ソースポイントセラピーの体験談〜大阪のTENにて

2015年5月26日と27日、京都と大阪を訪れた。目的は二つ。大阪在住の友人に会うことと、ロルファーの佐藤博紀さん(以下ヒロさん)から施術を受けることだ。ヒロさんは大阪でTEN〜the space for your Life & Bodyを主宰している。

私が最初にロルフィングの施術を受けた伊藤彰典さんに、認定ロルファーを目指す道を示した人でもある。施術と前後の時間を合わせて3時間半近くお会いし、さまざまな情報交換ができた。

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ヒロさんの施術室TENは、講演会のできるスペース、レンタルスペース用のもう一つのベッド、本棚があり、広々としていた。自分もいつかこういうスタジオを持てるといい、と憧れを抱くような空間だった。場そのものにも、いいエネルギーが流れている印象があった。

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正午にTENに到着し、すぐに昼食へ向かって1時間ほど話をした。そこで色々な話を聞くうちに、ロルフィングから派生したソースポイントセラピーを受けてみたいという気持ちになった。90分近く、その施術を受けることになる。以下はその体験談だ。

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ソースポイントセラピーを受けるのは、このときが初めてではなかった。ロルフィングのトレーニングを受ける前、伊藤彰典さんから10回シリーズを受けた後に、一度受けたことがある(伊藤さんから受けたセッションの体験談については「セッションを受け終えて」参照)。

そのときは、施術の結果よりも、ほとんど身体に触れずにワークをするところに興味を持った。その後、世界一周をしながら5か月かけてミュンヘンでロルフィングのトレーニングを受けている(トレーニングの模様については「日本への帰国〜トレーニングの振り返りと今後の活動について」参照)。おそらく、そのぶん理解が進んでいたのだと思う。ヒロさんから受けた施術は、伊藤さんのものとはまったく違う印象だった。

ロルフィングは、Ida Rolf によって開発されたボディワークだ。骨格の位置に関わる結合組織のうち、筋膜に注目して施術を行っていく。筋膜のねじれや骨格の歪みを、本来の位置へ戻していくプロセスといえる。

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ヒロさんのサイトによると、ソースポイントセラピーは、アドバンスト・ロルファーの Bob Schrei と、ヒーラーで瞑想の教師である Donna Thomson によって開発されたエネルギーワークだという。人間のエネルギー場にあるポイントにアプローチし、身体とブループリント(Blueprint=設計図)の情報をつなげていく。

ブループリントには、健康のための情報だけでなく、感情やエネルギーも含まれる。多くの人は、この情報と身体のつながりがどこかで滞っている。そこで施術者がブループリントにアクセスし、滞ったつながりを取り戻す方向へ働きかけていく。

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とはいえ、聞いたばかりで、知ってからまだわずかしか経っていない。言葉にするのは難しい。どのように体験したのかを読んでいただくほうが早いかもしれない。

セッションは、ロルフィングと同じ身体観察から始まった。どこが気になりますかと聞かれたので、左右のバランスが右に偏っていること、首も左に緊張があることを中心に答えた。セッション中には、腹まわりの緊張や、仙骨のほうにも偏りがあることが分かってきた。

次に仰向けになると、ヒロさんは身体へ手をかざし始めた。ソースポイントセラピーでは、ポイントにアクセスすることで身体が必要な情報を得ると考える。そのため、手を通じて情報を集めようとする。面白いのは、手が身体に触れないことだ。触れないほうが情報が入ってくるらしい。これをソースポイントセラピーではスキャンと呼ぶ。

アクセスするポイントにはいくつか種類があるそうだが、私の場合はダイヤモンド・ポイントが使われた。意味はまったく分からなかったが、身体の部位を移りながら、エネルギーの流れが滞っている場所のブロックを解除していく。ブロックの解除でも、身体に手は触れていない。

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やがて身体に変化が起きてきた。片方ずつ勝手に足が動き出し、左足が伸びた感覚が出てきた。右に偏っていた仙骨も、ニュートラルへ向かっていく感覚があった。もう一つは首まわりだ。首も勝手に左右へ動き始めた。

ヒロさんからは、じっくり観察してフォローしないようにと言われていたが、不気味な経験だった。首まわりの筋肉の緊張が解けていくのも、はっきり分かった。すべては覚えていないが、左の太腿と腹まわりの筋膜の緊張をリリースし、仙骨と頭を統合する施術も行っていたと思う。

最後に立って歩いてみると、左側に重心が傾いていて、違和感があった。筋膜にそれほどアプローチしていないのに、ロルフィングの施術を何回か受けた気分になった。インパクトを受けるのに十分な体験だった。

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ソースポイントセラピーを行えるようになるには、ロルフィングと同じく3段階を踏む。合計12日間で終えることができる。ロルファーが開発した手法のため、歴史的にはロルファーを中心に広まったが、ロルファーでなくても受けられる。そして、ありがたいことに日本で学べる。この講習は、2015年10月から2016年3月にかけて、ヒロさんのTENで行われる予定だ。ロルフィングの手法を磨くうえでもあったほうがいいと思ったので、迷うことなく申し込んだ。

ロルフィングの施術はもう少しで始める予定だが、学ぶことも多い。来年の今ごろ、どんな技術をクライアントに提供しているのだろうか。楽しみだ。

2026年8月の注記

この記事は、ロルファーとして認定を受けた直後、施術を始める直前に書いたものだ。読み返すと、そのとき見えていなかったことと、感じてはいたが言葉にできなかったことの二つが残っている。

見えていなかったもの

記事の中で、ソースポイントセラピーをロルフィングから派生した手法として紹介している。ただ、当時の私は、エネルギーワークという領域があること自体をほとんど知らなかった。5か月の基礎トレーニングで、この側面が扱われることはなかったからだ(トレーニングの内容については「ヨーロッパのロルファーとしての認定までの歩みについて〜ヨーロッパ・ロルフィング協会・認定トレーニング」参照)。

これは偶然ではない。ロルフィングの教育に長く関わってきた Jeff Maitland は、エネルギーワークや繊細な技法を最初の段階で教えるべきではないと述べている。明確なタッチ、プレゼンス、落ち着いた在り方が身についた後の、トレーニングの終盤で扱うべきものだ、というのだ。教員のあいだでも扱いには賛否があり、基礎トレーニングでは慎重に避けられてきた。

もっとも、見えていなかっただけで、その人はいた。私がミュンヘンで受けたトレーニングの最終段階で、アシスタント講師を務めていた Andrea Clusen は、2009年からソースポイントセラピーを業務で使っていた。彼女はその後、Sharon Wheeler の技法である ScarWork のインストラクターにもなっている。

私が Sharon の Bone Work を受けるのは翌年の11月で、ソースポイントセラピーと出会うのはこの記事の3か月後だ。二つの系譜を同時に持っている人が、そのどちらにも出会う前の私と同じ部屋にいた。

そして、認定から10年後の2025年、アドバンスト・トレーニングでエネルギーワークが正面から主題になった。講師の一人である Ray McCall は、2007年から Bob Schrei とともにソースポイントセラピーを教えてきた人だった(「Advanced Rolferの認定までの歩みについて【総括】〜認定までの道のり」参照)。

同じ問いに、二つの答えがあった

この記事には、施術の順序が書いてある。まずロルフィングと同じ身体観察から始まり、どこが気になりますかと聞かれた。次に仰向けになり、手をかざしてスキャンが行われ、滞っている場所が探された。

10年後のアドバンスト・トレーニングで、Maitland の3つの問いかけを受け取った。その1番目が Where do you start?、どこから始めるか、である。答えとして示されたのは、安心と安全を感じられる知覚の状態を施術者が持つこと、つまり在り方だった。

ソースポイントセラピーの側にも、同じ問いへの答えがある。Ray McCall は、エネルギー・フィールドを手でスキャンすることで、滞りの位置だけでなく、クライアントの身体がどこから始めてほしいと望んでいるかが分かる、と述べている。その開始点を尊重すると、セッションは一貫してより効果的になるという。

同じ問いに、二つの答えが並んでいる。一方は施術者の状態として、もう一方はフィールドの読み取りとして。この記事の90分は、その両方を続けて受けた記録になっている。身体観察はロルフィングの問いの立て方で、スキャンはソースポイントセラピーの答え方だった。当時はどちらも、順番に起きたこととしか見ていなかった。

言葉にできなかったもの

この記事には、言語化するのは非常に難しい、と書いてある。施術中に身体が勝手に動いたことを、不気味な経験とも書いた。エネルギーワークを説明する言葉を、まだ持っていなかった。

言葉がないまま書いたことは、この時期の記録に共通している。ロルフィングのトレーニングには教科書がなかった。だから自分で書くしかなく、コラムは100本を超えた。書けなかったことのほうが、書く動機になっていた。

そのなかで、一つだけ後に残る言葉が出ている。右に偏っていた仙骨がニュートラルへ向かっていく、という記述だ。この語自体は、既に手元にあった。2009年に受けたコーチングの訓練から来ており、トレーニング中にも心をニュートラルにするという形で書いている。ただしそれまでは、施術に臨む自分の心の状態を指していた。ここでは、受け手として自分の身体に起きたことを指している。同じ語が、心から身体へ移っている。

同じ年の7月、直傳靈氣を学んだときにも、この語を使った。努力しなくてもニュートラルでいられるようになった、という書き方で、今度は施術する側の話に戻っている。そして2025年のアドバンスト・トレーニングでは、ニュートラルが中心の主題として扱われた。手を成形すること、背後の空間を感じること、肚につながること。

いずれも身体の置き方である。制限と可能性のあいだで釣り合いを取り続ける状態として説明された(「「ニュートラル」をどう育むか?」参照)。

心の状態を指す語として受け取り、身体の感覚として体験し、10年後に身体の置き方として渡し直された。言葉のほうが先にあり、中身が後から入れ替わっていった。

この記事を書いた時点で、施術はまだ一件も行っていない。ここから380名のセッションが始まる。

この記事を書いた人

Hidefumi Otsuka