ロルフィングのトレーニングではどのように相手にフィードバックを与え、どのように相手からフィードバックを受け取るのか?について学ぶことが多い。現に、今まで受けたどのような研修内容よりも、今回のトレーニングの方が、フィードバックをすること・受け取ることについて具体的に学んでいる。それは、フィードバックについて具体的なガイドラインやGiovanni先生から直接その方法について学んでいるからだと思う。
なぜ、フィードバックがロルフィングで大切か?というと、自分が感じたことと相手が感じたことにギャップがどれほどあるのか?把握することが施術の技術を磨いていくためには重要だからである。
ロルフィングトレーニング中に、フィードバックについてガイドラインが配布されたが、その内容を要約すると
相手にフィードバックにする場合の心構え:
- 自分なりに解釈したこと(意見も含む)をいうのではなく、具体的に説明する。例えば、態度、言葉、自分の感じたこと等。その人の印象をいうのではなく、その人の行動を具体的に語ろう。その際、なぜ(why)よりも何(what)を大事に一般化するのではなく具体的に。
- 自分の経験を大事にし、伝える内容は情報共有に留める。それが、相手が変えなければならないといったプレッシャーに繋がらないようにする。
- 気に入られることや不愉快な思いを感じてそれを解消するためにフィードバックすることは避ける。飽くまでも相手に有益になるようなことを意図すること。相手をリスペクトすること。
- フィードバックを伝えた後、その伝えた内容を手放してみよう。相手にも考える時間を与え、間(スペース)を大事にしよう。相手がどう変化するかについては、執着しないこと。
相手からフィードバックを受け取る場合の心構え:
- フィードバックを受け取ることによって自分はどう変化するのか?観察してみる。オープンなマインド(例えば、正直に、自分に対していたわる気持ちで)になること。内容がわからない場合には聞く。理解するのに時間をかけること。
- フィードバックに対して、自己正当化や、守り、そして自分の意見することを避ける。
- 学習の機会と捉える。他人がオープンに親切に伝えていることに対して感謝することを忘れない。
ここから読み取れるのは、フィードバックというのは学習のプロセスであるということ。どちらが知っているか?知っていないか?や自分が偉い、相手が偉くないというのではない。フィードバックというのは相手が失敗したことを語るのではなく、あくまでに試してみた結果、どのような変化があったのか?語るといういい学習の機会なのだ。
つまりフィードバックとは
自分と相手との間に学習する時間やスペース(空間、間)を用意することで、お互いが有益になるようなもの
である。Giovanni先生の指導法は良さを認めつつも、もっといい方法は◯◯という形で伝える。そしてそこには相手へのリスペクトの気持ちがある。その点だけでも学び甲斐がある。
最後にフィードバックについて。Microsoftの元CEOのBill Gatesも「Bill Gates: Good Feedback Is the Key to Improvement」の記事の中で、フィードバックの大切さについて紹介して本記事を締めたいと思う。
We all need people who will give us feedback. That’s how we improve
If all my bridge coach ever told me was that I was ‘satisfactory,’ I would have no hope of ever getting better. How would I know who was the best? How would I know what I was doing differently?
日本語訳:
どの人でもフィードバックが必要とされる。それが自分の向上につながるのだ。
もし、私のコントラクト・ブリッジの先生が、私は「満足だ」といったフィードバックをした場合には、どうしたら良くなると言えるのか?だれがベストだといえるのか?自分が違いをもたらすかどうかどのようにしてわかるのか?