ドイツのロルフィングトレーニングを受講していた頃に、REIKIという言葉を耳にする機会が多かった。明治時代に日本で生まれ、一時非常に盛んだった靈氣(れいき)が、第二次大戦後、事実上消滅。一方で、ハワイを経由して西洋にREIKIという形でドイツを含めたヨーロッパまで広まっていった。最終的に西洋からの逆輸入という形で日本で靈氣の素晴らしさが見直されるようになったという。
驚くべきことに、ドイツのほとんどの人はREIKIについて知っており、ドイツ人医師も症例によってはREIKIを治療に取り入れることがあるのだそうだ。
米国のNIH(米国国立衛生研究所、National Institute of Health)には27の研究所があるが、そのうちの一つに代替医療を専門とするNational Center for Complementary and Integrative Health(米国国立補完統合衛生センター、NCCIH)がある。そこには、ヨガ、瞑想、太極拳、ホメオパシーと並んでREIKIもリストの中に入っている。興味深いことにNIHの2011年の全予算4億4182万ドルのうちNCCIHに使われている予算は1億771万ドルとNCI(米国ガン研究所)の予算(1億823万ドル)に匹敵する。
このように欧米ではREIKIは注目されていることお分かりいただけたかと思う。
臨床研究は少数であるが、線維筋痛症、疼痛、がん、うつなどの疾患や、健康全般に対するREIKIを用いた研究があるが、臨床研究のエビデンスレベルの一番高い、無作為化試験が行われていない。
そのためか、米国ガン協会、イギリスのCancer Research UK、NCCIHは、REIKIは病気治療において、通常医療の代わりとして使ってはならず、あくまでも通常医療の補助として利用すべきということを勧告している。
そうはいうものの、代替医療について自分で実際に体験し(過去にアーユルヴェーダも体験(例えば【旅コラムVol.166】参照))、どういったものか?というものを知りたいといと思って世界一周を企てた経緯もある(【旅コラムVol.8】参照)。また興味深かったのは、世界一周中に靈氣を遠隔で受ける機会もあり、1ヶ月以上続いた咳がピタリと止まった経験もあった。このような経緯があったことから、靈氣というのは、どういうものなのか?今行っているロルフィングに役立つのか?等、興味を持ち、機会があったら是非とも学びたいという気持ちがあった。
運が良かったのは、2015年、ドイツ・フランクフルト在住の鎌田孝美さん(鎌田孝美さんについては【RolfingコラムVol.110】参照)が直傳靈氣師範として東京で講習会を開催してくれること。そのことから、2015年7月18日〜7月20日、直傳靈氣講習会に参加してきた。
次回、講習会模様について簡単に書きたい。