【R#33】Phase II(21)〜姿勢の3要素〜視覚、内耳感覚、筋感覚

ロルフィングで姿勢を見る際に三つの要素が関わっていると考える。視覚(Visual system)、内耳感覚(Vestibular system)、筋感覚(kinesthetic system)の3つの要素であり、この3つの要素があって初めてバランスが調っていると考える。中でも、セッション7で大切になるのは内耳感覚。身体が本来持つ内耳感覚を取り戻すかがテーマとなる。
スクリーンキャプチャ
まず3つの感覚について説明する。
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視覚は、目で見る情報だが人間の外部情報の8割を目に頼っているとも言われるが、目を酷使すると(例えばPCを使った作業を含めたデスクワーク)、他の2つとの感覚とのバランスを調えようとする。しかし、他の二つの感覚は発達していないと姿勢を正そうと思っていても、また崩れてしまうのである。そこで、ロルフィングでは、次の二つの感覚を調えることを考える。
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筋感覚とは、手、足、頭・顔を含めた外部感覚器官が外部情報をしっかりと受け取り、身体の内部に情報が伝えることができるかどうか?という意味である。ロルフィングではPalpatoryやHapticという言葉で表現する。
Palpatoryは、解剖学を勉強するときにどこに筋肉や骨があるのか?実際に生きた身体に触れる、Palpation(触診)からの由来。一方 で、Hapticは、ギリシャ語のἅπτω =”「触れる、触知」からきている。すなわち手や足を触れる際に情報を受け取れる状態に調えることが重要であるが、必ずしも身体はそのようになっていない。
feet
足の場合には足底アーチが3箇所あるが、そのアーチの土台を築くことや下肢と足との間にスペースが出来ること(セッション2で扱う。「【RolfingコラムVol.13】Training Phase II〜セッション2:足を調える」参照)で、下半身が地面をしっかりと受け止めることができ、上半身の自由度が増す。
Session 2 notes, Giovanni, Oct 2014
Palpatory/Haptic状態の足を表現すれば、まるでヤモリのように地についた状態、または足にまるで目がついたような状態で情報を受け取ることができると考えてもいいかもしれない。
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顔・頭の場合は、重力によって押しつぶされた状態ではなく、頭が空から吊るされた状態(Sky hook)で身体が重力に対して、二つの方向(Palintonicity。「【RolfingブログVol.19】二方向性(palintonicity)」で説明した)で調える。二つの方向とは、下半身が地について、上半身が自由に上向きになるという意味である。そのことで、頭も自由に動くことで、外部からの情報が得やすくなる。
sky hook
内耳感覚は平衡感覚のこと。重力を感じるのは耳の奥にある内耳。そこには平衡器官があり、脳神経系と共同に働き、身体の向いている方向、傾きや動きを感知する。このことで身体のバランスを取り戻そうとする。
平衡感覚のわかりやすい例は、船酔い。海の波で平衡感覚を失ってしまうために、船酔いは起こる。耳は顔・頭の一部である。セッション7では、この顔・頭の内耳感覚に対してアプローチすることで身体の内部に対してこの感覚を呼び戻そうと考える。そのために口や鼻の中にそれらに関連する場所の筋膜を緩める。それらには、顎やその周辺の筋肉、鼻周辺の筋肉や、舌の筋肉なども含まれる。
顔や頭についての効用を少し触れたが、実際のセッション7の説明の際にどのように体感したかを見てみたいと思う。

この記事を書いた人

Hidefumi Otsuka