【R#35】Phase II(23)〜統合セッション

ロルフィングは10回の施術を通じて、身体を調えていく。今まで7回までの基礎とその方法、実際に感じたことを書いてきた。
helping hand
セッション1〜3では、身体には上半身と下半身がありそれぞれ連動して動けること(セッション1、2)、身体には左・右があるということ(セッション2)、身体には前と後があるということ(セッション3)といった意識を身体の表層の部分(筋膜)から調えていく。セッション4〜6は、より深く深層の部分へ移る。骨盤の上(大腰筋、仙骨や背骨)、下 (骨盤底や内転筋)を通じて(4は内転筋〜骨盤底付近、5は大腰筋や横隔膜、6は、背骨と仙骨)、中央軸を調えていく。セッション7は顔・頭を今までセッション6まで調えてきた身体の上に意識を持って行き、中央軸が完成する。
jintaizu_中心軸_セッション7
アイダ・ロルフは、当初、クライアント個人個人のニーズに合わせて施術が行われていた。後に指導していく上で、一つのフレームワークを作った。まず、セッション2〜7の6回のセッションが組み立てられ、セッション2の足を調える前に呼吸を調えるセッションを入れる必要性を感じ、セッション1を加えている。そこで、7回シリーズが完成した。後に、セッション8〜10の統合セッションを加えていった。
Holding The Sky
当初は、7回でセッションは一区切りだったこともあり、トレーニングでも7回を終えた時点でシャンパンの乾杯が行われた。
2014-11-06 17.56.06
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7回での施術によって養った意識を応用して、身体として統合していくのが8回〜10回となる。統合セッションは、一つの目標に向かって進む。それはクロージング(Closing)。ボディワークの一つといえる、マッサージや整体とは違いロルフィングは、10回で終了する。それは、10回のセッションを通じて学んだことを自分の生活に取り入れていくということでもあり、クライアントの自立性を促すことである。私自身が、ロルフィングが好きなのは、10回と決めてその間に集中して施術を行う点である。
セッション8〜10の主要な課題は、

  1. クロージングに向けて何をすべきか?
  2. 今まで学んだことは何か?
  3. 今後どういった方向へ進むのか?

となる。
背骨を捻(ねじ)るスパイラルの動きを意識するというのも統合セッションで取り上げるテーマの一つ。それはロルフィングでは、背骨が伸びて捻ると、重力に対して必要最小限の力で歩行が可能になるからである。ただし、このことは身体の基礎が意識できていないと(前後、左右、上下と中央軸の意識)とできないことである。だから、セッション1〜7が大切になる。
downward_spiral
統合セッションでは、ヨガに役立つ情報も満載。肩帯(Shoulder girdle、肩甲骨、鎖骨、胸骨付近のこと)と骨盤(Pelvic girdle)をどのように連動させてスムーズな動きにもっていくのか?ヨガのポーズでは、このことを考えないと、肩や腰に極端な負担をかける形になってしまうからだ。例えば、下向きの犬のポーズ(Downward Dog)や逆立ちのポーズ(Head stand)はGirdle間をどうバランスとるのか?が大切になる。ヨガの先生であるGiovanni先生を通じて、実際にトレーニング中に実例をもって示してくれた。
セッション8から10については、クライアントのニーズに合わせるというのが原則であるが、セッション7まで抱えてきた課題をもとに設計していく。
教科書的には、セッション8は肩帯と骨盤帯の2つのGirdleをどのように連動させるか?セッション9は、セッション8での連動性をもとに、足のつま先や腕や手まで動きをスムーズに伝えていくのか?そして、最後に統合のセッション10となる。
session 8 - 10 fig.
セッション1〜7に比べると自由度も高い。実際に各セッションで体感したことを書いていきたいと思う。

この記事を書いた人

Hidefumi Otsuka