2017年3月24日(金)、米国人のロルファー、Geal Rosewood先生(以下Geal)のRolf Movement Trainingが始まった。新宿村スタジオにて開催され、トレーニングは4日間に及ぶ。
初日には、Gaelが創成期から関ったRolf Movementがどのようにして生まれ、発展してきたのか?を説明した。
1969年に、Esalen Institute(Esalenについては「エサレン研究所(1)〜心理学とボディワーク」「エサレン研究所(2)〜心理学の大衆化と雰囲気」参照)でIda Rolfと出会い、Sharon Wheeler(Sharonについては「Bone Work(3)〜3日まで:Sharonの話」参照、SharonはGaelより2歳年上)と一緒にロルフィングのトレーニングを受けた。
当時のPhase IとPhase IIのトレーニングは一緒で、ロルフィングの理論と身体を見る目を鍛えることが主眼に置かれていた。Body Reading(身体観察)のパートで、ダンサーのJudith Aston(以下Judith)が
Idaから
「あなたは何が見えますか」
と聞かれた際に、動きのパターンを含めユーモアを交えながら説明できたという。身体を意識させるためのMovementのワークをJudithが教えるようIdaから依頼。
1971年より、Judithによる最初のRolf Movement Trainingが開催される。Gaelはそのトレーニングにも参加しているので、Rolf Movementの創成期にも関わったことになる。
トレーニングは、10年継続し、ロルフィングの基礎トレーニングに合わせてその前後に開催された。
10年後、Judithはロルフィング協会から離れAston Patterningとして独立。
残ったロルフィング協会のメンバー(Gealを含む5人)でRolf Movement Trainingとして存続、発展させていく。Gealの教え子たちの中には、Hubert Godard(「Mentoring Session(4)〜パリでの体験:基礎を大事にすること」参照)、Pedro Prado、Monica Caspari、Carol Agneessensも含まれる。
そして、ヨーロッパはHubertが、ブラジルはPedroとMonicaがそれぞれ独自にMovementを発展させていく。
このように国々の文化によってMovementは多様性が認められるようになったが、Rolf Movementはロルフィングの基本原理を踏襲しているという。
Gealは、基本原理を5つの言葉で説明していった。
どのようにして身体からのサポートを見つけるのか?(Support)どのように身体を整えるのか(Alignment)、どのように有機的に全体を動かすのか(Coherence)、どのように空間を意識させるのか(Space)、新たな動きの選択肢をどのように用意するのか(new choices)等。
Movementの場合には、手を使うのではなく、言葉を使うことになる。そのため、言葉に使い方についても、その人の意識(Awareness)や注意(Attention)をどこに向け、それを拡大(Magnify)、強調(Amplfy)させるのか?
身体への意識を向けるための言語を用意するということが、重要だということを力説していった。
特に大事なのは、
「何が正しいか」「是正する」
といったことではなく
「どのように新しい選択肢を用意し、意識、感覚を広げていくのか?」
という言葉がけだという。
このような基礎から始まり、2日目と3日目の呼吸や、肩甲帯、骨盤帯へのアプローチへとワークに向かう。次回は、クラス全体の雰囲気とワークについて書きたい。