ヨーロッパのトレーニングではPhase IIIとSupervison Workshop(最後のフォローアップ・トレーニング)との間(2014年11月27日〜2015年2月2日の間)にメンタリング(Mentoring、Mentorは指導者の意味)と呼ばれるセッションを3回受ける必要がある。メンタリングの詳細については「ミュンヘンでのトレーニング(3)〜MentoringとSupervision Workshop」に書いた。
2014年8月〜2016年3月の間(Phase I〜Phase III)に一緒だったフランス人のArnaud Lelièvre氏から、Rolf Movementのカルキュラムを作るのに大きな影響を与えたHubert Godard先生のメンタリングをParisで受けないか?という誘いを今年の7月頃受ける。Hubert Godard先生については、ロルフィングのTonic Functionの考えにも大きな影響を与えていること。そのことについて「身体と心(2)〜Tonic Function(1)」で触れた。
二つ返事で快諾し、2016年9月2日にParis行きが決まった。Parisに行くのならば、英国のLondonからParisへEurostarで前日入りして、メンタリングに臨むのがベストではないかと考え、2016年8月30日、ロンドンへ入り、9月3日、ロンドンを出るというスケジュールを組んだ。
そこで、ロンドンで一人メンタリングを受けることを決め、Phase IIからIIIの間にロンドンで受けた2名のロルファーのうちの一人、Keith Graham先生(LondonのWaterlooでロルフィングのセッションを提供)にコンタクト。2016年8月30日にメンタリングを受けることを決めた。
Keith Graham先生の前回のメンタリング・セッションについては「英国での体験(1)」に書いたので参照いただきたい。
今回は、下肢を中心に身体へのアプローチを行う際、いかにして手に負担をかけることがなく、全身を如何に使ったらいいのか?その手技について教えて欲しいということで始まった。
指を使うことに関しては、問題ないと言われてホッとしたが、肘と前腕を使ったアプローチをメインに教わることができた。特に興味深ったのは、クライアントに動くことで、ロルファーの負担が減るということだ。例えば、臀筋群へのアプローチの際の膝の動き、大腿筋膜張筋で同アプローチの際の踵の動き、これらを連動させることで指に負担が減る。また、腸脛靭帯(ITB)の周辺のアプローチは意外と強めに行っていたが、それほど力を入れることはなく神経感覚を緩める形で施術をした方がかえって、ITBの与えるダメージを最小限にしつつ、効果を最大限にすることができるということを学ぶことができた。
もう一つ、セッション4で内転筋群へのアプローチを取るが、Ida Rolfの
「エネルギーは足の下から頭へ伝わる」
ということを引用しつつ、内転筋へのアプローチの際には筋肉の上向きと下向きに注目しどちらの方がアプローチしやすいのか?を鑑定した上で、施術を行った方がいい。と教わり、前腕を使って、骨盤底まで施術を進めるという手技も学ぶことができた。その後、足には4つのエリアがあり、それぞれのどこが一番動きにくいのか?を見つつ、セッションを深めていく方法、Cranial Sacralのアプローチや簡単な骨盤調整法等についても紹介。濃密は1時間半となった。
前回に比べ、より具体的な質問になったと思う。特にロルフィング・セッション中で足へのアプローチで指が疲れることがあるので、時間をかけて施術することも大事だよ!ということも学べたので、ぜひ学んだことは日本に持ち帰って実践につなげていきたい。
Keith Graham先生とは色々と意見交換も行った。Brexitや為替の影響で2か月売り上げが落ち込んでしまったこと。英国では40人のロルファーが活動していること。11人がModular Training(数年かけて週末のみのトレーニングで終える方式。私が受けたのは集中的に行うIntensive training)でPhase IIIの段階にあること(Keith Graham先生はアシスタントして英国のtrainingの指導に当たっている)。等話し合うことができた。1回のセッションは85〜95ポンドとのこと。為替のことを考えると、日本よりも安く感じるが、私はこれは一時的なものと考えている。
さて、2016年8月31日はロンドンを満喫したのちに、9月1日はパリへ移動。9月2日のHubert Godard先生のメンタリングに臨む予定。楽しみにしていたい。