【R#267】水の活用法〜身体の7割を占める水と健康について

はじめに

こんにちは!東京・渋谷でロルフィング・セッションと脳科学から栄養・タロットカウンセリングを提供している大塚英文です。

水は筋肉の7割を占める〜脳の働き、姿勢、腸内環境を整える

私は、2015年6月から渋谷にて、ロルフィング・セッションを提供している。手技を使ったロルフィングが、マッサージと整体と違って効果が持続する理由は「整体・マッサージとの違い〜症状か構造か?」に書いた。前回、効果を持続させるための秘訣の一つは睡眠のことについて書いた。今回は、筋肉の中を占める7割近くの水について。実は、姿勢を整えていく上で、身体の7割を占める水は重要なのだ。

今回は、水をどのように取り入れたらいいのか?

1)水分不足をどう判断するのか?
2)身体はどう水を取り入れるのか?
3)実際、水をどう取り入れたらいいのか?
4)腎臓と水との関係についてどう見たらいいのか?
5)熱中症対策として、水をどう活用するか?

の視点から考えてみたい。

水分不足を知るには?〜簡単にできるテスト

人間の体内の占める水の割合は7割と言われている。水が十分に取り入れていないと、7割が水の筋肉(つまり姿勢!!)や、脳の働きに大きな影響を及ぼす。更に、腸内に生息する腸内細菌(何と、全部合わせると2〜3キロに及ぶ)も生きていく上で、水が必要なことは意外と知られていない。

参考に、十分に水が取り入れられたかどうかチェックする方法を、Huberman Labのポッドキャストでは紹介されている(英語が理解できる方は、ぜひポッドキャストをチェックください)。

Hubermanが紹介しているのは2つ。
1)指先を指で摘み、5秒以内戻らない
2)爪を押して、1秒以内に色が変化しない
これらが認められた場合には、水が不足している可能性が高いのだ。

体内に水はどう取り入れられるのか?

まず、水について話すために、身体内で水がどのように取り入れられているのか?理解する必要がある、

実は、人間が水を飲むと、二つの方法で体内に取り入れられる。一つ目は、水は「拡散的」に入っていく方法、二つ目は、アクアポリン(Aquaporin)という蛋白質を使って能動的に身体内に運ばれる方法。前者はゆっくりと後者は早く、水が身体内に取り入れられる。実際、飲料として水を取り入れると、小腸で吸収されるが、アクアポリンを使って水は吸収される。

逆に、体内に取り入れた水は、内臓から外へ出すこともある。例えば、消化・吸収に必要な酵素(胃酸、膵液、小腸液)の大部分は水。アクアポリンを使って、身体内から内臓の外へ水を運び出すことで消化・吸収を進めていく。又、涙は目から出てくる水、こちらもアクアポリンを使うのだ。ロルフィングで扱う筋膜にもアクアポリンがある。

ロルフィングのセッションで、筋膜へアプローチ(巷では筋膜リリースするということもある)すると、流れが良くなるが、これは水が筋膜の中に入ってきて、筋膜が動かしやすくなるからであり、私自身も、セッションを行う中で、水の重要さを体感している。

一方で、靭帯や骨への水は、前者の「拡散的」な方法でとり入れられるらしいのだ。

アクアポリンによって水が取り入れられるが、身体内のpH(若干のアルカリ性、7.4付近)よりも高いpHのアルカリ水の方が、より取り入れやすいことも知られており、マグネシウムやカルシウムを多く含む硬水がそれに該当する。又、冷水よりも室温の水の方が取り込みやすいことも知られている。そうはいうものの、塩分が足りないと感じた場合には、海水由来の塩分を少し水に入れて飲むと体内に取り込まれるので、個人的にはマグネシウムを多く含む水をクライアントさんに勧めている。

水をどう取り入れるか?〜量、炭水化物、加工食品、ホールフード

暑い夏になると、人間は汗をかく。体温の上昇を避けるために、水を使って熱を外に逃すために皮膚に汗を出す。このために、水を失うのだ。睡眠時に200〜500mLの汗と、朝、排尿で、それぞれ水を失う。スポーツ・トレーナーで大学の教授をしているAndy Galpinによると、早朝時に400mL〜800mLの水を補うといいとアドバイスしている。

私も経験的に、朝、水を十分に取っていないとき、頭が十分に働かない印象があり、この方法をとってから改善された。

更に、同トレーナーは、15分ごとに、体重1kgあたりに平均2mLの水を15〜20分おきに(例えば、60キロは、120mL)10時間取ること(約2L)を勧めている。ただし、単独で水を取る必要ではなく、水を含む食物から摂ることもできる。そして、炭水化物や塩分の量も取り入れることで、身体内に水を保持することもできる。

一方で、炭水化物が少なく摂取する糖質制限や、水分が除かれている加工食品を取ってしまうと、水が不足する可能性が高く(水の保持能力の高い炭水化物や水を多く含むホールフード等は逆に水が多い)、多くの水を取り入れることが重要になる。

腎臓が働くのは10時間〜休息させることが大事

なぜ、水分は、10時間以内に摂ることが重要なのか?実は、人間には体内時計があり、腎臓もその支配を受ける。人体はコンビニのように24時間営業ではなく、10時間働いた後に、休息モードに入っていく。尿を作る腎臓が夜通しで働くと、夜尿に悩むことになる。それをなくすためにも、10時間の期間で、水の摂取を考える必要がある。

熱中症対策として〜首よりも手のひら、足裏、額

気温の高い夏は、体温が上がりやすい。人間の脳の脳幹には、体温を調整する部位があるが、首に冷えたタオルを乗せると、脳幹に直接情報が伝わる。脳幹は、体内が冷たいと認識するため、更に体温を上げようとする。このため、首に冷えたタオルはお勧めしていない。その代わりに、手のひら、足裏、額のどれかに氷水や冷えた水を当てることで、体温を下げることが重要になる。

実は、手のひら、足裏、額は、毛髪がないため、毛細血管が通常の10倍の大きさを持っている。直接、これらの組織が冷却剤に触れると、血管を直接冷やすことができるので、体温が下がって、熱中症対策になる。ぜひ、ご興味のある方、行ってみてください!

まとめ

今回は、ロルフィングのセッションを行う際に、伝えている「水」についてまとめさせていただいた。生活習慣を改善(行動変容)することで、できることは沢山ある。ぜひ少しでもこの投稿が参考になれば幸いです。

 

 

この記事を書いた人

Hidefumi Otsuka