Phase II(26)〜セッション8:肩帯・骨盤帯

説明もセッション8に移る。

セッション8〜10の主要な課題は、次の3つである。

クロージングに向けて何をすべきか。

これまで学んだことは何か。

今後どういった方向へ進むのか。

いわば、セッション1〜7で各部位を調えることに専念していたが、セッション8〜10は、身体全身が有機的に動けるためにはどうしたらいいのかを考えていく(「統合セッョン」参照)。

Stop-watch

セッション8では、肩帯(肩甲骨〜鎖骨付近)と骨盤帯(恥骨、坐骨、腸骨、骨盤底付近)の2つのガードル(帯、英語でGirdle)へアプローチし、お互いが連動して自由に動けるように調えていく。肩帯と骨盤帯は、それぞれ上肢(肩〜肘〜手)と下肢(腿〜脛〜足)の動きの基礎となる。

upper and lower

例えば、私の場合は次のような課題がある。

  • 肩帯:鎖骨〜胸骨付近でのつまり、鎖骨〜胸骨付近の後ろ側からの圧迫感、首こり。
  • 骨盤帯:坐骨を上に押し上げるという意識が不足している(そのために大腰筋の力が抜けていない)。

特に、下記の図に示すように、椅子に座って坐骨から背筋を伸ばす際に腹筋に力が入ってしまうため、結果的にその近辺の筋肉(大腰筋や鎖骨〜胸骨周りの筋肉)に力が入ってしまう。

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いかにして腹筋の余計な緊張を緩めるのか。それが全身の力を抜くのに一助となるので、残りの3回でロルファーと共に解決の方向に進めていきたいところだ。

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セッション8では、骨盤帯と肩帯に対して以下のような施術を行った。

骨盤帯:坐骨と背骨(仙骨〜腰椎〜胸椎〜頚椎)が頭とつながる意識をもつ

体側面に横たわり、坐骨と仙骨をつなげる靭帯を緩める。骨盤と肋骨をつなげる筋肉(腰方形筋付近)に働きかけて筋膜を緩める(骨盤帯と肩帯の連動性を良くする)。

椅子に座って坐骨を広げることで仙骨を緩める。腹筋を緩めつつ、胸骨から背骨を伸ばしていく。

下肢を壁につけ、身体を90度に曲げ、両手を椅子につける。坐骨を広げることで仙骨を緩め、腹筋を緩めつつ胸骨から背骨を伸ばしていく(ヨガでいえばDownward Dogのポーズ)。

肩帯:鎖骨〜胸骨付近の圧迫感を解放する

仰向けになり、胸椎から頚椎までの筋膜を緩める。

特に、椅子に座り坐骨を広げて、腹筋を使わずに背筋を伸ばすという動きを身体に覚えさせることが、全身の力を抜くのに役立つ。ただし、これは新しいパターンであるので、時間をかける必要があると思う。セッション10が終わった後でも、この動きは練習していきたいところだ。

施術を行った結果として、次のことが認められた。

首こりが軽減した。

胸周りが自由になってきた。

坐骨が広がって、仙骨の意識の広がりを感じるようになった。

首こりは最後まで残っているが、興味深いことに、内耳感覚として左側に違和感を覚えることに気づいた。

セッション9と10で、いかにして内耳感覚と首こりが改善できるようになるのか。プロセスを楽しみながら取り組みたい。


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2026年8月の注記

この記事は、統合セッションの1回目にあたる。肩帯と骨盤帯という2つのGirdleを連動させる回である。

末尾に、短い気づきが書かれている。首こりが最後まで残り、内耳感覚として左側に違和感を覚えた、と。この一文が、11年後につながっていく。

左側という記録

この記事より1週間前、セッション7を受けたときにも、左右差について書いている。顔の表面の筋肉、口腔内の筋膜、鼻腔内、頭頂付近を緩めていく中で、全般的に左のほうが右よりも力が抜けるのに時間がかかった、と(「セッション7:頭・顔」参照)。

セッション7の主な目的の一つが、重力のバランスを調整する内耳感覚に働きかけることだった。そして内耳は側頭骨の中にある。

この記事では、それが内耳感覚として左側に違和感がある、という形で言語化されている。1週間で、部位の左右差が、感覚の左右差として捉え直されたことになる。

2025年12月から、ポリヴェーガル理論に基づくSafe and Sound Protocol(SSP)を受けている。特別にフィルターをかけた音楽を用いて自律神経系を調整する方法で、鍵となるのは中耳筋である。

1週間の体験で最初に感じたのが、左右の内耳のバランスが、頭で考えるようなバランスではなく、身体感覚として細かく分かったことだった(「Safe and Sound Protocol(SSP)とポリヴェーガル理論〜鎌田孝美さんと再会」参照)。

11年前に違和感として気づいたものが、11年後に、細かく分かるものになった。

筋膜の側から触れたのがセッション7であり、聴覚の側から扱うのがSSPである。中耳と内耳は、同じ側頭骨の中に収まっている。入口が違うだけで、扱っている場所は重なっている。

新しいパターンには、時間がかかる

この記事には、こう書かれている。

「椅子に座り坐骨を広げて、腹筋を使わずに背筋を伸ばすという動きを身体に覚えさせることが、全身の力を抜くのに役立つ。ただし、これは新しいパターンであるので、時間をかける必要があると思う。セッション10が終わった後でも、この動きは練習していきたい」

新しいパターンという語は、この4日前に書いた記事から来ている(「Phase II(24)〜古いパターンと新しいパターン」参照)。施術の結果として生まれた新しい動きの習慣であり、古いパターンと並ぶ選択肢の一つとして扱われる。

そして、10回が終わった後も練習を続けたい、と書いている。

2025年のアドバンスト・トレーニングで、ロルフィングの5原則の一つとして挙げられたのがCLOSURE(完了)だった。プロセスに適切な終わりを与えること。その理由はこう説明された。クロージングが重要な理由のひとつは、それが次に起こることを可能にするからだ、と(「Advanced Rolferの認定までの歩みについて【総括】」参照)。

10回で終わることと、その後も続くこと。この記事は、その両方を書いている。終わりがあるから、そこから先が始まる。受講生として、それを実感として書いていたことになる。

この記事を書いた人

Hidefumi Otsuka