Rolf Movement – Part 3(6)〜クラスはどのように進行するか?フィードバック+クラスの雰囲気

2019年11月27日(水)から12月1日(日)までの5日間(「2019年11月27日〜12月1日(後半):何の宿題が出されているか?+教え方をどうするのか?」参照)、Rolf MovementのPart 3の後半がスタートした。

参加のため、前日の11月26日にミュンヘン入り。

初日の11月27日、Rolf Movement TrainingのPart 3の最後の5日間、その初日を迎え、18人の参加者とともにクラスに臨んだ。

今回は50分間のEmbodimentのプレゼンテーションがメインとなる(Embodimentについては「身体感覚〜Embodimentとは何か?」参照)。3人1組でリーダー1人、サブ2人の役割で発表する。組分けは前半の4日間と同じだ。

初日のクラス開始時に、18人の発表順が紹介された。初日は4人がプレゼンを行った。論理的に一つ一つ積み上げる人、予想できない方向へクラスを誘導する人と、それぞれに個性があり、プレゼンの仕方も多種多様。50分の持ち時間で思う存分に表現されていた。

なんと言っても、今回のトレーニングに共通して言えるのは、心理的に安全な場が整っていることだ。ある程度のチャレンジが許されていることもあり、それが各々のプレゼンに出ていた。

各プレゼンが終わった後はフィードバックの時間。生徒から「どこが良かったのか」「何が気になったのか」「身体的にどのように感じたのか(快、不快)」について、それぞれ正直で率直な意見があり、参考になった。

初日の冒頭で、Rita Geirola先生(以下Rita)から、実践を通じてのみRolf Movementは学ぶことができるのだ、という説明があった。だから一人一人がプレゼンを経験し、失敗を通じたプロセスが学びの糧になるのだと。そのこともあり、Ritaを含めたスタッフの方からのフィードバックによる気づきは大きかった。

どの人たちを対象としてレッスンは行うべきなのか。その際にどの言葉を選ぶのか。一人一人が独自の文化を背景とした言葉の使い方を持っているので、それを教えるプロセスを通じて学んでほしい。これがRitaからのメインのフィードバックだった。

相手を「下手・上手」で判断するのではなく、どのようにしたら改善し、自分の個性を発揮できるのか。France Hatt-Arnold先生(以下France)は、論理的にまとめていくことの大切さをメインに話していた。

ある生徒が座って行うワークを紹介した際に、Franceからこんなアドバイスがあった。座ることは重力を感じること。どこに重さを感じて、どこが動くのか、Phoric Function(「動きではどこに注目するか?〜Phoric FunctionとFixed Point」参照)をどのタイミングで意識させるのか。教える生徒側によってGroundingが得意な人、Space/Orientationが得意な人がいるので、Tonic Function(「身体の動きとTonic Functionをどう関連づけるか?」参照)を伝える際には選択肢を持って伝えたほうがいい、と。

ヨガのクラスを伝える際に、「動き」をどう言語化して分かりやすく伝えるのか。そしてロルフィング・セッションに動きを取り入れる際に、どう言葉で伝えるのか。18人という多数の生徒に向かって教える経験は、学ぶことが多い。私のプレゼンは2日目の最後になる予定なので、楽しみにしていたい。

5日間のうち、土曜日まで18人のクラスを受けた後、日曜日の12月1日に認定と個人面談が行われる。最後まで良い緊張感を持ちつつ、クラスに臨んでいきたい。

2026年8月の注記

Ritaがこの回で言っていることは、ほとんど一点に絞られている。誰に向けて教えるのか。そのときにどの言葉を選ぶのか。一人一人が自分の文化を背景とした言葉の使い方を持っているのだから、それを教える過程そのものを通して学んでほしい。

カスタマイズという語で考えると、この十一年で主語が動いてきたことが分かる。

2015年3月、Phase IIIで多様性を扱った回に、施術者は熟達するほどカスタマイズするようになる、という話が出てくる。カスタマイズするのは術者だった。同じ時期のRISIの資料には、クライアントごとの方針を組み立てる、という書き方がある。カスタマイズされる先はクライアントの個別性だった。2025年のアドバンスト・トレーニングでは、その組み立て自体が手続きになる。期待を立て、足りない原理を見つけ、分類を使って設計する。カスタマイズは設計の手順になった。

Ritaが言っているのは、そのどれとも違う。相手はクライアントではなく、教わっている側の人間である。同じ内容を渡すのに、目の前の人が誰かによって言葉を変えろ、ということだ。手技の話ではなく、言葉の話になっている。

Phase IIIで書いたときには、カスタマイズは施術の中の話だった。四年半後、それが教える場の中の話になった。置き換わったのではなく、層が一つ増えている。

この回には、もうひとつ見えるものがある。

RitaとFranceが、同じ生徒の同じプレゼンに対して、違う方向の言葉を返している。Ritaは、誰に向けて教えるのかを問う。Franceは、論理的に組み立てること、締めるところは締めることを言う。座って行うワークを紹介した生徒に対して、Franceが返したのは、座ることは重力を感じることだ、どこに重さを感じてどこが動くのか、という構造の側からの指摘だった。

二人ともHubert Godardに学んでいる。同じ理論を背景に持ちながら、返す言葉の向きが違う。相手の側から見るのがRitaで、構造の側から見るのがFranceだった。

そして、Franceのその指摘の中に、生徒によってGroundingが得意な人とSpace/Orientationが得意な人がいる、という一言が入っている。教える相手によって伝え方を変えろ、という点では、Ritaと同じことを言っている。入口が逆なだけで、行き着く先は重なっていた。

この記事を書いた人

Hidefumi Otsuka