
はじめに
2026年9月25日に、新しいホームページを公開しました。
新しいホームページについては、連載「新しいホームページができるまで」(全4回)に書いています。
- 15年で540本になっていた〜新しいホームページができるまで(1)
- 編集とは、減らすことだった〜新しいホームページができるまで(2)
- 減らせないものがある〜新しいホームページができるまで(3)
- 公開しました〜新しいホームページができるまで(4)
約3ヶ月かけて、これまで15年間に書いてきた記事を整理しながら、「自分は何を伝えたいのか」「どんな人に届けたいのか」を考え直して作ったホームページです。でも、公開したら終わりではありません。次に考えたのが、「このホームページを、これから何を基準に改善していけばいいのだろう?」ということでした。
これまでは、Google Search Console、Bing Webmaster Tools、Microsoft Clarityなどを見ながら、検索順位やアクセス、実際にどのページが読まれているのかを調べてきました。そして今回、もう一つ調べてみようと思ったことがあります。「生成AIから、自分のホームページはどう見えているのか?」
みなさんは、自分のサービスが生成AIにどれだけ引用されるか、調べたことはありますか。私は、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityの4つを使って、実際に調べてみることにしました。
顧客の問いから質問を作る
まず、自分の顧客になりそうな人を想定します。私の場合は、東京で暮らしていて、身体について何らかの悩みを持っている外国人です。その人が生成AIにどんな相談をするだろうか、と考えて、英語の質問を11問作りました。
質問は、大きく3つに分けました。
- 自分の仕事にかなり近い質問
→ 本来なら、自分のサイトが引用されてもおかしくない - 自分の仕事から少し遠い質問
→ 引用されることもあれば、されないこともある - 自分の仕事とは関係のない質問
→ 基本的に引用されないはずの「対照群」
たとえば私の場合、「デスクワークで身体が固まる」「まっすぐ立とうとすると余計に固くなる」「ヨガを続けているけれど、最近変化を感じなくなった」といった質問です。
ここで「ロルフィング」を、自分の仕事に置き換えて考えてみてください。整体でも、コーチングでも、税理士でも、デザインでも、英会話でも同じです。大事なのは、「東京でおすすめのロルファーを教えて」と、自分のサービス名を直接聞くのではなく、「そのサービスを必要としている人が、まだサービス名を知らない状態で、AIに何を相談するか?」から質問を作ることです。
4つの生成AIに同じ質問を投げた結果
そして、4つの生成AIに同じ11問を投げました。条件もできるだけそろえました。過去の会話が結果に影響しないよう、一時チャットやプライベートモードを使用。さらに、普段からAIを使い込んでいる有料会員ではなく、無料ユーザーが初めて相談する状況に近い環境を想定しました。つまり調べたかったのは、「私のことを何も知らない見込み客が、初めてAIに相談したとき、私のサービスまでたどり着くのか?」ということです。
結果は、かなりはっきり分かれました。ある生成AIでは、自分の仕事に近い質問のほぼすべてで私のサイトが引用されました。ところが、別の生成AIでは一度も引用されませんでした。
面白かったのは、引用しなかったAIも、ロルフィングという手法そのものはかなりよく理解していたことです。「重力との関係を整え、自分で身体を持ち上げなくてよくなる」というところまで説明していました。それなのに、「では東京で誰から受けられるのか?」となると、私のサイトは候補に入ってこない。なぜだろう?
重要なページがGoogleに登録されていなかった
調べていくうちに、思わぬことが分かりました。Google Search Consoleを見ると、9月24日時点で確認できた英語記事450本のうち、260本、57.8%がGoogleにインデックスされていました。ちなみに日本語は493本中242本、49.1%です。つまり、英語ページだからGoogleに登録されにくい、という話ではありません。
ところが、今回の実験で生成AIが参照していたページや、「この質問なら、このページが候補になってもよさそうだ」と思う重要な英語ページを個別に調べてみると、Googleには登録されていないものが多かった。一方、Bingには登録されていて、検索すると最上位に出てくるページもありました。
「選ばれる」以前に「見えている」必要がある
ここで、一つの仮説が浮かびました。生成AIに「選ばれる」以前に、そもそも生成AIから「見えている」必要があるのではないか。そして、もう一つ気づいたのが、大事なのは単純なインデックス率ではない、ということです。
英語記事は450本あり、そのうち260本はGoogleに登録されています。でも、顧客が実際に投げかける問いに答える重要なページが登録されていなければ、記事が何百本あっても、その問いに対しては届かない。つまり、ここでも「量」より「質」なのだと思います。何本の記事がインデックスされているかではなく、「顧客の問いに答えるページがあるか」、そして「その重要なページが、検索エンジンからきちんと見えているか」が大事なのではないか。
生成AI対策というと、「AIに引用されるために、たくさん記事を書こう」「AI向けの文章を書こう」と考えがちです。でも、その前に、ここを確認する必要があるのかもしれません。新しいホームページを作ったからといって、それで完成ではありません。「実際に誰に届いているのか」「どんな問いから見つけてもらえるのか」を調べながら育てていく。今回の実験は、そのための一つの方法として始めました。
次は、同じ11問をもう一度投げる
もちろん、まだ仮説です。そこで、Googleに重要な英語ページのインデックス登録を申請しました。サイトの文章は一切変えません。Googleへの登録が反映されたら、同じ条件で、同じ11問を、もう一度4つの生成AIに投げます。変えるのは、「重要なページがGoogleから見えるようになった」という条件だけです。それで引用結果が変われば、今回の仮説をもう少し絞り込めると思います。
まとめ
生成AI時代のホームページづくりを考えていたら、結局、「誰に、どんな問いに対して、何を伝えるのか」という、とても基本的なところに戻ってきました。量ではなく、問いに対する答えの質。新しいホームページを、これからどう育てていくのか。しばらく、この実験を続けてみようと思います。
