Rolf Movement – Part 1(10)〜総まとめ

2017年10月22日(日)、Part 1の全日程が修了した。7月7日から9日、8月31日から9月3日、10月19日から22日の合計11日間である。

Pierpaola Volpones先生(以下Paola)、Rita Geirola先生(以下Rita)、アシスタントのHervé Baunard先生に加え、10月20日からはGiovanni Felicioni先生(以下Giovanni)もアシスタントという形で参加した。

10日目は、ロルフィングをどのようにして10回としてまとめ上げるのか。クライアントがどのようにして自立していくのか。上半身と下半身の動きを統合させるための、身体の動きの可能性。そうしたことを学ぶことができた。

座位の姿勢で呼吸に意識を向ける。下肢(膝、足裏、股関節)のサポートを受けながら、呼吸の動きに合わせて上肢(肋骨、肩甲骨、背骨)や手首、肩の動作を取り入れる。そうすることで、身体のさまざまな部位から余計な力が抜けていくことを観察できた。ここでも大事なのは、相手とつながり、ゆっくりと丁寧に行うことである。

Paola、Rita、そして同僚のロルファーから、どのようなペースで行うのかを指摘された。自分は意外と速く動作を誘導していることが分かり、ゆっくりと丁寧に行うことの大切さに気づかされた。

2種類の練習をしたのだが、動きが繊細で、普段は身体の意識が向かない部位で動作を行うため、参加者全員の疲労も蓄積していった。急遽、30分間全員で外出し、スマートフォンから離れて散歩してくるようにという指令が出た。10月下旬になると、東京より一足早く紅葉が始まる。景色を楽しむのと同時に、いい気分転換になった。

最終日となる11日目は、3人1組で50分のロルフィングのセッション。ロルファー(施術する側)、クライアント、サポーターの3つの役割を分担し、合計3回行った。失敗を恐れずに、今までしたことのないことを積極的に行うように、というアドバイスもあった。私は座位と立位を使って、身体の動作に意識が向くようなセッションを行なった。

ロルフィングの10回シリーズの手順を見直すところから始まった本トレーニング。振り返ると、大きな気づきが4つあった。

  • 筋肉の動きを意識しやすくするために、呼吸、動き、手によるサポートが有効であること。
  • 脳で行なっている動きと身体で行なっている動きを区別するため、ゆっくりとした動作が大事だということ。
  • ときどき先生からフィードバックをいただくことで、客観的に手技を見つめ直すことができること。
  • 基礎の手順は、ときどき見直してみること。

特に、脳は素早く物事を考えようとする。普段の癖や習慣を改善するためには身体を通じた動きが必要だと考えると、少しの動きで、かつゆっくりとしたペースによって、大きな変化や習慣の改善が認められるというのは、大きな気づきだったと思う。

次回は2018年1月24日から2月4日にかけて行われるPart 2。10日間集中して学び、クライアントとのセッションも入ってくるので、学ぶことが多そうだ。今回学んだことも含めて自分のセッションに取り入れ、実践を通じて向上していきたい。

2026年8月の注記

11日間が終わった時点で、4つの気づきが並べられている。

呼吸、動き、手によるサポートが、筋肉の動きを意識しやすくすること。脳で行なっている動きと身体で行なっている動きを区別するため、ゆっくりとした動作が大事だということ。教師からフィードバックを受けることで、手技を客観的に見つめ直せること。そして、基礎の手順はときどき見直すこと。

11年経って読むと、4つのうち2つが同じことを言っている。

ゆっくり行うことと、基礎を見直すこと。どちらも、速く進まないという話である。

この課程は、そもそも速く進まないように設計されていた。11日間を3回に分けて、7月、9月、10月に置いてある。あいだに2か月と6週間が空く。宿題はそのあいだに自分のセッションで試すことだった。

reference に記録した現行の課程の説明に、その理由が書かれている。3分割にするのは、受講したロルファーが授業での経験を実務に組み込み、そこで生じた問いと洞察を持って教室に戻れるようにするためである。

学ぶ場と使う場のあいだを、意図的に往復させている。

そして、この11日間で繰り返し言われたのが、ゆっくり行うことだった。4日目にPaola先生から、脳で考えると一瞬だが身体の習慣に気づきを与えるには時間がかかる、と言われている。最終日にも、自分が意外と速く動作を誘導していることを指摘された。

課程の設計も、教室での指導も、同じ方向を向いている。速さを落とすことである。

いま思うのは、これが Rolf Movement の性格そのものだということである。

手技であれば、正確に、効率よく行うことに意味がある。Peter Schwind先生の3日間で受け取ったのは、まさにそれだった。どのテストで症状を明確にし、どの筋肉へどう入るか。精度を上げれば結果が出る。

Rolf Movement は違う。相手の脳が新しい選択肢を採用するかどうかが問題で、それは施術者の側の速さでは決まらない。

この記事に書いてある。受ける側に動きを覚えていただくのではなく、身体の動きに選択肢があることを理解していただくのが目的である、と。

覚えさせるなら、正確に速く示せばいい。選択肢を用意するなら、相手が選ぶ時間が要る。

もう一つ、この回に印象的な出来事が記録されている。

練習で全員の疲労が溜まったとき、30分間外に出て、スマートフォンから離れて散歩してくるように、という指令が出た。10月下旬のミュンヘンで、紅葉が始まっていた。

教室の中で解決しようとしていない。

疲労が溜まったのは、普段は意識が向かない部位で動作を行っていたからである。身体の話であって、集中力の話ではない。だから、外へ出す。

9年後のアドバンスト・トレーニングでも、似たことがあった。Ray McCall先生が毎回扱うという足裏のワークで、足裏に目があると仮定して開閉し、歩きながら空間との関係を観察する。教室の外へ出す発想は同じである。

身体を扱う課程が、身体で解決しようとしている。当たり前のようでいて、そうでもないと思う。

Part 1 が終わり、次はPart 2。クライアントへのセッションが入ってくる。

この記事を書いた人

Hidefumi Otsuka