【R#275】筋膜と心的トラウマ〜言葉を使わないカウンセリング〜

はじめに

こんにちは!東京・渋谷でロルフィング・セッションと脳科学から栄養・タロットカウンセリングを提供している大塚英文です。

筋膜の中にある「トラウマ」

私は、2015年6月から、ロルフィングのセッションを提供している。かつて「整体・マッサージとの違い〜症状か構造か?」に、整体との違いについてまとめたが、筋膜へアプローチすること自体、意味があると感じている。なぜならば、筋膜の中に、心理的な外傷(心的トラウマ)が溜まっている可能性があり、緊張を解放することで、カウンセリング(コーチング)と同じような効果が期待できるからだ。

もう少し具体的に説明したい。

自律神経系の中に答えがある〜トラウマと筋膜

ロルファー(ロルフィングの施術を提供する人)の一人、Peter Levineは、動物を観察して、人にはない特徴を見つけた。

動物は敵に遭遇するときに、闘う(Fight)又は逃走(flight)の2つの手段を取るが、その2つを取ることができない場合に、凍りつく(Freeze)という第3の手段の方法をとる。

いずれも、人間が自らコントロールすることができない「自律神経系」が関わっている。

下記の映像では、豹に襲われたインパラが、「凍りつき」反応を示した後、ショックによって生じたエネルギーを解放するために、震える動作を行っていることを確認することができる。

動物は、このようにショックによる生じたエネルギーを解放することで、心的トラウマに囚われることなく、生きることができる。

実は、人間は、脳があるため、そのプロセスが中途半端になりがち。例えば、ショックによってエネルギーを解放する(涙、震え等)のが恥ずかしいと脳が感じることがあり、結果的にトラウマが身体内に残る可能性が高いのだ。

興味深いのは、Levineの着眼点だ。

トラウマは、誰が何を起こしたのか?原因は何か?

を見るのではなく、

身体内のショックのエネルギーが中途半端な形で身体の中=筋膜に残ってしまうことで引き起こる

と考えた。動物と似たように、エネルギーを全て放出するといったプロセスを経ることで初めてトラウマが完治することを、実際に何例かの患者に治療することを通じて示したのだ。

筋膜へアプローチ〜言葉を使わないカウンセリング

心的トラウマを抱えている人は、通常、カウンセラーに具体的な話を聴いて解消を目指す。一方で、ロルフィングのセッションでは、具体的な話を聞くことは最小限にして、「筋膜」へアプローチすることで、自律神経を含めた身体がどのように変化するのか?施術者が見守る姿勢を保つ。

残念ながら、言葉って全てを表現できるわけではない。奥深いところに、問題を抱えている場合がほとんどで、言葉にできないから解決できないことが多い。最終的に、身体に残っている記憶までアプローチできなければ、解消に向かわないのだ。

私は、安心・安全な場を大事にしている。

なぜならば、安心・安全な場に身を置くことで、自分が変わっても大丈夫だという環境になる。今巷で話題の「心理的安全性」だ。実は「身体は、本来ある場所を分かっている」のだ。あくまでも、施術者は、誘導しているだけ。最終的に、身体の筋膜が勝手に動き出し、自分が快適と思う場所に落ち着くのだ。

まとめ

今回は、筋膜とトラウマとの関係についてまとめさせていただいた。
少しでもこの投稿が役立つことを願っています。

 

この記事を書いた人

Hidefumi Otsuka