【R#278】身体感覚を磨き、新しい行動習慣を身につける

はじめに

こんにちは!東京・渋谷でロルフィング・セッションと脳科学から栄養・睡眠・運動やタロットカウンセリングを提供している大塚英文です。

ロルフィングのセッションを理解する上で、身体感覚を磨き、新しい行動習慣を身につけることが知ることが重要だと思っている。なぜ、身体感覚なのか?そしてその秘訣として、脳は変化しうるもの、という理解も不可欠なので、今回は「脳は変化するもの」を知ると、どんなメリットがあるのか、についてシェアしたい。

現代医学は「脳は変化するもの」という考え方が主流

ノーマン・ドイジの「脳は奇跡を起こす」によると、医学界では、長年「脳は変化しないもの」と信じられていた。

その理由として、
1)脳に障害を持つと回復がほとんどできない
2)生きた脳の状態を顕微鏡で観察することができない
3)脳を機械的に見るという思想
等だが、大きいのは、脳を構成する神経細胞は一回障害を受けると、再生されないという事実があるからだ。

脳は環境に応じて、自ら変化できる〜脳の「可塑性」とは?

1960年代から1970年代にかけて、「環境に応じて、脳は自ら変わることが出来る」ことが注目され、「脳の可塑性(Neuroplasticity)」
(脳(神経)細胞(neuron)と可塑性(plasticity)(=変化できる、修飾できる)の造語)が語られるようになった。

今では、外からの刺激によって、脳の働きや構造が絶えず変化することがわかってきている。

興味深いことに、ロルフィングは、身体からアプローチすることで、脳に働きかけ、脳が変化させることができるのだ。

脳は「現状維持」を好む〜「安全」かどうか

脳は、絶えず身体とコミュニケーションをとっており、身体は、脳に対し、身体の場所を伝えている。まるで、パソコンのOSのように。例えば、ここに手・足、腰、肩があること等だ。目をつぶっても、簡単に手で鼻の位置を指すことができる理由は、脳には「身体の地図」があるからだ。

実は、身体の地図は、若い頃に「90%」が作られ、自我が確立。人間は「見たいと思う現実しか見ない」ようになる。そもそも脳は、1から世界を作ると「時間」と「エネルギー」がかかることを理解しており、なるべく、手間をかけたくない。それに加え、未知なことを安全性の観点から好まないので、脳は、できるだけ現状維持を好むのだ。

身体は環境から情報を受け取ることができる柔軟性がある。残念ながら、自然に触れることが少なく、日々デスクワークで人工的な環境に置かれてしまっているため、身体は、情報を受け取れない状態になってしまっているのだ。

肩こりや腰痛が起きるとなかなか解決しない!
自分の考え方に凝り固まってしまう
自分を変えようと思ってもなかなか変わらない

は、脳の保守的で現状維持を好む姿勢、置かれている環境による影響が大きい。

では、これをどう打開したらいいのか?

手足を整えると何が起きるのか?〜環境から情報を受け取る

ヨガにはスークシュマ・ヴィヤヤーマ(小さく関節を動かす方法、Sukshma Vyayama)というエクササイズがある。スークシュマ(サンスクリット語:細かい)、ヴィヤヤーマ(同語:運動)の意味で、手足の関節を「呼吸と合わせて」「ゆっくり」「丁寧に」「身体を感じながら」と動かしていく。その結果として、ヨガのポーズがとりやすくなり、手足が自由に動けるようになる。

手の動きで言えば、グーパー、指の関節を一つ一つ動かす等。

ロルフィングでは、筋膜へアプローチし、手や足が、大地、床、物を含め、環境から情報を受け取りやすいように整えると、脳に、新しい情報が伝わり、新しい環境に応じて脳が変化していくのだ。

例えば手。

手には、手のひらと指の2つがあるが、コップを掴むとき、ほとんどの人は、指でコップを掴む。一方で、実験していただきたいのだが、手のひら+指と手全体で使うと、肩の脇が安定し、コップを持つときに使う力が軽減されるのだ。手をこのような使い方になるためには、手のひらや指の関節が柔らかくなる必要があり、ロルフィングでは、筋膜へアプローチすることで、緩めるのだ。

鉄棒に手をぶら下がる動作。誰もが一度はやったことのある動作だが、ぶら下がるためには、何が必要か?単に手の握力だけではなく、手が鉄棒の情報を脳に伝え、脳が身体の他の筋肉に指令を送るのだ。様々な筋肉が動員され、姿勢が安定していく。こちらも、手が鉄棒から情報を受け取れるように、力が抜けている状態になっていないと、あっという間に鉄棒から手が離れる。

逆に、鉄棒に手をぶら下がる時間が多ければ多いほど、姿勢が安定。肩こり、腰痛が起きない身体になっているのだ。ヨガのポーズでは、手を挙げるポーズが多いが、手をうまく挙げられる人は、肩や首の筋肉をうまく脱力でき、最小限の力で姿勢を維持することができる。

ぜひどちらか試していただきたい。

脳の変化+身体感覚を養うこと

ロルフィングは「身体感覚」を養う方向で、脳を変化させることが可能だ。それこそが、身体の姿勢を改善。効果が持続する秘訣でもある。「身体感覚」とは「体内の状態に気づくこと」。

実は、外の世界から情報を受け取る、五感(視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚)(今回は手と足の触覚を取り上げたが)体内にも情報を受け取るセンサーがあり、脳に情報が送られるのだ。

このセンサーが「身体感覚」と解釈することもできる。

内臓、筋肉の中、骨の中等、全身から生まれ、
「現在の自分の状態」
「今この瞬間に自分はどう感じるのか?」
を知らせてくれる。

自分の現状を身体の内側から感じられるようになると、虫の知らせ=直感が使えるようになり、自分軸で物事を判断できることにつながっていくと思う。

まとめ

環境に応じて脳が変化することを活用するメリットは、身体感覚を養う、直感が使える、自分軸で物事を判断することである。

少しでも、この投稿が役立つことを願っています。

 

この記事を書いた人

Hidefumi Otsuka