【R#340】Ray McCallと田畑浩良さんの人柄に接して〜ATのPhase 1を振り返り〜AT-1(13)〜

はじめに

東京・渋谷でロルフィング・セッションと脳科学から栄養・睡眠・マインドの脳活(脳科学活用)講座を提供している大塚英文です。

2025年4月8日〜25日の3週間(各週4日間、火曜日〜金曜日、合計12日間)、東京の市ヶ谷で日本ロルフィング協会主催のアドバンスト(上級)・トレーニング(AT)が開催された。講師は、Ray McCallと田畑 浩良さんの2名。

ATは、合計24日間の前半(Phase 1)が昨日終わった。オーガナイザーの蒲池俊和さん、大友勇太さん、外部クライアントの受付で関わった楠美奈生さん、通訳の古川智美さんには大変お世話になった。改めて御礼を申し上げたい。

ATでは、異なる個性を持つ二人の素晴らしい講師から学ぶ機会に恵まれた。彼らの人柄と教えを振り返りながら、私自身、どのようにロルフィングの探究を深めていこうか、私の個人的な感想が含まれているが、まとめたい。

Ray McCall — 40年以上の経験による自由と深さ

Rayの人柄

Rayは、ロルフィングに40年以上携わってきたベテランロルファーです。私自身感じた人柄は、一言で言って、寛容でありながらも真摯さだ。

なぜ、そのように感じたかというと、生徒の問いに耳を傾け、できる限り丁寧に、正直に答えようとする姿勢を感じるからだ。

しかも、Rayは決して”上から目線”ではなく、探究者同士として共に学ぶ空気を大切にしてくれる。

教え方の特徴

Rayは、例え話を使うのが非常にうまく、複雑な概念も生き生きと伝えてくれる。

セッション・デモも、単なる「技術の披露」ではなく「なぜ今これをするのか?」「どんな変化を見ているのか?」を的確に言語化してくれるので、フォローしやすい。

生徒が手技を磨いていく上で、個別の感覚を尊重しながらも的確なアドバイスをくれる。

Rayのもとで学ぶと、「手技=単なる動きではない。観察・意図・関係性の全体性を生かすこと」ということを自然に体感できる。

田畑浩良さん — 「間」「肚」「イールドワーク」から広がる深い探究

田畑さんの人柄

田畑さんは、元々研究者(林原研究所出身)のバックグラウンドを持つロルファー。私は渋谷、田畑さんは代官山と非常に近いのに、今まで全く接点がなかった。今回ATで本格的に教えを受けることになった。

田畑さんと14日間過ごし、理論と実践の探究を絶えず行き来しつつ、失敗を恐れずにセッションを実験し、何よりも少年のような好奇心でロルフィングを楽しんでいる姿が最も強く印象に残っている。

とにかく、言葉は多くないものの、語る内容の一つ一つが深く、的確に核心を突くところがすごい。

田畑さんのセッションでは、単なる技術ではなく、イールドワークという「場を整える」「身体のプロセスを待つ」という「在り方」に重点を置くワーク。なんで、こんなに変化するの?言語化するのが難しいが、それこそが田畑さんの真骨頂なんだと思う。

教え方の特徴

田畑さんのセッション・デモンストレーションは、一見すると「何をしているのか分からない」ほど動きが少ない。しかし、場(フィールド)を整えるだけで、クライアントの身体が深く変化していくその驚きのプロセスを目の当たりに。

まるで、「言語だけでは伝えられないものがある」を伝えたいかのようだ。そして実際に、非言語のレベルで伝わってくる情報があること、場を通じて身体に触れるとはどういうことかを、改めて感じさせてくれる。

2人の教えから、セッションにどう活かすのか?

セッションにどう2人の教えをどう活かすのか?まとめると、以下のようになる。

Ray McCallから学べること

Rayから学べることは、
1)セッションを自由に構築するための原理・原則への理解
2)例え話や言語化を通して、体験を他者に橋渡しする力
3)手技を磨きながらも、身体全体でクライアントを聴く姿勢

田畑浩良さんから学べること

田畑さんから学べることは、
1)「間」や「肚」を通じた、存在そのものへの働きかけ
2)失敗を恐れず、実験を楽しみながらセッションを深める探究心
3)言葉にできないレベルで伝わる、フィールドの質を高める感性

おわりに

Ray McCallと田畑浩良さんの2名の講師。そのスタイルは一見異なっている。個人的には、共通しているのは、

「クライアントの中にある自己組織化(self-organization)の力を信じる」
「生命の流れを邪魔せず、むしろ支える場をつくる」

という深い理解なのではないかと。

これだけのことを気づけただけでも、ATを受けた意義があると思うのだが、今後、技術だけにとらわれず、

  • 自らの感覚を磨き、
  • 探究を楽しみ、
  • クライアントの中にある生命力と共に在る

そんなあり方を目指していきたい。

ATの後半は、6月24日から始まる。残りの1日間も楽しみながら、刺激を受けつつ、楽しみたい。

少しでもこの投稿が役立つことを願っています。

この記事を書いた人

Hidefumi Otsuka