Cranio Work – Sharon Wheeler(1)〜セッション7を効率よく行うための手技として

2017年1月26日(木)。シアトルに到着してから2日目。いよいよ、Sharon Wheeler(以下Sharon)のワークショップが始まった。Sharonのワークショップに参加するのは、日本で開催されたBone Work以来となる(詳細は「Bone Work(5)〜最終日:Sharonの話(2)」参照)。

私自身、Bone Workのワークショップに参加した際に、デモやクライアント・セッションの時にSharonが行ったCranio Workに興味を持ったこともあり、ぜひとも同ワークショップに参加したいと思っていた。

幸運なことにSharonのホームページで、2017年1月下旬にシアトルで開催するという情報があり、

これはぜひとも受けたい!

と思い、主催者のLouise Almgren(以下Louise)にメール。

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その結果、

まだOpeningがあるよ!

ということで参加を決めた。

宿泊先を午前8時15分頃に出発。徒歩30分かけて、ワークショップが開催されるアドバンス・ロルファーのLouiseの家に向かった。

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午前8時45分に到着。家の後ろにある赤色の扉から、セッション・ルームの入り口で待っていると、ほぼ数分後に、Sharonを乗せたトラックが駐車場へ。Sharonは手を振って迎えてくれて、思わぬ形で再会することができた。

クラスは4人の超少人数制。午前9時〜午後5時半まで、1時間半の昼休憩を取りつつ進んでいった。象印のホットポットに入ったお湯でお茶、果物(ブルーベリー、ラズベリー、小さなみかん)、デニッシュパン等が用意され、ワークショップ中、食べ物に困ることがなかった。

午前中はクライアントを呼んでのデモ・セッション。Cranio Workのセッションはどういったものであるかを説明しながら、クライアントのBEFORE/AFTERの写真も撮った。鎖骨から頭蓋骨までの施術を見たのだが、Bone Work同様、非常にシンプル。解剖学がほとんど出てこず、実践的で覚えやすい。

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Cranio Workの方は、Bone Workとは違い、ロルフィングのトレーニングを行なった後から教え始めたという。Sharon自身が、事情によりセッション7の経験が非常に豊富で、教えられるほどの経験を積んでいたためだったそうだ。それは、Jim AsherがCranio Sacralを70年代後半に教えるようになるまで続いたという。その後、Bone Workとともに、最近になってCranio Workという形で教えることを開始した。

Ida Rolfによると、セッション7を行うためにセッション1〜6までを行い、セッション7で行なった施術をセッション8〜10で統合していくという。そのセッション7をどのようにIda Rolfは教えたのか?どのように理解したのか?という観点でCranio Workの話が進むので、面白い。

昼食休憩後には、Cranio Workの方法について骨人形を使って説明したのちに、2組に分かれて練習へ。私が受ける側で3時間半、じっくりとCranio Workを受けることになった。

2組のみだったので、Sharonのタッチも受けることができるという幸運にも恵まれ、最後の総仕上げの段階で、頭蓋骨と背骨の間のAO関節の付近での施術は、首の可動域を広げるのに非常に役立った。

明日は私が施術をする側になるが、Sharonによるクライアント・デモ、実際に参加者によるクライアント・セッションも行う予定だ。どのようなスキルを身につけられるのか?楽しみながら進めていきたい。

2026年8月の注記

このワークショップは、手技の講座であると同時に、伝達の記録を辿る講座でもあった。Ida Rolfはセッション7を10回シリーズの中心に置き、1〜6はそのために積み重ねられ、7で行ったことが8〜10で統合される。

Sharonは事情によりセッション7の経験が非常に豊富で、教えられるほどの量を積んでいた。だからこのワークショップは、Idaがセッション7をどう教えたのか、Sharonがそれをどう理解したのか、という観点で進んでいく。

Bone Workの記事に、Idaが身体の見方をどう教えるかわからなかったという話を書いた。プールに飛び込ませて泳ぐか溺れるかさせる、という方法しかなかった。その空白のすぐ隣で、セッション7という具体的な手技だけは、一人の弟子に大量の反復を通じて伝わっている。教えられなかったものと、伝わったものが、同じ場所にあった。

もう一つ、この回で身体に残ったのは時間の長さだった。受ける側として3時間半。デモ・セッションも3時間近く。翌々日のクライアント・セッションも3時間近くかけている。

この半年後、ミュンヘンでPeter Schwindのワークショップに参加して、正反対の考え方に出会うことになる。Peterは当初1時間程度でセッションを行っていたが、Ida Rolfの息子と出会って考えを改めた。息子は短いと15分程度で終える効率の良いセッションを提供していたという。

時間をかけすぎると、かえって脳に大量の情報を教え込んでしまう可能性がある——そう気づいて、以来45分程度に収めるようになった。Jan Sultanからは50分から55分で終えるようにと時間管理を教わっている(詳細は「Peter Schwind WS(1)〜技術をどのような目的で使うのか?」に書いた)。

3時間半と45分。同じロルフィングで、これだけの差がある。どちらが正しいという話ではなく、身体に何が起きると考えるかが違う。Sharonの側では、変化が起きるまで待つ時間が要る。Peterの側では、情報を与えすぎないことが要る。待つことと、与えすぎないこと。両方とも施術者が「しない」ことについての判断でありながら、時間の扱いが逆になる。

2025年のアドバンスト・トレーニングでNeutralが主題になったとき、待つことは技術の中身として扱われた。ただし、どれだけ待つかという量の問題は、そこでは扱われていない。2017年に東西で受け取った2つの答えは、いまも自分の中で決着していない。セッションごとに違う、というのが今のところの答えである。

この記事を書いた人

Hidefumi Otsuka