2018年1月30日、ワークショップも6日目が修了(昨年からの日数を入れると合計で17日間)。残り4日間となった。
6日間で、Rolf Movementのセッションを4回(生徒に対して2回、外部クライアントに対して2回)を提供したことになる。
基本的に、
初日(4日目、7日目):Embodiment(午前中)、Practicums(練習)
2日目(5日目、8日目):Embodiment、Practicums(午前中)、生徒同士によるセッション(合計3回)
3日目(6日目、9日目):Embodiment、Practicums(午前中)、外部クライアントへのセッション(合計3回)
最終日:総まとめ、10分間のEmbodimentを各生徒がクラス全体に発表
という形で進んでいく。
Part 1では手技を中心に学んでいたのだが、Phase 2では、どのように現場で実践するのか?に力点が置かれる(カルキュラムについては「どのようなカルキュラムで進んでいくのか?」参照)。
Part 1ではロルフィングの10回セッションの各回に相当する手技を練習するのだが、Phase 2では、Tonic Function(「いい意味での混乱+Tonic Functionについて」参照)に基づいて、身体全体を見てどのようにアプローチをとったらいいのか?を学ぶ。
身体意識を向上させるために、棒を使ったワークや背骨と上肢・下肢との関係を見るために、四つん這い、座位、立位の姿勢からのワーク等。Tonic Functionに関わるTonic(持続性のある) Muscleは、大部分は背骨側(身体の後側)に集中している。人間は前に倒れやすいということもあり、重力の影響を極力避け、身体を支えるため、背骨側の筋肉が働く。Tonic Muscleは疲れにくい筋肉だが、Inner MuscleではなくOuter Muscleである、Phasic Muscleが働いてしまうと、腰痛や肩こり等が起きてしまう。
そのため、
1)背骨の前側や背骨の前側に繋がっている内臓や腹回りをどのようにそれぞれ別々に動かすのか?
2)下半身と上半身をつなぐ背骨をどのようにして効率的に別々に動かすのか?
等、Part 2ではワークを通じて修得していく。
そのため、基礎的な手技よりも実地に役立つ内容に近い。
欧州ロルフィング協会(European Rolfing Association;ERA)の基礎トレーニングでいえば、Phase 2(基礎の手技)がRolf MovementのPart 1に相当し、Phase 3(クライアントを通じて学ぶ手技)が同Part 2に相当すると考えたらいいと思う(基礎トレーニングについては「トレーニングの振り返り〜ERAのトレーニングはどのように進んでいくのか?」参照)。
もう一つ、力点が置かれるのは
「クライアントとどのような関係作りをするか?」
だ。
「自分の身体をどのように整えるのか?」
から始まり、
1)クライアントと最初の出会った際にどのような言葉をかけ、関係性を作るのか?
2)関係性を構築した上で、クライアントからどのような身体情報を引き出すのか?
3)なぜクライアントがセッションにお越しになっているのか?そして、どのような期待を持っているのか?
4)クライアントのリソースやポテンシャルをどのように見るのか?
5)どのような言葉をクライアントにかけたらいいのか?
6)どのようにクライアントが動きという形で、セッションに参加したらいいのか?
7)Rolferとして自分自身を見失った際に、自分の身体にどのように立ち返るのか?
練習の中にこのような視点を取り入れつつ、Instructor/Assistantと生徒と全体で振り返る時間を設けて質疑応答も行われる。
Rolf Movementは、ロルフィング10回シリーズのような手順がない分、クライアントの関係性を作ることがより重視される。その手法を実践を通じて体得し、ロルフィング10回シリーズを終えた方に対して、どのようにメンテナンスセッションを提供するのか?ヒント満載な内容になっている。
結果、Rolferとして施術を提供する際に、自分がどのような癖を抱えているのか?も把握することで、よりクライアントからの情報が得やすくなることもEmbodimentを通じて体感という形で徐々にわかってきたと思う。
残り4日間。ロルフィングというものは、もっと自由度があってもいいのではないか、手順に縛られることなく、もっと人のニーズに合わせて、柔軟に取り組む。
そして、流れの中で直感を使いつつ、ロルファーとして自分の身体の内部の変化にも留意しつつ、
手技・知識よりも、
「いかにしてクライアントの良さを最大限に引き出すのか?」
クライアントとの関係性を含め、
「もっとその人の可能性を引き出すためにはどうしたいいのか?」
残りの4日間で学び、帰国後のセッションに生かせればと思っている。