Phase III(2)〜イントロと知識の整理

2015年2月2日より、ロルフィングのPhase IIIのトレーニングが始まった。今回のメンバーは、Phase IIの時の8人(ベルギー人1人、スイス人2人、ドイツ人2人、フランス人1人、日本人1人、アメリカ人1人)と、新たに2人(シンガポール人1人、メキシコ人1人)の合計10人。

先生は、Jörg Ahrend-Löns先生とアシスタントのAndrea Clusen先生の2人のドイツ人。7人の生徒はPhase IIの8週間で一緒だったので気心が知れており、本当にやりやすい。リラックスしてトレーニングに臨めそうだ。

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Phase IIIは、Clinical Application of Rolfing Theoryと呼ばれ、今まで学んだことを実践する場となる。各生徒が2人のクライアントを、そして先生2人はそれぞれ1人のクライアントを受け持つ。4回に分けて、各クライアントを1時間半〜2時間受け持つ。2回は担当しない時間があり、その時はセッションを見学することになる。

2人の先生のセッション、各生徒の担当の2セッション、見学する2セッションの合計6セッションを、1回のセッションで経験し見ることになる。10回のセッションから構成されているので、合計で60回分をこの目で見ることになる。

初日は、これからどのようにトレーニングを進めていくのか?についての紹介があり、午後7時からは、クライアントが実際にロルフィングクラスのオフィスを訪れ、1時間半にわたりinformalな話をすることができた。

前述したように、今回のトレーニングでは、新しい知識を習得することではなく実践に移す側面がある。実際にPhase IとPhase IIから得た知識が多く、完全に消化しきれていないというのが現実だ。そこでPhase IIIでは、知識を関連づけることに焦点が当てられる。

例を挙げる。

Rolfingは10回のセッションから成り立っているが、Phase IIでは各セッションの原理・原則について学び、2人の先生のデモ、生徒同士で施術を行うことで学んでいく。その学び方は、次のセッションは何を行うのかがわからないまま進むといっていい。

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それに対してPhase IIIでは、各セッションで何を行うのか?がある程度わかっている状況だ。そのため、10回のセッションはどう有機的につながっているのか?開始する1回目で全体の10回のセッションを俯瞰しながら、どのように施術の戦略を考えていったらいいのか?といった視点で先生の解説が行われる。

また、各セッションについての復習も行っているが、その際には原理・原則に立ち返り、余計な知識を詰め込むという形ではなく、知識に執着するのではなく、それをあえて手放すことの大切さを学んでいるような印象だ。

トレーニングは8週間続くことになる。本ブログでも、気づいたことを含め書いていきたいと思う。

2026年8月の注記

この回に書かれている構造が、Phase IIIの中身をほぼ決めている。1回のセッション日に、先生2人のセッション、自分が担当する2セッション、見学する2セッション。合計6つを見る。それが10回シリーズ分続くので、60回分になる。8週間で60回のセッションを目にすることになる。

Ida Rolfが最初に作ったカリキュラムは、Auditing(観察者・知覚の段階)とPractitioner(施術者・施術経験の段階)の2つに分かれていた。最初は施術をせず、ひたすら他者を観察する。Sharonから2017年に聞いた話である。この構造は後に組み替えられ、Practitionerの段階がPhase Iから入るようになったが、Phase IIIには観察の比重が残っていた。60回のうち、自分の手が動いているのは20回。残り40回は見ている。

見ることが技術になる、という考え方をIdaはSaturation Method(飽和法)と呼んだ。観察が身体に染み込むまで情報を与え続ける。11年後のアドバンスト・トレーニングで、この方法は基礎トレーニングの根拠として説明されることになる。

もう一つ、この回にはPhase IIとの学び方の違いが書かれている。Phase IIでは、次のセッションで何をするかを知らないまま進んだ。Phase IIIでは、各セッションで何をするかがある程度わかっている状態で、1回目の時点から10回全体を俯瞰し、戦略を考える。

順序が逆になっている。歩いてから地図を見るのがPhase IIで、地図を見てから歩くのがPhase III。同じ10回シリーズを、2度、違う向きから通ることになる。

10年後のアドバンスト・トレーニングは、この先にあった。決まった順序を外し、クライアントの状態から個別に組み立てる。地図そのものを、その場で描く段階である。ただし、描けるのは60回分を見た記憶があるからで、順序を外せるのは、順序を2度通ったあとの話だった。

この回に書かれている「知識に執着するのではなく、あえて手放すことの大切さ」という印象も、同じところを指している。手放せるのは、一度持ったものだけである。

この記事を書いた人

Hidefumi Otsuka