2020年11月28日(土)。午前7時羽田空港発、午前8時20分伊丹空港着のANA便で大阪へ。
TEN〜the space for your Life & Body主宰のロルファー・佐藤博紀さん(以下ヒロさん)が拠点する大阪・北浜へ。2020年11月7日に引き続き、1泊2日の短期滞在となった。
今回、参加するセミナーはIMAC(Integrative Movement Assessment & Conditioning)。
IMACは、ヒロさんが開発した独自のメソッドで、ヒロさんが新たにOPENしたIMACのHPに詳しい。ご興味がありましたら「ABOUT IMAC」をチェックください!
8人の仲間と一緒に、前回が、内臓と背骨の関係を学んだのに対して(詳しくは「発生学をベースとした脊柱・内臓の見方を学ぶ」参照)につづき、今回は、頭と頸椎と身体全体との関係について学んだ。
IMACの素晴らしさは、筋肉・関節の動き(可動域)から、どの経絡が滞っているのか、明らかになることだ。筋膜の繋がりを通じて筋肉がネットワークを作っているというのは、ロルファーのトム・マイヤーズが「アナトミートレイン(Anatomy Train)」で提唱している。
ヒロさんは、臨床の経験から、必ずしもアナトミートレインの理論通りに全てが当てはまるわけではない、ということに気づき、試行錯誤を繰り返していく中で、東洋の経絡の考えに行き着いた。
私が、IMACを学んだ5年前には、まだ東洋の思想は入っていなかったが、徐々に経絡と筋肉の繋がりの考えが入ってきた。
面白いのは、歴史の古い東洋発祥の考えである経絡(12正経、奇形八脈)から筋肉や身体の繋がりを考えるという考えが非常に壮大で、それを西洋の客観的な指標で見ることができることだ。ここでの指標とは、筋肉・関節の可動域から見るということ。
そして、各経絡の可動域をとり、その滞りが少なければ少ないほど、健康に近いと考えることができるのが面白い。さらに、応用として、メガネ、マウスピース、スマートデバイス等により、どの可動域が影響するのか?なんと、これらについても客観的に見ることもできる。
実際、私自身も視覚行動研究所の代表・野澤康さんの下で作ったメガネがどの様に可動域に影響を与えるのか?調べた。奇形八脈の陰きょう脈、陽きょう脈、肝経に影響を与えており、眼圧の調整によって、経絡への影響を与えていることがわかり、実際にセルフケアとして何をしたらいいのか?ヒントになったと思う(「どのように見えているか?」より「眼をどのように使うか?」が大事」参照)。
さて、今回も、頭頸部に関わる筋肉が、12正経、奇形八脈のどこに作用するのか?ヒロさんの臨床経験から、一つ一つ丁寧に見ていったが、参加者とパートナーワークで実際に、受けてみると、首や頭の筋肉が下半身にどの様な影響を与えるのか、経絡の繋がりの中で感じることができた。
面白いのは、肩こり、首こりに関わる筋肉へのアプローチだけではダメだということ。大事なのは、首から下半身への繋がり。首で特定できた筋肉が経絡的にどの様につながりがあるのか?IMACを学ぶと、関係性が身に付く。
実際、経絡が滞っている場合には、どうするのか?
12正経の場合には、該当する臓器問題がある可能性が高い。内臓を整えるアプローチ、磁石を使ってツボを刺激していくことや、身体の動きから改善していく方法(ヨガのポーズやm3等)をとっていくことができる。そういった視点もIMACで学ぶ。
今回も少数精鋭のクラスだったので、色々と質問できた。
例えば、奇形八脈と12正経の関係について。
実は、人間が胎児から成人していく過程で、奇形八脈、12正経がどのように役割を果たしているのか?ヒロさんの仮説を紹介。
身体をつくるベースとなるのは、奇形八脈であり、その後、臓器を作っていく上で12正経が重要な役割を担うよ、という考えを紹介。さらに、経絡と身体の真ん中の軸(ミッドライン)との関係はどうなっているのか?など、魅力的な説を次から次へと紹介した。
考えてみれば、昨年、鍼灸師の安部雅道先生の「からだの学校【東洋医学】@Kei.K Aroma Studio(神奈川)」(開催は、Kei.K Aroma Studio)の講座(講座は全6日間)を学んだときに、特殊経絡の奇経八脈について同じ様なことを言ってた(「経絡とは何か?〜氣と血の通り道:12本の道+ミッドラインを整えること」参照)。
実は、学校でほぼ奇形八脈はスルーされるらしいが、身体に大きな役割を果たす。
督脈(とくみゃく)は、全身の「陽経」を管理。身体の後側(背骨)にそって走る経絡
任脈(にんみゃく)は、全身の「陰経」を管理。身体の前側、中心を走る経絡
いずれも、陰・陽性の全体を整えるものだ。
だから、これらを先に整えてしまえば、残りはなんとか、なるのではないか。と安部さんが臨床経験を積んでいったら、驚くべきことに、正規十二経で整える場所が絞り込むことができるようになったらしい。
実際、
「督脈と任脈は身体のセンターラインを整える」
らしいのだs。
ヒロさんのIMACを学ぶと、その考えに広がりがあり、発生学的にどの様に八脈が役割を果たすのか?という視点から身体から見ることができるのがすごい。
IMACを習得するには、筋肉がどこにあり、どのように可動域を取れば、いいのか?きめ細かさが求められる。私自身、IMACを学び始めてから5年。時間をかけて学んでいるのは、実際に身体に触れてセッションを経験して見ないと、筋肉の名前が覚えられないからだ。
今回のセミナーでも可動域の練習に時間を費やしたが、ヒロさんによると、反復練習をすると、誰もが習得できるらしい。その言葉が心強く、励みになる。今後、自分でも実践し、さらに自分のスキルを磨いていければと思う。
現在、西洋の分子栄養学の見方(元々、こちらが自分の専門分野)と東洋の身体の見方から、アドバイスをさせていただているが、身体という箱をIMACやロルフィングで整えつつ、どのように口から入ってくるものの理解を分子栄養学や東洋の思想を使って深めていくか?それぞれの良さの理解が深まると、相乗効果が発揮できると思う。今、東洋と西洋をどう使い分けるかのセミナーを準備中で、どこかのタイミングでご案内できればと思っている。
来月の3週目に再び大阪に伺う予定にしており、今年の学びもそれでひと段落。ボディワーク に詳しい人たちと再び学ぶことを楽しみにしている。