SPTSCに参加して〜どのように知識を深めたらいいのか?〜実践を通じた学びを通して

2017年12月2日から3日にかけて、大阪在住のロルファーである佐藤博紀さん(以下ヒロさん)のTENへ伺い、ソースポイントセラピー・サプリメンタルコース(以下SPTSC)を受講した。

ソースポイントセラピー(以下SPT)のトレーニングは、Module 1 を2015年10月10日から12日にかけて15名で、Module 2 を2015年11月21日から23日にかけて13名で受講している(Module 1 の模様は「「人間として形付けられるために必要な元となる情報」=「ブループリント」を知ること」「知識よりも感覚をどう使うのか?〜ブループリントへのアクセス」「最終日」、Module 2 の模様は「ブループリントへの具体的なアクセスの方法+人の身体はどのように変化するのか?」「ソースポイントのトレーニングはどのように進むのか?どのようなテクニックがあるのか?」「身体にとって健全な情報というのは何か?」参照)。トレーニングは Module 3 まであるが、私は未受講である。

東京では何度か練習会に参加しているが、SPTのトレーニングを受けるのは久々だった。

SPTからしばらく離れていたが、受講の理由は二つある。一つは、日々のヨガの練習に加えて瞑想を取り入れるようになり、あらためてSPTを深めることの大切さを実感できるようになったこと。もう一つは、ロルファーとして認定を受けてから2年半が経ち、SPTを見直してみたいという気持ちになったことだ。

そこで、ここ3か月ほど、徐々にSPTをセッションに取り入れるようになった。このタイミングで、ヒロさんから2017年10月2日に本クラスの案内メールが届く。対象が Module 2 修了者であることから、基礎的な手技を深められることを実感した。すぐに満員になったが、無事に申し込むことができた。

12月2日の早朝便で大阪入りし、午前9時からクラスが始まった。18名の参加者とともに、自己紹介とクラスで学ぶ目的のシェア、そして瞑想から開始する。

基本手技を確認した後、3人1組で、自己流になっているかどうかを確認しつつ交換セッションを行った。施術者、観察者、被験者に分かれ、Module 1 と 2 で学んだ手技を限られた時間内で復習していく。

初日の午後からは、Sacral Hold と Guardian Point の理解を深めるために、William Sutherland 博士から始まった頭蓋ワークの歴史と、基本となる解剖学の紹介があった。

歴史的な経緯を知ることの重要性を学んだ。どのような人たちが頭蓋ワークに関わっているのか。オステオパシーから始まった手技が、どのようにしてオステオパシー以外の人たちに広まったのか。

頭蓋ワークで必要な3つのレベル、バイオメカニクス、ファンクショナル、バイオダイナミクスのそれぞれのアプローチの仕方。エネルギーワークとの関係。頭蓋ワークとバイオダイナミクスの一連の流れ。それらを文脈のなかで捉えることで、流派や学術言語の意味の使われ方、そして Guardian Point と頭蓋ワークの違いが見えてくる。

ヒロさんが書籍やクラスへの参加、通訳としての仕事に携わるなかで、経験に裏打ちされた知識を惜しみなく披露する姿勢に感銘を受けた。

解剖学では、呼吸と頭蓋との関係、内臓頭蓋と脳頭蓋の違い、そしてロルフィングのセッション7で行っていることは何か、についての説明があった。2年半ロルフィングのセッションを経験したうえで聞いているので、理解が深まったと思う。

その知識を踏まえたうえで、Guardian Point へ進む。骨盤のアラインメント、寛骨のリズム、下肢のバランスを整える骨盤上の3つのポイント。胸鎖関節のバランスと第一肋骨の動きを司る鎖骨下のポイント。そして頭蓋の4つのポイント。それぞれを、呼吸と解剖学との関係を通じて扱っていった。

座学を終えた後、実践へ移る。

思い出すだけでも、二つのことを行った。一つは、ダイヤモンド・ポイントとネーブル・ポイントが実際に身体にどのような影響を与えるのか、施術者が被験者にセッションを行っている最中に、観察者が仙骨に触れて変化を体感するというもの。

もう一つは、Guardian Point の解剖学上の位置を触診し、ダイヤモンド・ポイント、Guardian Point、Crescent Moon を施術者が行っている最中に、観察者が肩、くるぶし、頭蓋と仙骨の3か所を決められた順番に触れて変化を体感するというものだ。

Module 1 と 2 が手技を学ぶことであったのに対し、SPTSCは学んだ手技をより深める内容になっており、まさに今必要とする経験だった。

ダイヤモンド・ポイントと Guardian Point を通じてどのような変化が起きているのかを、実際に体感する。観察者として、どのような姿勢で取り組むのか。フィードバックをいただきながら学ぶことは、ドイツでのロルフィングの基礎トレーニングにもない視点なので、勉強になった。

他にも気づく点があった。手技を行っているときにどのような意識を持つのか、Golden Egg の形や Midline を意識すること。身体へ触れる際の質、触れるか触れないかその加減を感覚的に理解すること。身体の変化のプロセスに入るとはどういうことか、変化に対してどう対処するのか。波に乗るという表現も出た。プロセスが終わるときにはどのような変化が起きるのか、呼吸のリズムの変化など。多岐にわたった。

そして、SPTは解剖学を知らなくてもテクニックを学べばできるものだが、解剖学を知って行うと、セッションへの理解や意識が深まるということを、体感で学ぶことができた。

今回のクラスでは、SPTの基礎となるブループリント、別の言葉で言えば大いなる叡智に身を委ねる意識を、どのように磨いたらいいのかを考えていた。頭でっかちで、自己流というエゴが入りやすくなっている手技や意識を、エゴの良さを活かしつつ、どのようにブループリントと向き合っていけばいいのか。少しでも学べればと思っていた。

ヒロさんのフィードバックが的確で、二つの点で一定の方向性が見えたのが大きな収穫だった。一つは、SPTは結果が出るものであるということ。もう一つは、どのような位置づけでロルフィングと併用するのか、ということだ。

昼と夜には、参加者とともに食事を通じて色々と話す機会があり、同業者から学ぶことが多かった。メンバーにも恵まれ、話題も多岐にわたった。サロンに戻ったらSPTを取り入れ、クライアントの一人ひとりに役立てればと考えている。

SPTSCを開催したヒロさんをはじめ、参加者の一人ひとりと学べたことに対して感謝したい。

2026年8月の注記

この記事で初めて、SPTの背後にある系譜が明かされている。

初日の午後、Sacral Hold と Guardian Point の理解を深めるために、William Sutherland から始まる頭蓋ワークの歴史が紹介された。オステオパシーから始まった手技が、どのようにしてオステオパシー以外の人たちに広まったのか。頭蓋ワークで必要な3つのレベル、バイオメカニクス、ファンクショナル、バイオダイナミクス。そしてエネルギーワークとの関係。Guardian Point と頭蓋ワークの違い。

当時の私は、これを興味深い背景として書き留めただけだった。10年後に、同じ線をもう一度受け取ることになる。

同じ背景が、10年後のアドバンストで出てきた

2025年のアドバンスト・トレーニングで、Ray McCall と田畑浩良さんはともにライトタッチを重視した。その背景として説明されたのが、1980年代以降、John Upledger を中心にバイオダイナミック・クラニオセイクラルの考え方がオステオパス以外へ伝わり、ロルフィングのコミュニティに大きな影響を与えたことだった。

Ida Rolf の時代の強い圧とは異なり、身体と空間が自然に再編成されるための適切なプレゼンスが重視される方向へ変わっていく。この考え方はエネルギーワークの一つであり、あのATで中心的に扱われた主題だった(「Advanced Rolferの認定までの歩みについて【総括】〜認定までの道のり」参照)。

つまり、2017年12月に大阪で聞いた頭蓋ワークの歴史は、2025年に東京で聞いたロルフィングの変化の背景と、同じ話だったことになる。

考えてみれば、SPTの創始者である Bob Schrei は、認定アドバンスト・ロルファーであると同時にバイオダイナミック・クラニオセイクラル・セラピストでもある。二つの系譜を一人で持っている人が作った体系だから、両方が入っているのは当然だった。ただ、当時の私はそこまで結びつけていない。

先に手を覚え、あとで背景を知る

この記事は、SPTのもう一つの側面も記録している。

Guardian Point の8つのポイントが、ここで初めて具体的に書かれた。骨盤のアラインメント、寛骨のリズム、下肢のバランスに関わる骨盤上の3点。胸鎖関節のバランスと第一肋骨の動きを司る鎖骨下の点。そして頭蓋の4点。

2年前、Module 2 でこの手技を学んだとき、私は8つのポイントに2本の指で触れる方法を書きながら、位置も理由も記録していない(「ソースポイントのトレーニングはどのように進むのか?どのようなテクニックがあるのか?」参照)。効能だけを書いた。

この記事は、その順序を自分で評価している。SPTは解剖学を知らなくてもテクニックを学べばできるものだが、解剖学を知って行うとセッションへの理解や意識が深まる、と。技術としては不要で、理解としては必要だ、ということである。

順序としては、これでよかったのだと思う。2025年のアドバンストで受け取った Jeff Maitland の考え方は、エネルギーワークや繊細な技法を最初の段階で教えるべきではない、というものだった。明確なタッチ、プレゼンス、落ち着いた在り方が身についた後の、終盤で扱うべきものだ、と。

手を先に、背景を後に。この分野では、学ぶ順序そのものが設計の一部になっている。

2年半あけたことの意味

この記事は、SPTからしばらく離れていたと書いている。Module 2 を終えてから2年、実際にセッションで使いながら過ごし、この3か月ほどで徐々に取り入れる頻度を上げ、その時期に補講の案内が届いた。

同じ内容でも、受け取れるものはまるで違っていた。ロルフィングのセッション7で何をしているのかという説明も、2年半の経験を経て聞いたから理解が深まった、と書いている。

Module 3 を受けるのは、さらに3年後の2020年になる。基本手技を Module 2 で学び終えたので後回しにした、というのがその理由である。空けることが、この体系との付き合い方だった。

この記事を書いた人

Hidefumi Otsuka