
ロルフィング
身体の構造を段階的に整える、10回完結のレシピ
TEN SERIES
身体を、順序立てて全体から整える
ロルフィングの基本は、アイダ・ロルフが体系化した「10回シリーズ(Ten Series)」です。表層から深層へ、そして全体の統合へと、3つのフェーズで身体構造を段階的に再編成していきます。
10 SESSIONS
10回でひとつの体系
毎回のテーマを積み重ねながら、部分ではなく身体全体を扱います。
3 PHASES
表層・深層・統合
準備から中心軸、全身のつながりへと段階的に進みます。
1 PROCESS
変化を身体になじませる
各回の間に日常での変化を感じながら、次のテーマへ進みます。
3 PHASES
10回を貫く、3つのフェーズ
表面をゆるめ、中心を整え、最後に全身をひとつの動きへ統合していきます。
表層 / Sleeve
呼吸・脚・身体の側面。表層の筋膜を解き、自由な呼吸と安定した土台を整えます。
- 01 呼吸を整える
- 02 足裏を整える
- 03 前後のバランスを整える
深層 / Core
骨盤底から頭まで、身体の中心軸へ。内側の支えと上下のつながりを育てます。
- 04 表層から深層へ
- 05 内臓と腸腰筋
- 06 仙骨と骨盤
- 07 首と肩を整える
統合 / Integration
全身のつながりを統合し、変化した身体を日常の動きとして定着させていきます。
- 08 肩帯・骨盤帯
- 09 連動性
- 10 統合

FROM PARTS TO WHOLE
部分を直すのではなく、全体を再編成する
10回シリーズでは、毎回ひとつの部位だけを完成させるのではありません。前回までの変化を引き継ぎ、身体の各部分が重力の中で協調できるよう、全体の関係性を少しずつ整えていきます。
目指すのは姿勢を固定することではなく、楽に動ける選択肢が増えている身体です。
10 SESSIONS
各セッションのテーマ
10回を貫く3つのフェーズに沿って、毎回のテーマを積み重ねながら身体全体の関係を整えていきます。
1–3
表層 / Sleeve
呼吸・足裏・身体の前後を扱い、自由に動くための土台を整えます。

01
PHASE 01 / SLEEVE
01 呼吸を整える
肋骨まわり・肩甲帯・骨盤帯にアプローチし、身体の緊張を解放します。自然で楽な呼吸を実感できる状態を目指します。

02
PHASE 01 / SLEEVE
02 足裏を整える
足首、足指、膝、下腿、大腿などの緊張を解放します。左右・内外のバランスを整え、安定した足裏の土台を育てます。

03
PHASE 01 / SLEEVE
03 前後のバランスを整える
肩甲帯を胴体の側面から扱い、上半身の前後と広がりを感じやすくします。第1・2回をつなぎ、深層セッションへの準備を整えます。
4–7
深層 / Core
骨盤底から頭まで、身体の内側にある支えと中心軸を育てます。

04
PHASE 02 / CORE
04 表層から深層へ
下腿・大腿内側の内転筋と、それにつながる骨盤底へアプローチします。足が骨盤から自由になる感覚を育て、深層への入り口を整えます。

05
PHASE 02 / CORE
05 内臓と腸腰筋
脊柱前部に位置し、上半身と下半身をつなぐ腸腰筋と腹部のスペースを扱います。足から横隔膜へのつながりを感じやすくします。

06
PHASE 02 / CORE
06 仙骨と骨盤
腰椎と仙骨に関わる筋肉群へ働きかけ、仙骨と骨盤のバランスを整えます。背筋を無理なく保てる状態を目指します。

07
PHASE 02 / CORE
07 首と肩を整える
第4〜6回で整えた土台の上で、首・肩・頭部を解放します。頭が自然に上方向へ伸び、中央軸が整う感覚を育てます。
8–10
統合 / Integration
肩帯と骨盤帯の連動を高め、変化を全身の動きへ統合します。

08
PHASE 03 / INTEGRATION
08 肩帯・骨盤帯
肩甲帯と骨盤帯という2つの帯(ガードル)へアプローチし、上半身と下半身が連動して動けるように整えます。

09
PHASE 03 / INTEGRATION
09 連動性
これまでの変化を踏まえ、肩甲帯と骨盤帯のつながりをさらに深めます。全身の動きが滑らかに協調する状態を目指します。

10
PHASE 03 / INTEGRATION
10 統合
10回を通して得た感覚と学びを統合します。全身のつながりを意識しながら、変化を日常の動きへなじませていきます。
SESSION FLOW
1回のセッションの流れ
毎回のセッションはカウンセリングから始まります。着替えは無料で貸し出しています。
01
カウンセリング体調や目的を確認
02
着替え動きやすい服装へ
03
姿勢確認・施術今の身体に合わせて進行
04
着替え・振り返り変化を確認して終了

STEP 01
カウンセリング
セッションルームへ入室後、まず問診を行います。初回は10〜30分程度、2回目以降は5〜10分程度です。必要に応じて対話の時間を長めに設ける場合があります。

STEP 02
着替え
Tシャツ、半ズボンなど、締め付けの少ない服装に着替えます。ご用意がない場合は、セッション用の着替えを無料で貸し出しています。

STEP 03
姿勢・動作の確認と施術
立位姿勢や歩行、軽い動作などを確認した後、マッサージテーブルで施術を行います。姿勢は各回のテーマや身体の状態に応じてご案内します。
SESSION ROOM
施術ルーム
東京・渋谷の落ち着いた空間で、身体の変化に向き合う時間をご用意しています。

セッションルーム 1
施術用ベッド、ミラー、ウォーターサーバーを備えています。

セッションルーム 2
落ち着いた空間で、身体の変化に集中していただけます。

着替えスペース
セッション前後に利用できる着替えスペースを用意しています。

備品・サポート用品
施術用ブランケット、ボルスター、ブロックを用意しています。

クリスタルファウンテン
2つの部屋にクリスタルファウンテンを設置しています。

レンタルスペース
施術ルームやキッチンはレンタルにも対応しています。詳細はお問い合わせください。
PRACTICAL GUIDE
受講の流れ・期間・費用
まず体験セッションで状態と希望を確認し、その後の進め方をご相談します。10回は身体の変化に合わせ、無理のない間隔で進めます。
| メニュー | 日本語 | English |
|---|---|---|
| 体験セッション | ¥10,000 | ¥15,000 |
| 1回 | ¥18,000 | ¥23,000 |
| 10回シリーズ | ¥160,000 | ¥210,000 |
| 5回シリーズ | ¥82,000 | ¥107,000 |
体験は1時間半(コンサルテーション30分+施術60分)。料金は各回払い。現金・カードをご利用いただけます。
FAQ
よくあるご質問
Q. 1回のセッション時間はどれくらいですか?
施術に60〜75分、お着替えとコンサルテーションを含めて1時間半を目安にお考えください。所要時間はクライアントによって多少前後します。
Q. 10回シリーズでは何をするのですか?
10回シリーズは、呼吸と身体の表層から始まり、脚部・体側・背面・骨盤底といった深層へと進み、最後の3回で全身の統合へ向かう構成になっています。各回にテーマがあり、前回の変化を土台に次の層へ進みます。単発で完結する施術ではなく、順序そのものに意味があるプログラムです。
Q. どのくらいのペースで受ければ良いでしょうか?
各セッションの間隔は1〜2週間が目安ですが、1ヶ月空けているクライアントもいらっしゃいます。身体の変化が馴染むまでに、それだけの時間が必要だからです。
Q. どのような服装でセッションを受けたら良いでしょうか?
Tシャツと半ズボンなど、締め付けのない素材の着替えをご持参ください。レンタルの着替え(女性用6点、男性用2点)もご用意していますので、ご利用いただけます。
Q. お試しで受けることは可能ですか?
体験セッションを1回承ることが可能です。料金は10,000円、所要時間はコンサルテーション30分と施術60分の合計1時間半をご想定ください。
Q. 最初に10回分の料金を払う必要はありますか?
1回ごとのお支払いで問題ありません。1回のセッション代は18,000円、10回一括払いの場合は160,000円(20,000円割引)、5回一括払いの場合は82,000円(8,000円割引)です。
Q. セッション後に気をつけることはありますか?
当日は激しい運動を避け、水分を多めに取り、身体の変化を感じる時間を持つことをおすすめします。数日かけて感覚が整っていくことが多いため、直後の状態だけで判断しないことが大切です。
Q. 10回を終えたあとはどうなりますか?
シリーズ終了後は数ヶ月ほど間隔を空け、身体が新しい構造に馴染むのを待つのが一般的です。その後、必要に応じて単発セッションやロルフ・ムーブメントで整えていく方が多くいらっしゃいます。
お支払い方法など、サービス共通のご質問は Start Here をご覧ください。
背景と詳しい解説
この解説の目次

はじめに
「ロルフィングはなぜ10回なのか」「各回で何が行われるのか」「受けるとどう変わるのか」
このページでは、10回セッションの全体像をまとめている。各回の詳細記事へのリンクも整理しているので、気になる回から読み始めることができる。
用語で引っかかったときは、こちらに戻ってきてほしい。
なぜ10回なのか
ロルフィングは1〜2回で終わりにはならない。
身体の変化には順序がある。表層の筋膜が解放されないと、深層にはアプローチできない。深層の構造が整わないと、全体の統合は起きない。この順序を経ることで、変化が身体に定着し、セッションが終わった後も変容が続く。
なお、10回という数がどこから来たのかについては、はっきりしないところがある。もともとは7回で一区切りだった。その経緯は、このページの最後にまとめた。
3つのフェーズ
10回は3つのフェーズに分かれる。
第1フェーズ(1〜3回目)は表層の解放。身体の外側を覆う層に触れ、深層へ入るための土台を作る。
第2フェーズ(4〜7回目)は深層の統合。骨盤底、腸腰筋、仙骨、首。身体の芯にあたる部位を扱い、中心軸を通していく。
第3フェーズ(8〜10回目)は全体の統合。部位を扱う視点から、身体全体が有機的に動くための視点へ切り替わる。
空間軸という見方
各回には空間軸というテーマがある。身体感覚の統合(Embodiment)という観点からみると、各セッションは身体の異なる空間軸を扱っている。
1〜2回目は上下。上半身(呼吸)と下半身(足)を整え、身体の縦軸の土台を作る。足は左右に2つあるので、2回目から左右という軸も入ってくる。
3回目は前後。背骨と前後のバランスが変わり、身体が立体として捉えられるようになる。
4回目からは中心軸。骨盤底、腸腰筋、仙骨という身体の芯に入っていく。
上下、前後、中心軸。この順序が10回の骨格になる。
そしてもう一つ、上半身を扱う回と下半身を扱う回が交互に組まれている。上の系列は1、3、5、7回目。下の系列は2、4、6回目。上を緩め、下を整え、また上へ戻る。この往復を繰り返しながら、少しずつ深い層へ降りていく。
呼吸と歩行という2つの動き
10回を貫いている線がもう一つある。
呼吸と歩行は、誰もが一日中繰り返している2つの動きだ。だからセッションの冒頭で、この2つを観る。すべての身体に当てはまる手順を作るなら、すべての人が行っている動きから観るしかない。
1回目で呼吸を扱い、2回目で歩行の土台を扱う。3回目で両者が出会い、5回目でより深い層で出会い、10回目で一つの流れになる。別々に整えられていた2つが、10回をかけて一つの身体の動きになっていく。
セッションはどのように進むか
セッションは、まず話を聞くところから始まる。何を聞いているのかは、別にまとめている。
各セッションは「観察→介入→再観察」という流れで進む。
冒頭で、クライアントの立ち方・歩き方・呼吸のパターンを観察する。ロルフィングではこれをBody Readingと呼ぶ。どこが過度に緊張しているか、重力の軸からどうずれているか。身体を読むところからセッションが始まる。
次に筋膜へのアプローチを行い、セッション後にもう一度、立ち方や動きを確認する。変化を施術者だけでなくクライアント自身が感じることで、身体への気づきが育つ。この気づきの積み重ねが、セッション後の変化を持続させる。
アドバンスト・トレーニングで講師のRay McCallと田畑浩良さんが繰り返し強調したのは、ロルフィングで最も重要なのは技術ではないということだった。クライアントの身体が何を必要としているかを聴く知覚力と、在り方(Being)のほうが先に来る。
変化は、起こすものではなく起きる
セッションで起きていることを、施術者が何かをして、クライアントが何かをされる、という形では捉えていない。
触れられているうちに呼吸が深くなる。条件が整うと筋肉が自ずと動きはじめる。仙骨は、動き出したところで手を離す。する側にも、される側にも属さない出来事が起きている。
古代ギリシャ語には、この種の出来事を表す態があった。中動態と呼ばれる。ロルファーがすることは、変化を起こすことではなく、変化が起こりうる場を保つことになる。
制限は、直すべきものではない
呼吸が浅い、足裏が硬い、頭が前に出ている、腸腰筋が縮んでいる。こうした状態を、欠陥として扱わない。
理由なく硬くなる筋肉はない。固めることで支えていたもの、守っていたものが必ずある。制限と可能性は対で存在する。いま制限になっているものは、かつてその身体が選べる範囲での最善だった。
だからセッションですることは、悪い癖を取り除くことではない。その支え方が要らなくなったことを、身体が受け取れる条件を作ることになる。
何をもって、整ったとするか
肩こりが軽くなったか、姿勢が良く見えるか。それ自体は判定の基準にしていない。
セッションの終わりに見ているのは、身体が重力とよりよい関係にあるかどうかだ。重力が負担ではなく、資源として働いているか。症状や体感の変化は、その関係が変わった結果として現れる。
マッサージや整体との違いはここにある。症状を取り除くのではなく、身体が本来の働きを取り戻す構造を作る。ロルフィングは技法によってではなく、この目的によって定義されている。
第1フェーズ(1〜3回目):表層の解放
1回目:呼吸を整える──上半身の表層
呼吸は全身の筋膜と連動している。胸郭・肋間・横隔膜の表層筋膜に触れると、全身の緊張パターンが緩みはじめる。胸まわりが広がり、仰向けで背中が床に触れる面積が増える。肩の力の抜きどころが分かる。呼吸はまた、自分の内側を感じ取る入口にもなる。
2回目:足を整える──下半身の表層
足裏の緊張は、筋膜を通じて腰・肩・首まで連なる。足が床からの情報を受け取れる状態に戻ると、接地の仕方が変わる。足裏が床に触れている面積が増え、歩幅や着地の音が変わる。腰や肩の緊張が、足元からの変化として抜けていく。
3回目:前後のバランスを整える──側面と背骨
肩・腕・背骨・腿の側面に触れ、平面で捉えていた身体が立体として感じられるようになる。背骨のS字カーブが働きを取り戻し、腰への負担が軽くなる。「身長が伸びた感じがする」という体感がよく報告される回だ。
第2フェーズ(4〜7回目):深層の統合
4回目:表層から深層へ──床との接触面から中心へ
足の裏と坐骨から、内転筋を通って骨盤底へ意識が届く。骨盤の底に床があるような感覚が生まれ、呼吸が骨盤まで届く。「自分の居場所」が定まったような感覚が出てくる、内的な変化の大きい回だ。
5回目:内臓と腸腰筋を整える──背骨の前側
背骨の前側に入る。腸腰筋は背骨と脚を直接つなぐ筋肉で、内臓の動きとも深く関わる。腹の奥から力が出る感覚が戻り、歩くのが楽になる。呼吸と歩行が、深い層で出会う回でもある。
6回目:仙骨と骨盤を整える──身体の真ん中
身体の真ん中が呼吸とともに動きはじめる。座ったときに坐骨で支えられる感覚が出て、腰の奥の詰まりが軽くなる。立ち方や歩き方だけでなく、人との距離の取り方まで変わることがある。10回の中で、触れる力がいちばん小さい回でもある。
7回目:首と肩を整える──内耳感覚
下からの支えが通ってくると、頭は自ずと背骨の真上に乗る。視野が広がる、声が変わる、呼吸がさらに深くなる、顎まわりの力が抜ける。深層のフェーズと上の系列が、ここで同時に閉じる。
なお、アイダ・ロルフは7回目を10回シリーズの中心として説明していた。1回目から6回目までは7回目のための準備であり、7回目で行ったことを8回目から10回目で統合していく、という見方だ。フェーズとして見るか、中心として見るか。どちらの見方も成り立つ。
第3フェーズ(8〜10回目):全体の統合
このフェーズを貫くのは3つの問いだ。クロージングに向けて何をすべきか。これまで学んだことは何か。今後どういった方向へ進むのか。技術的な問いではなく、クライアント自身への問いでもある。
8回目と9回目には、対になる主題がある。8回目は、在ること、存在、構造、静止、安定。9回目は、流れ、為すこと、機能、動き、統合。まず動かずに支えられる状態を作り、その上で動きながら保てる状態へ移る。
8回目:肩帯と骨盤帯──2つのGirdle
2つの帯(Girdle)は、それぞれ上肢と下肢の動きの基礎になり、互いに連動している。首こりが軽くなり、胸まわりが自由になる。腕と脚が、胴体から動かせるようになる。
9回目:連動性──手先・足先まで
手先と足先までを含めた全身が、一つの動きとして協調する状態を目指す。骨盤帯と肩帯を意識せずに歩けるようになり、手足の末端まで動きが届く。骨盤帯と肩帯が透明になると理想的だ、とトレーニングでは表現されていた。
10回目:統合──自立への扉
残った箇所を仕上げるのではなく、スペースを残し、時間をかけて重力によって身体が整っていくのを促す。姿勢を保つことに使っていた力が戻り、気づいたときに自分で整えられるようになる。クライアントの自立を育てることが、この回の本質的な目的になる。
セッションとセッションのあいだ
10回は、1〜2週間に1回のペースで進む。数か月かけて受けることになるので、セッションを受けていない日のほうが圧倒的に多い。
間隔について、Sharon Wheelerから聞いたことがある。若い方は代謝がいいので2週間に1回を目安に、年長の方は1か月あけるとよい。そして10回シリーズを何度か受ける場合には、そのあいだを6か月あけるとよい、と。
もう一つ、覚えておくとよいことがある。セッションを終えた後に疲れを感じることがある。それまで使われていなかった筋肉が使われはじめるためで、その筋肉が動き出すには1〜2週間かかる。セッションの直後は、この疲れのほうに注目したほうがいい、というのが彼女の助言だった。
変化はセッションの中だけで起きるのではない。むしろ、あいだの日々のほうで定着していく。
10回を通じて何が変わるのか
身体的な変化として報告されることが多いのは、姿勢の改善、慢性的な肩こり・腰痛の軽減、呼吸の深まり、歩行の改善だ。
それ以上の変化を語る方も多い。頭が整理されるようになった、感情の浮き沈みが落ち着いた、自分軸がはっきりした。身体の構造が変わることで、感情・思考・自律神経のパターンも変わるためだと考えられる。
アドバンスト・トレーニングで、Ray McCallはロルフィングの目的をこう述べた。クライアントの身体とシステムを支えて、その人自身の道を歩む手助けをすること。その人が本来の自分である状態を促すプロセスだ、と。姿勢の改善は、その入口に過ぎない。
体験記
山田康喜様(理学療法士)は10回セッションを終えて、体重が10kg減少し、腰痛・膝痛がほぼ消失、不眠も解消された。身体の専門家として「頭でわかっていた」ことが、セッションを通じて身体の変化として現れた体験だ。
柿崎亜耶子様は腰痛の改善と同時に「内面的な部分と連動して身体の中の詰まり・滞りを自分で捉えられるようになった」と報告した。
10回という数は、どこから来たのか
ここからは、10回シリーズの成り立ちの話になる。受けるかどうかを考えている段階では、読み飛ばしてもらってかまわない。
10回という数は、最初からあったものではない。かつては7回で一区切りとされ、基礎トレーニングでも7回を終えた時点で乾杯が行われる。統合のための3回は、後から加えられたものだ。
では、その7回はどう決まったのか。
2016年に、アイダ・ロルフから直接学んだ数少ないロルファーの一人であるSharon Wheelerに、この質問をしたことがある。アイダはどうやって10回セッションを思いついたのか、と。
返ってきたのは、アイダは自分の過去について一切語らなかった、という答えだった。Sharonはそれを一言、Divine Inspirationと表現した。
そのうえで、彼女は自分の推測を述べている。アイダは、足をしっかり施術すると肩が落ちて広がる、と言っていた。だとすれば、もともとは足を扱う回が最初にあったのではないか。呼吸の回は、足の感覚をつかめない人がいるために、後から前に置かれたのではないか。
順序が、身体の論理ではなく、受け手の感じやすさから決まった可能性がある、という見立てになる。
それでも、この順序は50年以上機能してきた。
そして2025年のアドバンスト・トレーニングで扱われたのは、決まった順序を外したところで何を手がかりにセッションを組み立てるか、という問いだった。クライアントが何を期待しているか、どの原則が足りていないか、どこから働きかけるか。
手順の起源を疑うことと、手順を外して組み立てることは、同じ問いの両端にある。
10回でなければならない理由を、証明することはできない。ただ、この順序を通ると身体が変わることは、11年のあいだ見てきた。
もっと深く読む
フェーズごとの解説
- 表層セッションとは何か──1〜3回目に起きること
- 深層セッションとは何か──4〜7回目に起きること
- 統合セッションとは何か──8〜10回目に起きること
- ロルフィング用語集──10回セッションを読むために
筋膜・姿勢の科学
- なぜ肩こり・腰痛はマッサージでは治らないのか
- なぜ感情は身体に残るのか
- なぜ「楽な姿勢」は存在するのか
- なぜ「姿勢の良さ」は筋力ではないのか──Tonic Functionと重力の関係
- なぜ「歩く」は人間の基本なのか──二足歩行・重心移動・重力の科学
10回を終えた方・さらに深めたい方へ
10回のシリーズを終えた後、さらに統合を深めたい方のためにアドバンスト・シリーズ(5回)がある。決まった手順をなぞるのではなく、その時点の状態に合わせて毎回設計する。アドバンスト・ロルファーは、この上位のセッションを提供できる資格を持つ。
ロルフィングに興味を持ち、自分もロルファーになりたいという方へ。認定団体(DIRI・ERA・ABR)の違い、ベーシックからアドバンスト認定までの全体像を解説している。
ロルフィングの変容と「認識のOS」の更新はつながっている。思考・感情・身体の統合というテーマをより深く扱っているのが、Mind and Bodywork Labだ。
受ける前に確認してほしいこと
強い痛みが出ている、原因が分からない症状がある、怪我や手術の後である。こうした場合は、まず医療機関で診てもらってほしい。ロルフィングは医療ではないので、診断も治療も行わない。
治療を受けている最中の方も、主治医に相談したうえで受けていただくことになる。並行して受けること自体に問題はないが、いま何を優先するかは、診ている側と一緒に決めるほうがいい。
そして、10回は数か月かかる。その期間を取れる時期かどうかも、判断の材料になる。
まず体験セッションで、身体に何が起きているかを確認するところから始められる。
大塚英文(Ph.D.)|認定アドバンスト・ロルファー™/ロルフ・ムーブメント・プラクティショナー
東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(医学博士)。外資系製薬会社でメディカル・マーケティング業務に従事した後、2015年より渋谷でロルフィング®セッションを提供。「科学と実践の統合」をテーマに活動。
修正ではなく、変容を。
まずは60分の体験セッションで、あなたの身体に何が起きているかを確認することから。
※10回コースの強制はありません。東京・渋谷/60分/英語対応可
