【R#394】力を抜いている“つもり”の身体──触れられて気づく、緊張の残り方

はじめに

渋谷を拠点にロルフィング®のセッションを行っている大塚英文です。

日々、さまざまな身体に触れながら、「考えること」「感じること」「身体感覚(肚・丹田)」が、自然にひとつの判断としてまとまっていく状態を、セッションを通して支えています。

セッションの現場で、腰痛や肩こりを抱えて来られる方から、よく聞く言葉がある。

「力の抜きかたが分からないんです」
「なぜ、こんなに力が入っているのか分からなくて」

多くの場合、本人は意識的に力を入れているわけではない。むしろ「できれば抜きたい」と思っている。

それでも身体は、同じ場所に力を入れ続け、痛みやこわばりとしてサインを出し続けている。

力を抜こうとしても、抜けない身体

セッションを始めると、「力の抜きかたが分からない」と感じている身体には、いくつか共通した特徴が見えてくる。

  • 意識が身体から離れ、頭のほうに集まっている
  • 足先が冷たく、床を踏んでいる感覚が薄い
  • 重心が前にあり、身体がわずかに前のめりになっている
  • 骨盤が前傾し、腰や肩まわりに持続的な緊張がある

本人は力を入れている自覚がなくても、身体は「支え続ける姿勢」「頑張り続ける姿勢」をやめられていない。

この状態では、「力を抜いてください」と言われても、どこを、どう抜けばいいのかが分からないのは自然なことである。

「分からない」のは、感覚が悪いからではない

腰や肩に慢性的な緊張がある人ほど、次のような言葉を口にすることが多い。

  • 「ここに力が入っている感覚がない」
  • 「触られても、よく分からない」
  • 「昔からこんな感じなので、これが普通だと思っていました」

これは感覚が鈍いのではない。長い時間をかけて、その緊張と一緒に生きてきた結果である。

過去のストレス、環境への適応、無意識の踏ん張りや我慢。

そうしたものが積み重なり、身体は「力を入れ続ける状態」を安全な選択として覚えてきた。

だからこそ、理由が分からないまま力が入っている、という感覚が生まれる。

触れられることで、力の抜き方が変わる

セッションが進むにつれて、
次のような変化が静かに起きることがある。

  • 呼吸が自然に深くなる
  • 足の裏の感覚が戻ってくる
  • 身体の重さが床に伝わる
  • 言葉が少なくなる

ここで起きているのは、
「力を抜こうとした結果」ではない。

身体が、自分で力を抜く場所を思い出している状態である。

頭で「抜こう」としていた力が、
身体の側から静かに手放されていく。

触れられることで、身体が教えてくれる

興味深いのは、セッションでは、無理に力を抜かせようとはしない。

まずは、今どこに重さがあり、どこで支え続けているのかを、身体と一緒に確かめていく。

セッションが進むにつれて、次のような変化が静かに起きることがある。

  • 呼吸が自然に深くなる
  • 足の裏の感覚が戻ってくる
  • 腰や肩の力が、部分的にゆるむ
  • 言葉が少なくなる

ここで起きているのは、「力を抜こうと頑張った結果」ではない。身体が、自分で力を使い続けていた理由に気づき、少しずつ手放し始めている状態である。

力が抜け始めると、身体の使い方が変わる

興味深いのは、腰や肩の変化と同時に、次のような声が聞かれることである。

  • 「立っているのが楽です」
  • 「肩が下がった感じがします」
  • 「無意識に力が入っていたことに、初めて気づきました」

これは、痛みだけが取れた、という話ではない。身体全体の使い方が変わり始めているサインである。

力が抜けるとは、だらけることでも、姿勢が崩れることでもない。必要なところに、必要なだけ力を使える状態である。

まとめ

腰痛や肩こりがあるとき、「もっとストレッチしなければ」「もっと力を抜かなければ」と思いがちである。しかし多くの場合、問題は意識や努力の不足ではない。なぜ力が入っているのかを、身体自身がまだ語りきれていないだけである。

セッションでは、「どうすれば抜けるか」を教えるのではなく、身体が安心して力を手放せる条件が整っているかを、触れながら丁寧に見ていく。

もし今、

  • 腰や肩の力を抜きたいのに、やり方が分からない
  • なぜ緊張しているのか、自分でも分からない
  • 何度も同じ痛みを繰り返している

そんな状態が続いているなら、一度、身体の側からその理由を確かめてみるのも一つである。

セッションで実際に何を行い、どのような流れで身体を見ていくのかについては、下記のページで詳しく紹介している。

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この記事を書いた人

Hidefumi Otsuka