2015年10月10日から12日までの3日間。Source Point Therapy( ソースポイントセラピー、SPT)のトレーニングのため大阪に滞在している。トレーニングも2日目を迎えた。初日に模様については【RolfingコラムVol.121】に書いた。
2日目の進行として、チェックインから始まった。椅子を円状に並べ、一人一人が初日に感じたことを言葉にしていった。名前を覚えるのに苦心していたのを察したのか、自然とゲームのように話し終えた人の隣の人はその人の名前をいってから話すことを進め、顔と名前がようやく一致していった。こういった形でトレーニングが進むのは、時間がある程度余裕があるからだが、自分の理解を進めていく上でもいい。
SPTのトレーニングで重要なのはブルー・プリント(青写真)という考えを理解すること。午前中は、ブルー・プリントとは何か?そして、どのようにアクセスするのか?がメインなテーマとなった。トレーニングで何度も練習するのは、ブルー・プリントを言葉抜きで理解するのはそれほど時間がかからないが、言葉にするとなかなか厳しい。話し合いの中で一番わかりやすかったのは、対象とする場(Field)をインターネットと例え、健全という言葉をグーグルで検索。検索したものの中で、ブルー・プリントをダウンロード。そして、ブルー・プリントをダウンロードしたらそれに委ねることが大事という箇所だった。興味深かったのは「健全」という言葉について考えることの大切さをヒロさんが述べたこと。健全さということに対して、言葉として理解が深まれば深まるほど、セッションがよくなるという。そのために、知識が重要となるが、その知識が深まれば深まるほど逆に介入したくなるというのも人の性。いかに、知識を得つつ、プロセスに委ねるのか?そこにSPTの成功があるという。
ブルー・プリントのアクセスの仕方としては、Diamond Pointへの意識や図形を意識するという方法を含め様々。ヒロさんからもいろいろな手法の紹介があったが、自分にとってやりやすい方法を見つけることができたと思う。
2日目で学んだ手技は、スキャンとブルー・プリントへのアクセスで妨げているもの(=ブロック)をどう解放させて行くのか?というものと、Rectangle Pointの2つ。
Rectangle Pointは、左上、左下、右下、右上の4隅の場所に行き、手を置くことで身体の変化を見守る。Diamond Pointとやり方は一緒だが、左上は、右下、左下は右上と対角線上の身体の場所に影響を及ぼす。初日で学んだDiamond Point、Navel Point、Sacrum PointとRectangle Pointは、ブルー・プリントにアクセスしつつ、手を通じて身を委ねる(プロセスに任せる)ことを行っていることで共通点がある。
一方、スキャンの方は、ブループリントとアクセスしながら、その妨げとなるものをいかにして両手を当ててリリースしていくか?という点、介入の要素が少し入ってくる。一番SPTで難しい手技だったが、不思議なことにゆっくりと全身に手をかざしていくと、どこに妨げとなる部分があるのか?みつかってくる。ただ、この見つけ方、8年前にヒロさんがSPTを学んだ時、スキャンをしながら直観で決めるという要素が入っていたらしい。後に、直観に委ねると、バイアスが入り施術者の意図が入ってうまくいかなくなるとがわかり、その考え方は無くなっている。SPTもどんどん進化していることの証なのか。要は大切なのは、直観ではなく、妨げとなる部分を身体=Systemに伺いを立てることになるのだろう。
様々なPointがここで出ているため、一見手技がわかりにくいように思うが、手をかざすことで、予想以上に身体が動くようになるのは正直なところ驚かされた。
Sacrum Pointをするとロルフィング・セッションの6回目で行う仙腸関節付近の筋膜をリリースしなくても解放することが可能だし、2日目に行ったRectangle Pointは、セッションの8、9で上半身・下半身の統合を行う際に、一助になる手技だ。後者は左右差のある身体に対しても有用ということもあり、今後この手技をいろいろな人に役立つかどうか検討する際にも楽しみになってきた。
同じように手を使う手技として、直傳靈氣がある。靈氣と比較して、意識の違いを感じる。SPTは、ブルー・プリントにつながった上で、施術を行う。一方で、靈氣は、自動的に手から出て行くというイメージなので、施術の際意識は不要だ。
手をかざす時にも違いが現れる。SPTは、掌の中心に点として実感。何かに押されるか、突き抜けるといった感覚となる。靈氣は、掌を面にして使っているという実感。興味深いのは、何かに押されるか、突き抜けるという感覚がない。ただ、そこが熱くなったり、しびれたりという感じが現れる。
あと残り1日。3日目は総括を行う予定で、どのように他の手技と組み合わすことができるかについて学ぶ。