ヨガとロルフィング的な見方〜ヨガのポーズをとる際、どういう工夫をすればいいのか?

なぜ、ロルフィングに興味を持つようになったのか?

私は、2015年6月から渋谷・恵比寿・代官山にて、ロルフィング・セッションを提供している。

ロルフィングとは、1〜2週間に1回、手技を使って、毎回テーマに沿って施術を行う方法の一つ。身体を整えながら「身体感覚」を磨くことができるので、身体の不調(肩こり、腰痛)も改善する。そもそも、何で「ロルフィング」に興味を持ったのか?

実は、ヨガの練習から、ロルフィングへとつながっていった。

ヨガを実践していく中〜身体の柔軟性が増した

私は、アシュタンガ・ヴィンヤーサ・ヨガ(以下「アシュタンガ・ヨガ」)と呼ばれるハタ・ヨガの流派の一つのヨガに興味を持ってマイソール(通ったのは「マイソール東京」)という方式の練習に没頭していた。

マイソールの指導法は、基本生徒の自習的に練習することを重視。必要に応じて先生からのポーズのアジャストや指導が入ることに特徴がある。

そもそも「アシュタンガ・ヨガ」は、最初から最後まで行うポーズの手順が決まっている。そのため、一度覚えてしまえば、どこでも行える、優れもの。現に、私も2014年から2015年にかけて「世界一周」していた頃に、マットを海外に持ち出し、練習をしていた。

マイソールクラスを通う醍醐味は、難易度の高いポーズができるようになること。最初は、柔軟性が全くなく、「はっきりいってこれって無理だ!」と思っていた。

面白いもので、指導者からアジャストを受けていくと、少しずつ身体が開かれていき、やがてポーズができるようになってきた。

身体の意識をどこに持っていければ、深まるのか?

練習に自主性が重んじられているので、具体的に教わることはなく、一つ一つ、自分で試行錯誤を繰り返しながら、解剖学を勉強しながら、徐々に股関節、肩関節を含め動けるようになった。

体軸のズレとロルフィングとの出会い

一方で、マイソールの練習を日々実践している中、「体軸がずれていく」という感覚を感じていた。

例えば、慢性的な首の痛みや肩こり。なかなか改善しなかった。そして、ヨガのポーズの柔軟性も一進一退の状態が続き、これ以上先に進めない壁があった。

しかも、びっくりなのは、ヨガのインストラクターの方々で、怪我人の多さ・・・。

私も、怪我の予防のためにも、身体の使い方を工夫したほうがいいのではないかという気持ちになった。

マイソール東京の練習仲間の一人であった、荒牧稔博さんを通じて、アレクサンダー・テクニックと出会う。何度か施術を受けることで劇的に首の痛みが改善したこともあり、ボディワークへ興味を持つようになった。

1469982_10202711608339198_1801935075_n

その一環として、ロルフィングにも出会う。

2013年12月より、ロルフィング・セッションを受けることになった。その結果、ヨガのポーズの柔軟性が劇的に改善。首こりもほとんど感じなくなった。

「この手法は覚えたい!」と思うようになり、2015年3月にミュンヘンで認定を受け、現在に至っている。

2019年から、ロルフィング(ロルフ・ムーブメント)とヨガの良さをミックスしたヨガ・レッスンも提供している。ヨガとロルフィングの良さを組み合わせると、ヨガの練習も深まり、瞑想も入りやすくなることもわかった。

では、ヨガを練習する際に、どういう工夫をすれば、より集中してポーズを取れるようになるのか?

練習の工夫として〜手と足をどう意識するか?

実は、ヨガのインストラクターとして、ポーズを教える時、必ずある「準備体操」を行う。手と足を含めた関節を一つ一つゆっくりと動かす「スークシュマ・ヴィヤヤーマ」という「準備体操」だ。

手足の関節を「呼吸と合わせて」「ゆっくり」「丁寧に」「身体を感じながら」動かしていくこと(例えば、グーパー、踵や足指一つ一つ動かす)。

ロルフィングでは、手と足がしっかりと使えると、背骨の深層にある筋肉群が安定する。例えば、手のひら全体が、力を入れずに「吸い付けられる」ようにマットについていると、肩甲骨の前鋸筋、菱形筋、背骨を結ぶ深層筋が使えるようになる。

結果的に、ダウンドッグ、逆転、後屈系のポーズが取りやすくなるのだ。

ポイントは手や足に「力」を入れるのではなく、意識して動かすということだ。

おそらく、これって人間が猿の樹上生活を送っていた時代の名残のように思う。手と足を使って、木を登り、移動する。移動するためには、背骨を安定させないと効率よく動かせない。

「準備体操」を行った後に、足や手を使う感覚が掴みやすくなり、ヨガのポーズも安定。更に、座っているとき、瞑想が入りやすい身体になっていくと思う。

詳しくは、「アサナプラナヤマムドラバンダ」をチェックいただきたい。

参考に、ロルフィングでは2回目、6回目に足裏、5回目、7回目に手のひら全体を緩めるセッションが入っている。

まとめ

今回は、ヨガのポーズを中心にロルフィングの視点からどのように工夫したらいいのか?を中心にまとめた。

ヨガでポーズが取れているんだけど、筋肉の緊張が取れない、怪我が続く、という方がいらしたら、体験のセッションも行っていますので、ご興味のある方、ぜひお越しください。

2026年9月の注記

この記事は、ヨガのポーズをどう工夫するかという問いから始まり、答えとしてスークシュマ・ヴィヤヤーマという準備体操を挙げている。

ロルフィングとヨガを組み合わせたレッスンを提供しはじめたのは2019年で、Rolf Movement のトレーニング(2017〜2019年)が終盤に差しかかった頃にあたる。ただし、この準備体操をレッスンに入れるようになったのは、この記事を書いた2022年11月からである。

つまりこの記事は、レッスンに何を入れるかを決めた時点の記録になる。

手と足から入るという順序

この記事が書いている順序は、準備体操で手足の関節を動かす、手や足を使う感覚が掴みやすくなる、背骨の深層が安定する、ポーズが安定する、座ったときに瞑想が入りやすい身体になる、というものだ。

手足から入って、深層へ向かう。

記事の末尾に、一行だけ置かれた記述がある。ロルフィングでは2回目と6回目に足裏、5回目と7回目に手のひら全体を緩めるセッションが入っている、と。

10回シリーズは、手足を扱う回を4回持っている。表層から深層へ降りていく過程に、それが分かれて配置されている。

ヨガの準備体操が数分でたどる順序と、10回シリーズが数か月かけてたどる順序が、同じ方向を向いている。手足という末端から入り、背骨の深層に届かせる。時間の尺度は違うが、構造は重なる。

この記事は、その対応を一行で済ませている。

力を入れるのではなく、意識して動かす

記事が強調しているのは、手や足に力を入れるのではなく、意識して動かすという点だ。手のひら全体が、力を入れずに吸い付くようにマットにつく。そこから前鋸筋、菱形筋、背骨を結ぶ深層筋が使えるようになる。

力を入れて深層を鍛えるのではない。意識が届くことで、深層が自ずと働きはじめる。

準備体操を呼吸と合わせてゆっくり丁寧に行うのは、この違いを身体に覚えさせるためだ。

その後

この準備体操は、いまもヨガ・レッスンで行っている。

 

この記事を書いた人

Hidefumi Otsuka