁寧に見ていくことで、ロルフィングのセッションの質も高まっていく予感がある。これから先を楽しみにしていたい。

この記事を書いた人

Hidefumi Otsuka