2017年7月8日。Rolf MovementのTrainingも2日目を迎えた。
Rolf Movementのカルキュラムについては、前回書いた(「どのようなカルキュラムで進んでいくのか?」参照)。
初日にセッション1、2日目はセッション2の基本的な考え方の復習とMovementの観点からのどの点留意する必要があるのか?について取り上げた。
例えば、
1)動きを通じてどのように身体で体感(Embodiment)するのか?
2)身体の構造(Structure)から見てどのようにアプローチしたらいいのか?
3)身体の機能・動き(Function)から見てどのようにアプローチしたらいいのか?
の視点から各回のセッションについてディスカッション形式で進行。大きな画用紙にペンで要点を記していった。そして、基礎トレーニングと同じように自分自身での体感のセッションも含めて進んでいった。
Pierpaola Verpones先生(以下Paola)は、複雑になりがちなロルフィングの考えを分かりやすく説明していただけるので助かる。Rolf Movementには、動きについて身体とは重力との関係性から考えていく。度々本コラムで触れているように、Hubert Godardの考えをベースになっている。
まず、Movementには、4つの構造的なアプローチがある。
1)Physical(身体にどのように変化しているのか?)
2)Coordination(身体がどのようにして共同で動くか?)、
3)Perception(世の中をどのようにみるのか?)
4)Meaning(どのように世の中に対して意味付けを行うのか?)
(詳細は「身体と心(3)〜Tonic Function(2)」にも書いたので参考にしていただきたい)
一方でロルフィングには、空間について独特の考えがある。それは、身体内にスペース(空間、articulation)があることに意識を向ける(英語でevoke)ことで、余計な筋肉の力が抜けていくという視点だ(「力を抜くこと(2)」参照)。
そして、
「4つのArticulation=空間=スペースをどのようにバランスを整えるのか?」
を重視する。
4つとは、
1)Upper Body/Lower Body(上肢/下肢)
2)Front/Back(前面/後面)
3)Left/Right(左側/右側)
4)Inside/Outside(内側/外側)
である。下記に簡単な図を示す。
Rolf Movementを知る上で、
「身体に対してどのように触れていったらいいのか?」
を理解すると手技の応用が効くようになる。
Paolaによると、身体に触れるタッチには
1)Containing touch(身体の部位を容器としてイメージ、アプローチする)
2)Orienting touch(身体の2方向性(2方向性(Palantonicity)」参照)を意識した上でアプローチする)
3)Give support(身体をサポートするようにアプローチする)
3つある。
このタッチについては様々、Sensing(どのように身体を使って知覚するのか?)と捉えることができたが、そのことえ、身体の内部意識が高まっていくということが実感できた。
これらのツールを使った上で、「どのように身体で感じることを言語化するか?」も取り上げた。
・どのようにロルファーにとって必要な情報を「受動的」に聞くのか(Active Listening)?
・単純にいいえ・はいという質問ではなく、オープン・クエスチョン(Open Question)を混ぜながら身体の状態を聞いてみる
・指導しながら言語を使う(Instruct)と導くように言葉を使う(Educate)の違いを知る
等、コーチング的な要素も入っているところが興味深い。。
これらのツールを使うことで、初めて脳の身体地図が書き換えられ、新たな選択肢が身体の動きが生まれていくのだ。セッション1は呼吸、セッション2は足の土台を築くということなので、それぞれの対象となる身体の部位へのアプローチを自分の身体内で感じるエクササイズ(Embodiment)、手技による触れ方、話の聞き方を中心にトレーニングは進んでいった。
興味深かったのは、イメージを使うことでよりセッションに多様性を生み出すことができることだ。
例えば、
パペットの糸から身体が吊るされ、身体上部への意識を高めるのと、糸が切れて身体が下部へと意識が高まるのとでは、内転筋、外転筋の使い方の違いがわかる
また、筋膜へのアプローチを取らなくても、身体のゆっくりとした動きや手を当てることによって、身体の空間が広がっていくという意識が高まっていく。
2日目を終えた時点で、様々な情報が入ってくるので咀嚼するのに時間がかかりそうだが、役立ちそうな内容なので、東京に戻る明後日以降早速取り入れたい。