【R#239】「内臓の動き」を整えていく上で「腸腰筋」が大事な理由とは?〜5回目のセッション

はじめに

みなさん、こんにちは!
東京・渋谷(恵比寿)でロルフィング・セッションと栄養・タロットカウンセリングを提供している大塚英文です。

中心軸を整えるとは〜自分軸で判断する力を養う

私は、2015年6月から渋谷・恵比寿・代官山にて、ロルフィング・セッションを提供している。

ロルフィングとは、
1〜2週間に1回、手技を使って、毎回テーマに沿って施術を行う方法の一つ。

身体を整えながら「身体感覚」を磨くことができるので、
身体の不調(肩こり、腰痛)も改善する。

ロルフィングの
1回目では、呼吸を整えること、
2回目では、足裏を整えること、
3回目では、前後のバランスを整えること、
身体感覚を磨くことで、心や世の中に対しての見方が変化していく。

いずれも表層の目の見える筋肉を扱うということだ。

興味深いのは、4回目〜7回目までのセッション。
(身体の内側にある)中心軸を扱うので、目の見えない深層の筋肉を扱う。

そして、私自身
中心軸を整えることで
「「身体感覚」を通じて、自分で物事を判断できる判断軸を身につけること」
ができると考えている。

中心軸を整える手順〜下半身から上半身へ

4〜7回のセッションでは、以下のような手順で整えていく。

jintaizu_中心軸

4回目で、下半身(内転筋〜骨盤底付近)
5回目で、上半身の背骨の前側(腸腰筋、内臓、横隔膜)
6回目で、上半身の背骨の後側(脛、臀筋群、仙骨、背骨)
7回目で、上半身の肩と首全体

図にするとこんな感じになるだろうか。

jintaizu_中心軸_セッション7

前回、4回目のセッションをまとめたので、今回は5回目のセッションを扱いたい。

5回目〜背骨の前側〜「内臓」の動きと「腸腰筋」

4回目は「内転筋」と「骨盤底」の意識を高めるためのセッションだったのに対し、
5回目は、内転筋、骨盤底を経由して、主に身体の前側の施術を行い、上半身を調えていく。
参考に、6回目は、身体の後側の施術を行い、下半身を調える。

腸腰筋(大腰筋と腸骨筋、小腰筋を含めることもある)は、下半身と上半身を結ぶ唯一の筋肉。上の解剖図が示しているように、背骨の前側に筋肉が着いて(付着して)いる

背骨(腰椎)の前側から骨盤を経由して、足(大腿骨の小転子)まで伸びる筋肉であり、姿勢を維持する上でも大事だ。

位置的には、身体の「重心」「丹田」の近くにある。

腸腰筋は「腸」と「腰」の筋肉と書かれるように、腸と密接な関係がある。
例えば、腸の中で便が最も詰まりやすいのは、直腸につながる最後の曲がり角にあるS字結腸。
S字結腸は腸腰筋のすぐ内側に存在。腸腰筋が硬くなると、便秘の原因となる。

腸だけではなく他の内臓との関係も面白い。

通常、腸、腎臓、肝臓、脾臓、膵臓、膀胱、胃、生殖器等は、呼吸と共に、動いていることが、健康の秘訣と言われている。

横隔膜が動くと、肝臓、胃が下記のように矢印の方向で動く。

Movement of organs in breathing

実は、腸腰筋の周辺には、内臓があり、横隔膜とコラボして、内臓に対してマッサージ効果を与える。

結果として、内臓が動かしやすい環境を整えてくれるのだ。

そして、腸腰筋には、大動脈や神経系の通り道であり、循環や神経の通りを良くする。

このように様々な役目があるが、残念なことに奥になる筋肉なので、自分で触ることが難しい。このため、自ら意識して、動きを整えることを行う必要がある。

腸腰筋は、大腰筋と腸骨筋の2つからなるが、股関節を曲げる(屈曲)、伸ばす(伸展)動作に関わっており、太ももを上げる際に働く筋肉として知られている。

大腰筋が弱っていると「歩き」「走り」への影響が強くなり、つまづきやすくなる。

更に腹筋との関係で、腸腰筋を弱くする可能性が指摘されている。

実は、腹筋の鍛えすぎは、問題があるのだ。

なぜか?以下にまとめていきたい。

腹筋の鍛えすぎは問題〜「内臓」が動きにくくなる

というのも、腸腰筋、特に大腰筋が働くためには、腹筋(特に腹直筋)とのバランスが重要になるからだ。

ヨガ、ピラティス、筋トレなど、体幹が重要!ぜひ鍛えましょうと言われているが・・・。

身体をかっこよく見せるために、腹筋(腹直筋)を鍛える人が多く見受けられる。
が、、、これが大腰筋を働きにくくする。

というのも、
1)肋骨の下と骨盤を結び筋肉である腹筋(特に腹直筋)が強くなりすぎる。
2)腹筋を囲む内側の内臓は動きたいのだが、空間が狭いため動きにくくなる
3)内臓が動きにくくなると、その内側にある大腰筋を圧迫。
4)大腰筋が動きにくい、身体になっていく
という順番で、大腰筋が動きにくくなるからだ。

腸腰筋〜「恐れ」の筋肉?〜チャクラとの関係

「腸腰筋」は、呼吸に関わる「横隔膜」に繋がっているが、ここは「太陽神経叢」として知られている位置。

太陽神経叢(マニプラチャクラ)は、全身をめぐる生命エネルギーの流れを整える役目がある。自律神経系を整え、第二の脳、腸脳相関との関係もあると言われ・・・。

太陽神経叢の役割のキーワードとして、信頼、おそれ、脅迫、自尊心。自分を大切にすることや、自己責任など、自分で判断していくためにも重要なチャクラ。

「怒り」や「恐れ」が強くなるようなトラウマ経験があると、ここが動きにくい傾向がある。
実際に、トラウマを持っている方は、腸腰筋が働かないケースが多い。

腸腰筋と横隔膜〜副交感神経との関係

腸腰筋と横隔膜は、副交感神経との関係がある。
2つの筋肉も背骨の前側についている。

背骨の前側に筋肉が着いているところがポイント。

他にも、下記の図のように、心臓を支える筋肉が背骨も前側に着いている。

横隔膜近辺の筋膜

これかが一斉に緩むと、自律神経系の中で副交感神経を優位にさせる。ロルフィングで5回目を行うと、リラックスして、寝落ちするクライアントがいるが、このような、筋肉の深層部を刺激するのが大きいのではないかと思う。

5回目〜実際に行うことは?

5回目で行うことは「腸腰筋」が動かしやすい状態にするため、周辺の筋肉を緩めていく。「腸腰筋」の動くスペース(空間)を確保した上で、「腸腰筋」が動けるよう環境を整える。

驚くべきことに、これを心がけると、自ずと「腸腰筋」が動けるようになるのだ。

アプローチの仕方は、深層筋へのアプローチと共通するところがあり、

深層に対して、適切な刺激を与えると、「身体は「ここだ!」と思う場所に、自ずと選んで向かう」

施術者はニュートラルになり、そのガイド役に徹することが施術者の役目だと思っている。

まとめ

今回は、ロルフィングの5回目以降、身体の腸腰筋にアプローチすることで、身体内でどういった変化が起きるのか?心への影響を含め紹介した。

6回目でセッションで何を行うのか?取り上げたい。

少しでもこの投稿が役立つことを願っています。

この記事を書いた人

Hidefumi Otsuka