【R#89】Phase III(29)〜最終面談とロルファーとしての認定

2015年3月25日、トレーニング最終日。昨年の8月から数えること78日(約700時間)、ようやくこの日を迎えた。最終面談(Final interview)が行われ、生徒一人一人が15分、2対1のインタビューに臨んだ。
ロルフィングのトレーニングの特徴は、トレーニング期間中に何を強化していったらいいのか?フィードバックをもらうことができるので、最終面談に何を話し合うのか?だいたい想像がつくこと。
Phase IIのGiovanni先生は一人一人羽ばたいていけるように、トレーニングの雰囲気も自由。Giovanni先生がクライアント・セッションをデモしている際も飲食やPCを見てもよく、自分のペースでクラスの内容を消化することができた。Phase IIの段階では、学ぶことで精一杯な上、身体を観察すると情報の多さに圧倒。何をやったらいいのか?よくわからなかったというのが本音。そうはいうものの、今から振り返ってみると、Giovanni先生からは間をとることの大切さ(Hold the spaceということ(これについては【RolfingコラムVol.83】【RolfingコラムVol.64】でふれた))ともう一つ、自分のinner perception(自分の内側で感じる知覚)を信じることを学んだのだと思う。
Giovanni and Patricia
それが土台となってPhase IIIへ突入。Phase IIIのターニング・ポイントは2週目にあったと思う。当時、南米でかかった風邪がなかなか治らず、1ヶ月半かかってようやく2週目に快方に向かった。体調が完全ではなかったのが開き直ることができた。無理せず、今自分が感じることを大事にすることを心がけた結果、身体観察は短期間にして、自分の身体感覚(特に手当て)を信じ進むことができた。
中間面談の時には(【RolfingコラムVol.64】参照)
「クライアントから一歩離れ、表層セッションで行ったアプローチでより広い視野で身体を観察して、その感覚に応じて対処すると改善するよ」
ということをJörg先生からアドバイスを受ける。そのことから、クライアントとの距離感を測りながら、自分自身は如何にしてニュートラルになって取り組むのか?を課題に進めていった。本来ならば、テクニックを磨くことを考えるのだが、テクニックはinner perceptionを信頼し、クライアントと適切な距離感を取れるようになれば自ずとついてくるもの。というJörg先生の言葉を信じながら進んだ。
特に大事にしたのが
「今この瞬間に感じる感覚を大事にクライアントと向き合う」
こと。そのためにも知識を一度手放し、まっさらの状態でクライアント・セッションに臨むことが多くなった。恐怖感もあったが、不思議と自分の身体を整えることに集中すると、その恐怖感もやがて消えていくのを見ることができて興味深かった。
最終面談の際に、Jörg先生とAndrea先生と過去を振り返りながらこのようなことを話した。
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残念なことに、今に集中していたために、Jörg先生とAndrea先生から短時間のロルフィング・セッションや雑談する時間(例えば、それぞれの先生がロルフィングでどのような経験をしたのか)が思ったよりも取れなかったこと。European Rolfing Association(ERA)のロルファーは、来年開催予定のSupervision Workshop(1週間)への参加が必要で、その前に3回のメンタリング・セッションを受けることが義務付けている。どちらかの先生のメンタリング・セッションを受けても面白いのではないかという話で終わった。
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最後に円卓の椅子で一人一人の名前が事務スタッフのSabineから呼ばれ、認定ロルファーのcertificateに渡された。終わってみればあっという間。非常に充実感のある19週間で、自分の中で大きな変化があったので、これから先の10年〜20年が楽しみになってきた。
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2015-03-25 16.10.10
本コラムでは、まだトレーニングについて触れたい内容があるので、書くことにするが、無事認定ロルファーとなりほっとしている。学んだ多くの仲間と別れるのが寂しいが、これからどのような冒険が待っているのか、これから本当の楽しみだ。

この記事を書いた人

Hidefumi Otsuka