【R#75】Phase III(16)〜代替療法と多様性

ロルフィングのトレーニングには、教科書というものがない。このことについては以前触れたが(【RolfingコラムVol.67】参照)、それは、恐らく代替療法の一つとしてロルフィングの特徴が現れているのではないかと思う。
なぜなんだろうか?と考えていたら、よしもとばなな氏の「Q健康って?」という本をKindleで読んだときに「なるほど!」と思える印象的な言葉に出会った。
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この本は、代替療法に携わる4人(その中によしもとばなな氏で、ロルファーの旦那さんが登場する)との対談で興味深い内容になっている。私個人としては、 最後に整体師の片山洋次郎氏のボディワークや健康法についての基準について書かれたあとがきが面白かった。
彼は医学と代替療法の違いについて簡潔に以下のように述べている。

医学ではあらゆる技術が標準化を目指しています。少なくとも建前上はどこでも同じ治療が受けられるということです。
「代替療法」のカテゴリーの入る様々な健康法は、本質的に共通項があっても見かけ上はむしろ多様化しやすいのです。同じメソッドでも術者が熟達するほど、よりカスタマイズされるということです。

Phase IIとPhase IIIでは、10回のセッションはどのように組み立てるのか?ということがまとまったノートが電子で配布される。Phase IIのGiovanni先生、Phase IIIのJörg先生のノートをみると似ているところもあるが違うところもある。また、Rolfingの熟達者の本も何冊か出版されているが、それも若干違っている箇所がある。
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Giovanni先生とJörg先生から言われていることは、10回のセッションについて自分の言葉でまとめることの重要性だ。おそらく、片山洋次郎氏の言葉に現れるように、最終的に一人一人がそれぞれにあう形での10回シリーズというのが作られてくるからなのかもしれない。
ロルファーとして4〜5年経験後、アドバンストレーニング(これを終了するとアドバンスロルファーになる)を受講することができる。
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このカルキュラムをRISI(Rolfing Insitute of Structural Integration)のホームページを覗くとdevelop individualized treatment strategies(個々に応じた施術の戦略を立てる)という言葉が出てくる。まさしく、人間が一人一人違う存在であり、それぞれに応じた施術を行うに はカスタマイズを考えることが大切になってくることを裏付けているように思う。
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残りの3週間で、どういったことを学ぶのか?非常に楽しみだが、多様性という観点にも注目しながらトレーニングを見ていきたい。

この記事を書いた人

Hidefumi Otsuka