【R#247】古い「姿勢」から新しい「姿勢」に変化した時に身体はどう変化していくか?〜身体内の対話

はじめに

みなさん、こんにちは!
東京・渋谷でロルフィング・セッションと栄養・タロットカウンセリングを提供している大塚英文です。

自分の「姿勢」の答えは自分の中にある

私は、2015年6月から渋谷・恵比寿・代官山にて、ロルフィング・セッションを提供している。

ロルフィングとは、
1〜2週間に1回、手技を使って、毎回テーマに沿って施術を行う方法の一つ。

10回セッションからなっており、
1回目〜3回目までは、表層の筋肉を扱い、
1回目では、呼吸を整えること、
2回目では、足裏を整えること、
3回目では、前後のバランスを整えること、
で、いずれも身体感覚を呼び起こし、心や世の中に対しての見方を徐々に変化させていく。

4回目〜7回目までのセッションでは、深層の筋肉を扱う。
(身体の内側にある)中心軸にアプローチするからだ。

手順は、
4回目で、下半身(内転筋〜骨盤底付近)を整えること
5回目で、上半身の背骨の前側(腸腰筋、内臓、横隔膜)を整えること
6回目で、上半身の背骨の後側(脛、臀筋群、仙骨、背骨)を整えること
7回目で、上半身の肩と首全体を整えること
になっている。

8回目以降は、今まで整えた身体を統合させていく。

10回で整えていくことに特徴があり、最終的に自立を促すところ、他の「整体」や「マッサージ」
とは違うところだと思う。

セッションを提供しているときに
「これは正しい姿勢ですか?」
「楽になったんだけど、この姿勢を維持するために何をすればいいのでしょうか?」
と聞かれることがある。

それに対し、私は

人は「正しい」「間違い」で物事を捉えるが、自分にとって正しくても、
クライアントさんにとって正しいとは限らない。

を念頭において、セッションに臨んでいる。

なぜならば・・・
姿勢は、その人の置かれている文化、育った環境によって決まり、
他人に教えてもらうよりも、自分で答えを見つけていくことが大事だからだ。

そのため、

施術者の考え方や解釈を伝えるのではなく、クライアントさんにスペースを与え、
相手に考える時間を作り、相手と付き添うようなセッション

になる。

「正しい」「間違い」より「古い」「新しい」

ロルフィングに限らず、

姿勢には
「あたかも正解があるかのように、正しい「姿勢」に整えていくことが大事」
と思いがち。

あるいは、
「完璧に行わなければ、間違いを犯しているのではないか・・・」
と考えがち。

しかしながら
姿勢には、正しい・間違い、があるわけではなく、ご本人で試行錯誤を繰り返しながら
自分にとって負担の少ない姿勢を自ずとみつけていくこと
が大切となる。

施術者にとって「正解」があったとしても、クライアントさんにとって「正解」とは限らない。
それぞれの基準で正しいと判断しているに過ぎず、一人一人の身体の構造、歩き方、立ち方、座り方
が独特で、違うのだ。

「古い」と「新しい」の対話でわかること

ロルフィングでは、
施術する前にクライアントさんが持っていた古いパターン(old pattern、古い動きの習慣)

施術後の新しいパターン(new pattern、施術の結果として生まれた新しい動きの習慣)
という言葉を頻繁に使う。

ここで注意して頂きたいのは、古いパターンや新しいパターンがあるだけで、
正しい・間違いのパターンではないこと。
どちらかというと、選択肢が増えたというイメージで捉えていただくとわかりやすい。

実は、セッションが終わった後、
古いパターンと新しいパターンとの間で、クライアントさんが身体内で対話を始める。
トレーニングでは、Negotiation(交渉)やRe-negotation(再交渉)の余地がある
もしくは
プロセスが進む
と語られることが多い。

表層のセッション(1〜3回)よりも深層(4〜7回)の方が、変化が感情に現れやすい。
ポイントは、施術者が如何にして、新しい変化を受け入れる環境を整えるか?
だと思う。

古いパターンは、過去の教育で決まる

考えてみると、
身体は、自分一人で、今のパターンになったわけではない。
1)親の躾
2)学校の教育
3)社会に出てからの社会人としての心構え
等を通じて、姿勢が出来上がっていく。

古いパターンを表層・深層から少しずつ変えていくというのは、想像以上の変化だ。
そして、古いパターンの中に本人に感じていない心的外傷(トラウマ)もあるかもしれないのだ。

人間は想像以上に保守的な生き物だ。
どのように古いパターンから新しいパターンへとシフトしていくのか?
ロルフィングの醍醐味は、そのプロセスを自分で体感できるところだと思っている。

まとめ

今回は、セッションにおいて、
施術者は姿勢をどのように見ているのか?
変化を中心にまとめさせていただいた。

大事になるのは、身体には多様性があり、どのように違った考えを受け入れるか?
施術者が、ニュートラルなマインドを持つかどうか、も大切になる。

少しでも、この投稿が参考になれば幸いです。

この記事を書いた人

Hidefumi Otsuka